【選手紹介】第95回選抜高校野球大会 見たい選手まとめ【後編】
後編です。WBCが盛り上がっているのでセンバツの話をあまり聞かないような気もしますが、未来の日本代表になるかもしれない選手に早めに唾をつけておきましょう()
大会4日目
能代松陽
夏春連続出場。エースの森岡大智は昨夏の甲子園で143キロをマーク。現在は147キロまで上がったそうです。56.2回を投げて53奪三振12四死球と制球力も高いものがあります。甲子園レベルで頼れる投手は森岡1人だけなのでどこまで粘れるかがポイント。
龍谷大平安
上位打線は4割超えの打者がずらり。チーム全体でも.388の高打率。この得点力が武器であり鍵です。中でも山口翔梧の打率.615は群を抜いています。ショートで9試合無失策なのも素晴らしい。進学の多いチームですが要注目です。投手陣ではエースの桒江駿成。高校生では珍しいシンカー使いの技巧派投手です。また、もし出られるなら岩井聖の復活にも期待したいです。
長崎日大
2年生の西尾海純は噂に聞く好投手。ストレートの最速は既に140キロを超えているようで、これからに期待ができます。投手でありながら名前が「みいと」だそうで。豊田喜一は全国トップクラスの強肩を誇る捕手。168cmと小柄ですが近頃は小さい捕手も多いですし、本人の目標も甲斐拓也なようで解釈一致。打率5割に5盗塁というのは甲斐に似てないですね(甲斐に失礼)。
仙台育英
エースの高橋煌稀は高い制球力が武器。昨夏は胴上げ投手になりました。183cm/85kgの体格がありスピードもそこそこあります。秋は不調だったようですが、それでも33.2回で32奪三振10四死球。私が現地で観戦した試合で先発したのは湯田統真。その試合はあまりよくありませんでしたが、秋は25回で31奪三振8四死球。夏は出番が少なかっただけに、大きく成長したと言えそうです。仁田陽翔は最速147キロの左腕。制球力の点では高橋・湯田には及ばないものの、その球威は抜群。前田や東松に迫る評価を得てほしい。公式戦はほぼこの3人でしたが、練習試合では左腕の田中優飛も多くの登板機会を得ており、52.1回で61奪三振15四死球と力を見せました。複数投手制を採用しており、私が知らない好投手が他にもいることでしょう。全国トップクラスの投手層の厚さです。
打線はやや迫力に欠けますが好打者が揃います。山田脩也は2番打者ですが決してバント要員ではなく、勝負強さとパンチ力があります。一番の武器は守備でしょう。プロ志望とのことなので、他の有力ショートが出場していないこのセンバツで存分にアピールしてほしいです。橋本航河は9試合10盗塁のスピードが武器。湯浅桜翼は1年秋に3番任されており来年にわたり注目しておきたい選手。
慶應
公式戦12試合で15本塁打98打点とかいうやばい打力のチーム。ただその長打力と引き換えにというべきか、強いチームの割に三振が多いです。4番の加藤右悟が最多の3本塁打。清原勝児ばかりがそのネームバリューで目立っているような気がしますが、他にも良い打者がいますね。その清原も4割2本塁打と派手な活躍。仙台育英の強力投手陣を相手にどこまでやれるでしょうか。基本は進学のチームですから、どれぐらい慶應大で見られるか楽しみにしています。
大会5日目
彦根総合
練習試合の数がめちゃくちゃ多く、成績欄には誤植かと思うような数字が並んでいてびっくりしました。まあ対戦相手のレベルがアレやけど(小声)。エース左腕の野下陽祐は最速143キロ。制球もそれなりにあると思われますが練習試合を含む数字はアテにできないですね…。2枚目3枚目の投手の成長が待たれます。打線では5割打者の上田大地が鍵を握ります。
常葉大菊川
鈴木叶が攻守の要。旧チームから4番に座る強打者で、秋は1本塁打を含む8本の長打を放ち、15打点をあげました。肩も抜群に強く、プロ注目の選手です。投手力にやや不安があるだけに、捕手・鈴木の能力を測る良い機会になるでしょう。
専大松戸
エースの平野大地は最速151キロを誇り、ドラフト上位候補に名前が挙がる好投手。投手転向3年とかでこの球速を記録したそう。経験の浅さゆえに未完成な部分はあるものの、映像を見ていても本当に良い球を投げているので、今大会の活躍で一気に全国区の選手になってほしいです。そのためにまずは秋の故障が癒えていてほしいです。元々は捕手だったので打力もあり、実際に秋は本塁打を放っています。平野のコンディションが鍵ではありますが、練習試合を含め91回18四死球と制球力が武器の青野流果、187cm左腕の渡邉翼が控えます。野手では2年生ショート中山凱が2本塁打19打点の大活躍。来年に向けて要注目です。
東海大菅生
190cm/95kgの超大型右腕・日當直喜は既に150キロに到達したようです。防御率的にも結果は残していますが、K/BBがあまり良くなく、塁上を賑わせがちな数字です。まだこれからの素材というかんじ。現地で見た時は肩の不調で1イニングだけで降りてしまったので、正直あまり印象がよくなく…笑 あくまで期待値が高いが故の辛めの評価ですので許してください。神宮で見た時好投していた島袋俐輝を含めた投手陣全体で頑張ってほしいです。野手は飛び抜けた選手はいないものの全体的によく打っています。プロかと言われると…なので、みんな亜細亜大学に行きましょう。
大会6日目
健大高崎
エースの小玉湧斗は最速144キロ。練習試合を含めれば108回で100奪三振の成績を残しています。4番サードの佐藤志龍はプロ注目の強打者と聞いていましたが昨秋は不振。チーム打率が.260に留まっているので、8試合8盗塁の1番増渕晟聖、8試合5盗塁の2番半田真太郎の機動力が鍵になります。2桁番号の新2年生で実績は無いものの、田中陽翔が練習試合で4本塁打しており、182cm/79kgと立派な体格をしているので気にしておきたいと思います。
報徳学園
盛田智矢は187cmの長身で最速は141キロ。公式戦37回で30奪三振9四死球と制球力があります。球速が伸びて三振をより多く取れるようになれれば。新2年生の今朝丸裕喜も185cmの長身、間木歩はイニングとほぼ同じ数の三振取っていて、早くも来年に期待が持てます。堀柊那は鬼肩の捕手であり、打っても打率4割、盗塁数チーム2位と脚もあります。4番石野蓮授は4割5本塁打18打点。岩本聖冬生は堀を上回る盗塁数を記録した超俊足のセンター。タレント揃いで非常に面白いチーム。初戦で健大高崎と当たってしまい、どちらかが見られなくなってしまうのが本当に惜しいです。みんな関東じゃなくて関西の大学に進学してね。
氷見
昨夏は県大会決勝に進出。そのチームを引っ張っていた青野拓海が新チームでも中心選手です。投げては最速143キロ、打っては高校通算18本塁打と、二刀流での活躍が期待されます。初戦の相手が履正社じゃなければ…。
履正社
昨夏も1番を背負った増田壮は143キロ左腕。防御率こそ良くないですが、三振が取れて制球力のある好投手です。打撃も良くて2本塁打。本当に170cm/71kgなの?と疑いたくなる厚みのある体格をしています。怪我から復帰した右腕の今仲巧と左腕の福田幸之介、秋に147キロを出した中村太星、新2年生の高木希空など、多くの好投手が控えています。1番打者の西稜太は打率.463を記録。3四球に対して5三振はやや多いように思いますが、その分パンチ力があって頼もしい。3番の森田大翔は打率.563に4本塁打20打点。有望な右のスラッガーです。坂根葉矢斗は旧チームから4番で捕手を務めます。その他のメンバーもよく打っておりチーム打率は4割超え。投手が安定して打線がハマれば快進撃も十分ありえると思います。
大会7日目
クラーク国際
エース右腕の新岡歩輝は、旧チームではショートを守りクリーンアップも任された野球センスの持ち主。175cm/67kgと小柄で球速もさほどありませんが、制球力に優れた”勝てる投手”タイプ。打っても打率4割、8試合で3盗塁と脚もあり、ショートとしても見たかったと思わせます。公式戦は新岡がほぼ1人で投げていましたが、練習試合では控え投手も好投。田中聖人は180cm/90kgという体格から粗削りなパワー型かと思いきや、96回84奪三振17四死球という抜群の制球力の持ち主。レフトのレギュラーでもある中村光琉は110.1回でわずか8四死球。投手力の高さは窺えるだけに、守備力の強化が課題と言えます。野手では4番捕手の麻原草太に注目。秋はやや不調だったものの、1年時から4番を任される強打者です。
高松商業
エース左腕の大室亮満は188cmの長身左腕。現時点での最速は138キロとのことですが、上背はあるのでもっと球速が伸びれば面白い存在。昨年の浅野翔吾のような圧倒的な存在はおらず、少ないチャンスをモノにする系の打線がどこまで機能するでしょうか。
優勝予想
今回も優勝予想をしてみたいと思います。先日発表された組み合わせから勝ち上がりを予想し、上位に進出すると私が考えたのは…
◎オーサカトーイン
○コーリョー
▲センダイイクエイ、リセイシャ
☆ホウトクガクエン
以上のチームです!
春のセンバツは夏ほど複数投手の運用が重視される大会ではないものの、球数制限がある以上はどのチームも良い投手を複数用意しないと勝ち上がれません。その意味で、重い印をつけたのは優秀な投手スタッフが揃っているチームです。中でも投手力と打力のバランスが高い水準でとれているオーサカトーインとコーリョーを本命・対抗の評価としました。ガチガチの人気決着予想ですが、オーサカトーインが連を外すことは無さそうなほど盤石に見えます。それだとオッズの妙味が無さそうなので、馬券的にはコーリョーを上に取りたいところですが、そういうゲームではないのでオーサカトーインが本命です。センダイイクエイは投手力寄り、リセイシャは打力寄りのチームですが、ハマれば上位2チームを上回る可能性も十分あると思います。面白いかもと思っているのはホウトクガクエン。良い選手がたくさんいるので、たくさん勝ち上がってほしいという、ほぼ願望みたいなものですが。その期待の選手たちがバチっとハマってくれれば穴を開けてくれるのではないかと思っています。
最後は野球なのか競馬なのかよく分からないことになりましたが…。各校とも期待している選手がたくさんいるわけですが、高校では短期間で一気に評価を上げる選手が少なくないですから、全くノーマークだったところから突然すごい選手が出てきてくれることも同時に期待しています。
それでは今大会の注目選手紹介、もとい私の見たい選手まとめはここまで。次回の投稿でお会いしましょう!