#私を作った展覧会5選
三菱一号館美術館の公式アカウント(@ichigokan_PR)が始めたんでしょうか?このハッシュタグ「#わたしを作った展覧会5選」に便乗してみました。
他の方も言及されてますが、「ベスト展覧会5選」でなくて、「私を作った」という設定が絶妙ですよね。5つの展覧会を選ぶ際に、家にある展覧会カタログを振り返るというよりは、自分を見つめ直すような姿勢になって、それが楽しかった。そして「この展覧会に行ったことで、自分のアートに対するものの見方が変わった」という経験が結構いろいろあるんだなあ、と見つけ直して気付きました。
本論とは関係ない話ですが、ハッシュタグ大喜利みたいな文化って本来のSNSの使い方っぽいですけど、あまり最近は見ないようにしてた(政治的なアクティビズムのコピーにされてるから)んですよね。そんな中で本来あるべきハッシュタグに出会えて、気軽にツイートできて、他の方の投稿を掘って、なんだから良きインターネットでした。
1. 「奈良美智 君や 僕に ちょっと似ている」横浜美術館 2012年
おそらく、私が自覚的に足を運んだ初めての現代美術の展示です。きっかけは、当時ニコ生で茂木健一郎さんが展覧会レビューをやってるのを見て、興味を持って。大学入学したてで、確か夜行バスで横浜に行って、体力的にフラフラになってた中で奈良さんの大作を見て、全身が作品に包まれた記憶があって、あの感覚が忘れられません。
これですね。これをたまたま見たんです。
こんな記事があったんですね。展示風景の動画も複数残ってて貴重。
2. 「アンドレアス・グルスキー展」国立国際美術館 2014年
足を運んだきっかけは覚えていないのですが、私の信頼の国立国際美術館にハマった契機となる展示でした。当時大学で近代美術史や写真の歴史の講義に夢中になってて、そんな中で、写真をメディアとする超大物現代アーティストであるグルスキーにブチカマされた記憶があります。現代アートってこれのことか!と思って、言語化はできないながらも現代アートを認識した展示。
https://www.nmao.go.jp/archive/exhibition/2014/post_176.html
個人的に、父が駐在していた影響でタイのバンコクに学生時代から何度か足を運んでおり、グルスキーの"バンコク"のシリーズが本当に大好きです。
最近まで、ソウルでグルスキー展やってるみたいですね。これは行くべきだった・・・
3. 「村上隆 The Octopus Eats Its Own Leg」MCA 2017年
シカゴでミースの建築やシカゴ美術館で「近代建築・近代美術」の力強さに圧倒されてた中、やっぱり私は現代アートが好きやねん、と思わされた展示。また六本木でも村上隆の企画展を見たがあまりハマらず、こっちでは作品の力が溢れてたのに驚いた。
大学時代に『芸術起業論』『芸術闘争論』を読み、またニコ生などでの発信もあったりで、同時代をリードするトップアーティストとして注目はしていたのですが、作品を見ることができる機会がほとんどなかったんですよね。
そんな数年を過ごしている中で、彼がヒップホップシーンでのインフルエンスも拡大していき、なんかもう作品を見たことないのにインスタグラムで彼を見ない日はない、みたいな状態になっていった。
そういう状況で森美術館で見た五百羅漢図展は「すごい」とは感じたものの、それ以上の感情にはならなかった。なのになぜか、シカゴで見た彼の展示は「すごい」「強い」「美しい」・・・さまざまな感情が湧いてきて、圧倒されちゃいました。
4. 「インポッシブル・アーキテクチャー展」埼玉県立美術館 2019年
この展示見て、自分は建築作品と同じかそれ以上に建築家のドローイングとかビジュアルアートとかコンセプト模型が好きなんだなあと実感させられた。アーキグラム、スーパースタジオ、セドリック・プライスとか、いつかコレクションしたい。
カタログも買ってますね。
5. 「カルティエ、時の結晶」国立新美術館 2019年
博物館も美術館も英語ではどちらもMuseumと言いますが、いわゆるアートと、博物館的歴史資料と、今のファッション/ジュエリーの差って厳密には無いなと体感できた展示。これ以降、すべてのオブジェクトをアートと同じ視点で見ることができるようになった。
結構個人史的な振り返りになる、5つの展示でした。
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