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J SPORTSの思い出

名台詞「サッカーを愛する皆さんご機嫌いかがでしょうか?」で知られるサッカー実況のアナウンサーで、日本における海外サッカー放送のレジェンド金子勝彦さんがお亡くなりになった。謹んでご冥福をお祈りします。

金子さんの実況、落ち着いた声は私も海外サッカーを長く見ているのでとても親しみがあります。金子さんと言えばJリーグ開幕前から日本に海外サッカーを届けていたテレビ番組「三菱ダイヤモンドサッカー」ですが、私はその番組のリアルタイム世代ではなく、私にとって金子さんの実況を聞く場所はJ SPORTS / スカパー!でした。

私はイングランドプレミアリーグを中心に海外サッカーを20年近く見ています(もうそんなになるのか、、)。その中で、海外サッカーの最初の体験メディアがJ SPORTSでした。その後DAZNになり、今はそれに加えSPOTVとAbemaを併用しています。そして金子勝彦さんの思い出は、J SPORTSと紐付いています。

今はDAZNだったりSPOTVだったりと言っていますが、海外サッカー体験の総体としてはTwitterの影響も大きく、リアルタイムで現地サポやメディアの声が届いてきたり、日本のファンの声も別に届かなくていい声が届いたりして、情報量が爆発的に増え、体験の質はカオスなことになっています。

私がJ SPORTSを見ていた時代は、後期にはTwitterも併用していたものの、ムードとしては「ヨーロッパサッカー、ヨーロッパの文化・歴史に触れる場所がJ SPORTS」でした。

J SPORTSで放送していた海外サッカー情報番組のFoot!や、当時はチェルシーTVやバルサTV、プレミアリーグの現地のプレビューショーなんかも放送していました。(自分はバルササポでは無いのですが、1人のサッカーファン、サッカー小僧としてスペインのサッカー文化を味わう場として楽しんでいました。)ブラジル選手権やアルゼンチンリーグなども放送していて、Foot!の解説と合わせて世界に触れていた気がします。

金子勝彦さんは当時から大ベテランで、インターネットは敬意と相性を込めて金子爺と(勝手に)呼んでいましたが、実況の合間に語られる自分が生まれる前の時代の話なんかを通じて、海外サッカーを味わっていたんですよね。自分にとって、当時から話の面白いお爺ちゃんでした。

プレミアリーグは東本貢司さんの解説から学んだり、ブンデスを金子達仁&倉敷保雄コンビの(いい意味で)チャラチャラした解説で楽しんだり、懐かしいですね。牧歌的な雰囲気がありました。学生の頃の自分の世界を広げてくれる場所のひとつがJ SPORTSと、そこでの彼らのお話でした。

先月くらいに、移籍シーズンに疲れ過ぎてTwitterから距離を置いている話をnoteに書きました。今はもう、「そんなに世界、広がらなくていいです」という感じなんですよね。これは自分の年齢もあるのかもしれませんが。

当時の自分の年齢と、ソーシャルメディア前夜という時代感とがマッチして、自分の人生にとって大きな存在であったのがJ SPORTSで、その象徴のひとつが金子勝彦さんでした。(DAZN以降に実況を聞くことはありませんでした)。

金子爺の訃報を聞いて、そんな記憶が思い起こされました。

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