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奈良県-御所市-古民家再生プロジェクトの視察
先日、奈良県御所市にて古民家再生事業を行っている「株式会社narrative」さんの古民家再生事業の現地見学をさせていただいた。
そもそも奈良県の御所市ってどこなのだろう?と関西に住んでいながら不勉強な私は早速訪問する前に調べてみた。
するとどうだろう、御所市を[ごしょ-し]と呼んでいたことがそもそも間違いだった事に気づいたのである。
御所市は[ごせ-し]と読むのだそうな。
まったく日本の地名は同じ漢字の地名でも読み方が違うことが多々ある。
余談だが、私は出身が九州の為、別府を[べっぷ]と読むことが当たり前なのだが、私が現在住んでいる兵庫県にある明石市には別府と書いて[べふ]と読む地名がある。
前職の際にお客様の物件探索時に揚々と[べっぷ]読みして恥ずかしい思いもした。
さて、御所市を調べてみるとこのように御所市のHPに記載されている。
https://www.city.gose.nara.jp/kankou/
「御所市は奈良県の大和平野の西南部に位置し、金剛山・葛城山が峰を連ねる山麓の東南部の丘陵地から平野の広がる緑豊かなところです。
5世紀の大和政権を大王家と両頭で担っていた古代豪族葛城氏の本拠地であり、金剛山・葛城山の麓の高台は、その当時から神々を祀る聖地であったと考えられます。」
おぉ...さすがもともと都があった奈良。
歴史と威厳と神々しさまで感じさせてくれる文面じゃないか。
奈良県の王寺駅から和歌山線に乗り換え[※1時間に1本の運行]御所駅に降り立つと、駅員不在の無人駅でいわゆる「田舎の駅」ではあるが、そこはさすが関西圏内なのでICOCAなどの交通系ICカードで改札は通れる。
さらに余談だが、長崎県内にある私の故郷の駅は今だに交通系ICカードでの乗り降りはできない...。
「初めまして御所市!」と心の中で呟いて街に足を踏み出すと、そこはまぁなんというか人通りも少なく、駅からすぐにあった商店街もお世辞にも活気があるとは言い難く...。
※だからこそ空家や古民家の再生によって地域活性化や地方創生を促し、人が集まる仕組みを作っていくのが大切なんだと思う。
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さて、古民家再生見学会に訪れた[赤塚長屋]は「御所まち」と呼ばれるエリアに位置しており、伝統的な建物が今なお守られた陣屋町は、江戸時代の「検地絵図」とほとんど変わらない姿で残っており、歴史の息づかいが感じられる町並みです。
建物は、長屋独特の奥行きある空間を効率的に使うための「通り土間」や、古民家ならではの木材や土壁などの自然素材をしつらえ、伝統的な住まいが持つ本来の魅力を感じることができます。
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水洗設備に関しては元々下水道の引き込みがなされておらずトイレは汲み取り式だったそうで、大掛かりな工事としては下水管の引き込み工事が一番大きく費用がかかった部分だそうだ。
写真でもわかるように、narrativeさんはこの[赤塚長屋]を古民家としての形状・素材等を基本的にそのままの状態で残して賃貸物件として提供している。
普通に考えると壁には隙間も空いているし、建具は若干の傾きも見られるなど、耐震性やその他諸々も含めて居住性能としての快適さは現代社会においては無いに等しいと言わざるをえない。
narrativeの担当者の方も賃貸仲介される不動産会社さん達から「この状態で賃貸に出すんですか...?」と困惑気味に聞かれますと話されていた。
そう、現代の住居レベルで考えると「この家を借りたい人はいるのか?」と思うのだが、そこはこの[赤塚長屋]が古民家として古き良き空気感などのノスタルジックさを体感することにステータスを全振りしているので、全国の古民家愛好家から2024年の年始から続々と問い合わせが来ているそうだ。
さらにこの[赤塚長屋]の物件は2戸が連なっている長屋なのだが、すでに1戸は同じ御所市内のご自宅の古民家を改修中の方が仮住まいとして4月まで入居されているというのだから驚きである。
そしてこの[赤塚長屋]に入居すると、これまたnarrativeさんが廃銭湯となっていた銭湯を再生させた[御所宝湯](※物件から徒歩4分)に入り放題という特典が付くのだそうだ!
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株式会社narrativeさんは御所エリアにおいて、御所市と南都銀行と「御所市における歴史的建造物活用に関する連携協定」を締結し、2022年10月より上記の廃銭湯の復活を中心とした「泊・食・湯」分離の分散型ホテル「GOSE SENTO HOTEL」の営業を開始しており、歴史ある古民家を宿泊施設やレストランとして改修し、奈良の文化と建物を活かした取り組みをされている。
https://www.gosemachi.com
[赤塚長屋]を見学させていただいた後に、narrativeさんが運営している宿泊施設の一つ「RITA御所まち」も見学させていただいた。
こちらはもともと万年筆工場だった古民家を改修してホテルとしており、旅館業の申請に係る設備改修などもあり、中は古民家の味わいを残しつつもしっかりとリノベーションされていて、時間の流れを忘れさせてくれるような落ち着いた雰囲気である。
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narrativeさんが[GOSE SENTO HOTEL]として御所まちエリアに銭湯やホテル、レストランを開業してから、この御所の街に万人単位で人が足を運ぶようになっているそうで、最初の方に書いたお世辞にも活気があるとは言えなかった商店街にも、銭湯やホテル目的で来た人々が足を運ぶようになっており、近隣施設も少しづつではあるが活性化してきているようだ。
![](https://assets.st-note.com/img/1707808173902-7a06yavK5P.jpg?width=1200)
「空き家再生」がそのまま「まちづくり」や「地域活性化」に繋がるとは言えないが、空き家を再生することによって[放置]されていた家に新しい[役割]が与えられて、「まち」や「社会」「地域」に再度溶け込んで混ざり合うことで「活性」化していくのではないだろうか。
私も空き家再生事業を行なっている一員として、一つでも多く[放置]されている空き家を「まち」や「社会」にとって再度[役割]のあるものに再生できるように励んでいきたいと思う。
ちなみに御所には日本酒「風の森」で有名な油長酒造さんがあるのだが、
この視察旅の最後に油長酒造さんの日本酒「風の森」と油長酒造さんが手掛けるクラフトジン「橘花ジン-KIKKA GIN-」をウキウキで購入して帰ったことは言うまでもない。
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いかがだったでしょうか。
奈良県御所市。
とりあえず[ごせ]と読むことだけでも覚えていただけたらありがたい。