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GN Athlete Interview #6 多田野彩香

先月GRIT NATIONに仲間入りした多田野彩香は空手日本代表にも選ばれたアスリート。東京五輪にあとわずか届かなった空手少女の顔に陰りはなく、むしろ世の中がふさぎこんでいる今にあっても堂々と人生を楽しんでいるように見えます。本当は飲みにでも行きたいところですが、このご時世なのでZOOMを通して彼女の内面に迫ってみました。

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Shoe: 君と飲みに行ったり語り合ったりする前にコロナ騒ぎに入ってしまったので、俺ですら「空手のすごい人」という以上の情報がないから、GRIT NATIONのクルーもそうだと思うんだよね。クラスを受けるにしても、ただ空手の人というより、なぜこの道を選んでいるのかみたいな内面を知ってからの方が意義深いと思うので、Ayaの話を聞かせてくれる?

Aya: 叔父が空手道場をやっていて、祖父母の家に道場があったのでよく見学に行っていたこともあり、4歳から空手を始めました。それからずっと続けて空手で大学の推薦をもらったものの、そんなに強くもなかったし、やめようと思ったんです。でも自分はまだやり切れていないな、やりたい気持ちがあるなら本気で空手をやってみようと、本格的な空手部のある日本大学に入学しました。

あまりにも練習が厳しくて後悔もしたけど、空手以外にも走ったり、重量挙げしたりで体は最強に(笑)
一、二年生の時は言われたことを怒られない様にずっとやっていたけど、全然勝てない。三年生の時に言われた事以外のことを自分で考え始めたら、突然勝てるようになってきました。自分で考えることが少しでもあれば変われるんだなって。

三年生の時はベスト8まではいくけれど、優勝は見えていませんでしたが、四年生の時にナショナルチームに所属する選手に三回連続で勝った時に「あれ、いけるかも」と思って。インカレで4位という結果が出て、ようやく試合で勝つことの楽しさが分かり、ナショナルチームにも選ばれて、アジア大会で優勝。過去の自分には想像もできないような結果です。もうこれで一区切り、空手は辞めようと考えていたのですが、母の助言もあって、オリンピックを目指すことにしました。ポイント制で選ばれるオリンピック代表にはなれませんでしたが、やりきったと思えていますし、いま自分のやりたいことができています。

Shoe: たぶん世間はAyaは空手日本代表で、昔から凄い天才って何となく思いこんでるけど、実際には違うわけだよね。日本の茶道の考えの中に存在する守・破・離の様に、今まで築き上げたベースを大学三年生の時に殻を破り、ブレイクスルーが起きた。まさにGRITだよね。そして最終的には師のもとを離れて自分の道を歩む。やっぱり努力って無駄じゃないだろうし、瞬発力でできることはたかが知れる。スポーツに限らず人生にも同じ様なことが言えて、それを体現している君の人間性や生き方が多くの人に影響を与えられたらいいよね。

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Shoe: アジア大会を取ってからいい流れがあって、でもオリンピックを掴み切れなかったっていうのは何か自分で思い当たることがある?

Aya: あまり思ってないですね。やることを全力でやって届かなかったのだからしょうがないなと思います。

Shoe:じゃあ気持ちはさっぱりしてる?

Aya: そうですね。ポイントポイントは結構きつかったけど、やりたかった事だからできたのかなと思います。仲良くしている子たちがライバルでもある、そういうのはあまり向いてないと思います。

Shoe: 先日の鈴木啓太くんとの話の中で、共感と競争ってセットじゃなきゃいけないと思うって聞いたんだけど、競争ばかりが先に来るとヘルシーじゃなくなってくる。対戦することはあっても、同じ道を追求し歩んでいる仲間でもあるよね。あいつがあんなに頑張ってるんだったら俺も負けないように頑張ろうという競争には学びがあると思うけど。

Aya: 勝ち負けに執着すれば嫉妬が出てしまう。スポーツやっている人は二位では意味ないとか思う時があるけど、そこは超えたかなと。

Shoe: 僕達が進化を楽しむ、プロセスを楽しむって言うのはまさにそういうことで、決勝戦に勝つことに意味があるというよりは、真剣に努力しているプロセスとドラマに面白みを感じる。RIZINのような格闘エンタメはここを丁寧に描いていて、なんでこの2人が戦わなくてはならないのかというストーリーがあるから面白い。

Aya: 目標に向かう途中は練習が楽しくなる。前向きな気持ちになるし、目標設定はすごく大事だなと。それこそ今コロナの影響で空手の試合は当面ないので、近い目標がなくなってしまい、一瞬どこに向かえばいいかわからなくなってしまいました。でも、オリンピックまでに空手をもっと有名にしようと思っていたことは、子供向けのGRIT NATIONのオンラインセッションやイベント開催を通してできることが分かりました。私の目標にも繋がるし、子供が空手を楽しんでいるのを見るのも癒されるし、今凄く楽しいですね。

Shoe: いいね。君の姿や考えていることも全部見せちゃえばいいと思う。迷ったり悩んだりしながら最終ゴールに近づいてくるみたいなこのプロセスを見ていることが楽しいし応援したくなる。

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Shoe: 自分の嫌いなところとかあるのかな?

Aya: 怒りっぽいところがありましたね。自分に厳しく生活していたから、他人にも期待を込めて厳しく接していた。「自分にも優しくすれば人にも優しくできるよね」というに母からの教えでお互いが楽しい状況になれるように少しずつバージョンアップできた気がします。

Shoe:そういうのはカチって切り替わるタイミングがあるの?

Aya: グラデーションというかだんだんと良くなっていく。あっこれかって思って変えていく。ちょっとずつちょっとずつです。

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Shoe: 凄く傷付いたことはある?

Aya: ありますよ。お前はバカだから何もできないって言われたことあります。多分勉強ができないことを言っていたんですけど、何でも素直に受け入れるタイプなので悲しくなったことはありますけど、母に電話して別に大したことないでしょみたいな感じで言われて、傷つく必要ないんだなと思って。人と人との関わりは、ある程度母から学んできました。

Shoe: 凄くお母さんの存在の大きさを感じるよね。お母さんてどんな存在なの?

Aya: 尊敬する人、すごい人は誰ですかって聞かれたら母ですと言います。空手の世界で技を凄いと思うことはあっても、母のような存在は他にいません。人間として大きいけど、友達みたいな感じもある。何かやりたいって言ったことは全部やらせてくれるし全部やってみなって言ってくれる。勉強しろと言われたことはなくて、自由にさせてくれて、失敗したら助けてくれるというか、拾ってくれるって感じです。

Shoe: 信頼って勇気なんだよね。

Aya: そうですね何やっても大丈夫って言ってくれるから、自分も大丈夫だなと思える。

Shoe: お母さんのようになりたい?

Aya: そうですね、愛ある人なので何でもかんでも言わない、その時にその人にあった言葉を言ってくれる感じです。

Shoe: 勇気であり胆力であり、いわゆるライフコーチみたいだね。Ayaは今後どうなっていきたい?

Aya: 空手を通してでも、違う手段でもなんでも大勢の人を笑顔にしたいです。何をしたいとかよりも、そういう人になりたい。体を動かす大切さを説くよりも、繋がっている人たちを楽しませていくイメージです。

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画面越しでも生きる力の強さを感じ、こちらが元気をもらったような時間でした。多田野彩香が世の中を楽しませるために考案したKARATE MOVEMENTは5月7日公開のGRIT NATION ONLINEで受けられます。

さらに!5月11日(月)19時はオープンクラスとして会員でない方にもクラスを開放します。凛とした美しさに触れ、一緒に動くことで自分も前に進める。そんな時間をご一緒しましょう!ご希望の方はGRIT NATION LINE Officialから「Aya空手」とメッセージを送ってもらえれば参加用URLを送ります。

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