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SHODENSHA COMICS通信 10月号 ~ 編集部員たちが選ぶ”俺だけの”インディゲーム

こんばんは。SHODENSHA COMICS編集部です。

東京シティビューにて開催中の、ブラックジャック展に行ってきました。とてつもない量の原画に囲まれ、会場に入った瞬間から胸がいっぱいに…。

来場者の年齢層は幅広かったのですが、ご年配の女性二人組が原画をじっくり眺めながら「なつかしいねえ」と語り合う姿を見て、とてもあたたかい気持ちになりました。

時代が変わっても、キャラクターの魅力や作品に出てくる言葉の強さは、ずっと変わらず読者の心に在り続けていて、これから先そんな作品とどれだけ出会えるだろうか…なんてしんみりしたことを考えたりしました。



編集部の日常をゆる~くお届けするSHODENSHA COMICS通信。
今月は、編集部員たちおすすめのインディゲームをご紹介します!

■インディゲームって何?
「インディペンデント・ゲーム」の略称で、少人数・低予算で開発されたゲームソフト。多くがコンテンツ配信サービスを通じてダウンロード販売されています。

近年、かなり注目を浴びているインディゲームですが、いざ誰かと話をしようとすると「知らない…」と言われることが結構あります。

「このゲームを知っているのは私だけなのでは?」と錯覚し、寂しさを感じつつもちょっと優越感を感じたりして、そこも含めてインディゲームの楽しさではないかと思っています。

今日はそんな「俺だけが知っている(ような気がする)」インディゲームをご紹介していきます!

編集長・山田の”おすすめインディゲーム

Amanita Design HPより

 Amanita Designというチェコのゲーム制作会社がずっと好きで、新作は必ずプレイしています。<ポイントアンドクリックアドベンチャー>というジャンルのゲームが多いのですが、絶妙な難易度、エモーショナルなBGM、美しさと厳かさが同居する世界観に毎回魅了されています。
 今年の春にiOS等でも配信がはじまった『Happy Game』も傑作でした。現在開発中の『Phonopolis』が心底楽しみです。子供の頃にどこかのイベント会場でプレイした『マンホール』のゲーム体験が鮮烈で、その後『MYST』にハマり、今でもその幻影を追い続けているような気がします。

編集部員・上代のおすすめインディゲーム

『Ib』(kouri)'12

 学生時代はフリーホラーゲーム沼にずぶずぶで、放課後友人の家に集まってゲームしたり、お泊りして夜通しゲームしたり...みたいな日々をよく過ごしていました。
 印象に残っているゲームはいくつもあるのですが、特に好きだったのが『Ib』です。(先日 Switch 版が発売されたので、インディゲームなのか微妙なところではあるのですが...。) 美術館から出られなくなるストーリーと、魅力的なキャラクターたちに心を掴まれました。 先日、池袋で開催していたゲルテナ展に足を運んだのですが、画面の中で見ていた絵画の実物を間近で見ることができたり、物語の体験コーナーがあって本当に激熱でした...!
 もう一つは、『1999ChristmasEve』というノベルゲームです。クリスマスイブに恋人と宿泊 する予定だった宿に向かう途中、車が故障してしまい――というところから始まるのですが、夜道をドライブするたび冒頭の場面が頭をよぎるようになりました...。分岐の量がえげ つないので攻略が大変なのですが、そこも魅力の一つだと思います!10 年以上推している実況者さんきっかけで知り、未だに自分ではプレイしたことがないのでいつかやってみたいゲームの一つです!

編集部員・川端のおすすめインディゲーム

『Before Your Eyes』(GoodbyeWorld Games)'21

 自分ではゲームをプレイしないのですが、実況動画はよく観ています。ストーリーのあるインディゲームが大好きで、『メグとばけもの』や『OMORI』、『GOOD BYE WORLD』は実況を観て大号泣しました。
 さて、今回私がおすすめしたいゲームは『Before Your Eyesです。死んでしまった主人公が船の上で目覚め、”フェリーマン”と出会うところからはじまります。彼に自分の人生を劇的に語ることができれば、無事に死後の世界へ行けるのだとか。記憶を取り戻すため、主人公は人生の大事な瞬間へ送られますが――。というあらすじです。
 このゲームはプレイヤーがまばたきをすると場面が切り替わり、物語が進んでいきます。そのため、もっと見ていたくても生理的に見られないシーンがあったりして、自分の身体とゲームの世界がリンクするという不思議な体験をしました。
 人生を追体験していく中で、主人公は自分の人生の本当の価値に気づくことになるのですが、終盤からエンドロールにかけて嗚咽が出るほど泣きました(今も思い出して涙目になってます)。ドラマチックじゃなくても、自分の人生って悪くないのかもと思わせてくれる最高の一本です。


誰とも語れず、自分の中だけで気持ちを育ててきた作品だからこそ、文章に乗った熱量がすごいですね…。
どこかで誰かと語り合えることを祈っています。



さて、10月30日よりSHODENSHA COMICSの読切デジタル誌『FEEL FREE vol.3』が配信スタートいたしました!

新進気鋭の作家陣が描く、珠玉の短編3作品をどうぞお楽しみください!
編集後記も公開中です。↓



SHODENSHA COMICS通信、次回もお楽しみに。


(イラスト:川端)

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