Shoe Hayashi (林 周一郎)

GRIT NATION Inc. Founder / CEO Vision: GRI…

Shoe Hayashi (林 周一郎)

GRIT NATION Inc. Founder / CEO Vision: GRITが世界を自由にする / Mission: 人間の可動性を解放する / Value: 進化を楽しむ 慶應/ラグビー/三菱商事というメインストリームから外れ、職人魂のブランド化に挑みます。

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最近の記事

<「本気出しちゃうよ?」コミュニティの真のパワーとは>78/100

昨今、「コミュニティ」って一種の流行り言葉みたいになっていて、でもなぜそれが必要とされるのか、改めて考えてみました。 「斬り合い」と「掛け合い」 世界には「斬り合い」を楽しむ人と「掛け合い」を楽しむ人がいます。 斬り合いを真剣勝負とするなら、掛け合いは互いが空気を読んでちょうどいい攻めと受けを回します。卓球で例えてみれば、オリンピックは斬り合いで、温泉でやるラリーは掛け合い。どっちがいいという話ではなく、両者は別物だという話。 そして、僕たちの生活のほとんどは「掛け合

    • <43歳が謙虚の謎に迫る>77/100

      先日43歳の誕生日を迎え、何度か祝いの席で抱負を求められるたびに「謙虚」という言葉を口にしてきました。まぁ、取り立てて珍しいキーワードではないはずです。 しかし、 「謙虚になりたいと言う人が、謙虚になったことはない」(友人) 「周さんが謙虚ではないと、思ったことがない」(同僚) 僕という人間は一人なのに、正反対のフィードバックをもらうのが不思議で、直感的に口にした「謙虚」とは一体なんなのか気になってきました。 謙虚とは何か 一旦、辞書を引いてみます。 このようにいく

      • <GRITとは外圧のデザインである>76/100

        GRITはモチベーションとは違う GRIT、それはやり抜く力 成功者に共通する因子だと言われています。成功する唯一の秘訣は「成功するまでやめないこと」ですから、たしかに納得です。 ではGRITは先天的に備わった才能か?それとも後天的に獲得する能力か? 前者だと救いがないので、できれば後者であってほしいけれども、どうにも血と汗の匂いがするというか、ものすごいストイックな人にしか宿らなそうな印象があります。 でも本当にそうでしょうか? どんな偉大な選手にも、感情やモチ

        • <喫煙ルームを2階にしましょう>75/100

          大企業とのお仕事はもちろんありがたいのですが、前職の先輩から頂戴した案件もとても学ぶところがありました。 働く側に選択権が移りつつある会社 金属研磨加工を営むその会社は、ニッチながら業界シェアが高く、国内3工場を構える質実剛健な印象。 一方で、研磨時に出る粉塵で、工場内はいわゆる3Kの過酷な環境、コロナ禍によって外国人労働者の確保もままならない。従業員の平均年齢は上がる一方で、若者の離職率も高い。仕事はあるのに、人が集まらないことで行き詰まる未来を、経営陣としては憂慮し

        <「本気出しちゃうよ?」コミュニティの真のパワーとは>78/100

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        • シンカビト
          5本

        記事

          <感覚を支配するMODEとMOOD>74/100

          (前回からの続き) 健康経営系の施策が、どれも会議室の中では良さそうなアイデアのように聞こえるのに、実際には参加率や利用率が極めて低いということが多くの企業で起きています。 我らが未来の喫煙所”&well Pit”もその利用率がなかなか上がらず、アンケートを取ってみると、第2位が「使い方がわからない」でしたが、圧倒的第1位は「人目が気になる」でした。 以前、人に変化が起きる時は順番があるという話をしました。 神経系(感覚)→筋系(機能)→骨系(構造) アメリカ西海岸の

          <感覚を支配するMODEとMOOD>74/100

          <未来の喫煙所…だと?>73/100

          (前回からの続き) 喫煙所にはタバコを吸うという機能的な価値と、同じ趣味(中毒?)を持つ仲間たちとのコミュニケーションという情緒的な価値が宿っているのではないかと考えました。 例えばこのタバコを水素吸引に置き換えることで、機能的な価値を健康的な効果が得られるものにスイッチして、情緒的価値をそのまま活かすことはできないだろうかと。喫煙所のアップデートでもあり、非喫煙者も巻き込むリフレッシュスペースの提案です。 当初はトレーニング器具を提案してほしいというリクエストがありま

          <未来の喫煙所…だと?>73/100

          <タバコの代わりに水素でも吸ってみますか>72/100

          Amazonでの仕事が呼び水になって、三井不動産からご相談をいただくようになりました。 コロナ前からの話ですが、人々が満員電車に疲れ、企業が都市部を離れ、リモートワークが加速した世界において、オフィスの価値は揺らぐのではないかという不安がありました。 三井不動産を始めとする、一等地のオフィスビルで収益を上げているディベロッパーからするとその状況を座して待つわけにはいかず、いかにして「働く」以外の価値をオフィスに持たせるのか各社知恵を絞っているわけです。 三井不動産の選択は

          <タバコの代わりに水素でも吸ってみますか>72/100

          <いつか作るぞアスレチックパーク>71/100

          原点で思い出したのが、受注に至らなかった東京ガスの案件。 築地から豊洲に市場が移動した時、ベンゼンによる土壌汚染が問題になっていたことを覚えていますか?それもそのはず、あの場所は東京ガスが所有する土地でかつて石炭を燃やしまくっていた場所なので、そりゃ汚れてるよねと。 区画のほとんどは市場になりましたが、第4街区と呼ばれる1区画は東京オリンピック後の再開発を前提にユニークな使われ方をしていました。為末さんが館長を務めるランニングスタジアム、がん患者と家族の拠り所マギーズ、T

          <いつか作るぞアスレチックパーク>71/100

          <これが原点、忘れるな>70/100

          まずは契機となったAmazon Japan。 創業したてで何の実績もない僕にチャンスをくれたのは上海のラグビー仲間。ありがたい。 目黒駅前にできた新築のビルにオフィスを増床する同社の方針は、「地域密着」と「Well-being」ということでお声がけ頂いた次第。 今や世界的な企業になったAmazonにも当然Day1があるわけで、かの有名なベゾスさんはお金がないからドアをDIYして机がわりにしていたのだとか。そのエピソードを示すドアで作られたテーブルがレセプションに飾られて

          <これが原点、忘れるな>70/100

          <ウェルネスコンサルティングってなんだ?>69/100

          事業ポートフォリオ、三菱商事で初めて知った言葉です。 ラフに言い換えると、色々な事業の軸を持っておけば、どこかが凹んでも別の事業軸で立っていられるということでしょうか。一本足打法は分かりやすく美しいですが、不測の事態に対処するためにはいくつかの収益の柱が必要になります。 コロナ禍は強烈な環境変化で、多くの人と企業に変革を促したとも言えます。 御多分に洩れず僕たちもオンライントレーニングを始めましたが、道具を使い移動を伴う僕たちのプログラムはヨガなどに比べてオンラインでの

          <ウェルネスコンサルティングってなんだ?>69/100

          <ムードの風を捉える>68/100

          (前回からの続き) やったほうがいいことをちゃんとやる。これがなんとも難しい。 もちろん意志の力でできる人もいます。だけどできない人の方が圧倒的に多い。社会を変えようと思った時、できる人を基準にしても何も変わりません。何かが変わるとしたら、環境からの圧力によって大勢に変化が起きる時だと考えました。(黒船が日本を変えた、みたいなこと) 環境からの圧力は「ムード」と言い換えられそうです。 東京五輪はその最たるものでしょう。世界のスポーツの祭典が日本にやってくる、メディアを

          <ムードの風を捉える>68/100

          <「できないから、やらない」をもうやめよう>67/100

          (前回からの続き) では僕たちが考える、人間のパフォーマンスを高めるトレーニングとはどんなものになるのか。 答えはアスリートの世界の中にあり、それを実践する職人もいましたが、問題は「翻訳」です。 業界の人間にしか通じないマニアックな内容を、いかにして誰しもが理解可能な形で表現するのか。 (…正直、創業から7年目の今でも悩んでいます。) パフォーマンスという建物は3階建てだと言われています。 上に行くほど脳に近くなり、下に行くほど原始的な体力要素が強くなります。そして

          <「できないから、やらない」をもうやめよう>67/100

          <この景色を日本で見たい>66/100

          (前回からの続き) 元商社マンとして、ジムというビジネスモデルには魅力を感じませんでした。 会費×会員数が売上の上限になるので、箱を増やすしかスケールの道がないからです。 でも人間本来の身体機能を取り戻すことを可能にする職人魂こそがブランドのコアであるなら、やはりそれを体験できる工房は必要です。そしてジムをプロフィットセンターと捉えず、ライフスタイル提案の場であり、コミュニティスペースとした場合、一連のブランドストーリーの欠かせない第一歩になると感じました。 あまり知

          <この景色を日本で見たい>66/100

          <GRITの達人はストイックな人ではない>65/100

          (前回からの続き) 以前こんなことを書きました。(アパレル界で感じた自分の岐路について) 「順番を変えて考えてみると、先にあるのは市場ではなく人そのもの。人がいて、思想が生まれ、それをもとに共同体が形成され、その生活様式にフィットしたものが商品となっていく。いつか自分がブランドを作る時が来たら、絶対にこの順番を違えないようにしようと、静かに心に誓ったのであります。」 僕が出会った職人魂はブランドの根っこになるかもしれないと思いました。アスリートの壁の向こう側にしかなかっ

          <GRITの達人はストイックな人ではない>65/100

          <職人魂を調理することはできないか>64/100

          (前回からの続き) 最初の着想が今ひとつ確信に変わらず、熱い思いの行き場を求めて彷徨っている時、ある高名なトレーナーに出会いました。 その時点でジムをやろうという発想はなかったのですが、彼の話を聞いてまず僕が思ったのは「もっと早く知りたかった!」ということ。 僕は学生時代をラグビーに捧げたわけですが、特に大学時代は度重なる怪我に悩まされ、「お前筋トレし過ぎだよ」と言われながら、その因果関係がわからないまま大人になりました。 卒業から12年、オリンピック選手を見るレベル

          <職人魂を調理することはできないか>64/100

          <日本のスポーツはエンタメじゃなくてレクリエーションだよ>63/100

          (前回からの続き) スポーツをいかに「観る」か、その体験をいかに変えられるか。そのヒントを掴みたくて、たくさんの人に会って話を聞いていました。 そんな時、スポーツ先進国アメリカで、スポーツコンサルタントとして活動する方のお話を聞く機会を得ました。目黒のバーで聞いた彼の話を今でも覚えているのですが、最も驚いたのは「日本のスポーツはエンタメじゃなくてレクリエーションだよ」というくだり。 その象徴は「自由席」だそうです。 当時のラグビーが象徴的でしたが、2015年W杯の大躍

          <日本のスポーツはエンタメじゃなくてレクリエーションだよ>63/100