「感情生活」と「知的生活」について (前編)
「感情生活」とは、感情が反応する程度や満たし方のこと。これは、一人一人違っていて、同じ事柄でも感情の振れ幅が違っていることがポイント。
「感情が反応する程度の違い」というのは、「怒り」の感情を例に挙げてみると、ある人にとって感情の目盛り10のうち3程度の振れ幅であることが、別の人には、目盛り10まで感情が振れる、と言うような違いです。
この二人が喧嘩をした場合、お互いにヒートアップしていって、前者はせいぜい目盛り5までの振れ幅であるのに対し、後者は目盛りのMAXを超えて12まで振り切ってしまうこともある。
このような「感情生活」における感情の振れ幅の違いは、その人の生きてきた環境や人間関係で形成されているから、それを変えることはほとんど不可能に近い、というのも、押さえておきたいポイント。また、感情の種類に拘らず、感情の振れ幅はほとんど違いがないんです。
「感情生活」の振れ幅の違いは、「感情の満たし方・満たされ方」の違いでもありますね。
それは、当人の振れ幅分の感情の動きが、「感情が満たされた」と認識されるからです。
先の二人の場合、前者は、3〜5の目盛り程度で「自分は怒っている」「わたしはうれしい」と満たされるのに対し、後者は、感情の振れ幅が目盛り10までめいっぱい振り切るか、それを超える12程度まで感情が動いたところで「わたしは怒っている」「わたしはうれしい」と感情が満たされる、というような具合です。
(中編につづく)