天盃 × SHOCHUX が届ける新たな焼酎体験
今回は、SHOCHU Xの第3弾商品「凜和」の製造元である天盃の5代目多田匠さんに、弊社代表の橋本とともに「凜和」誕生の経緯や商品に込めた願い、更には両社が目指す焼酎の未来について伺います。
「世界に誇れる本格むぎ焼酎を」 天盃の挑戦
─ まずは、天盃についてお伺いします。
多田(天盃):天盃では、地元の大麦を100%使った本格むぎ焼酎をずっと作っています。実は天盃のある福岡は、国内でも有数の収穫量を誇る大麦の産地なんですよ。なので海外産は一切使わず、地元でできた本当に良質な原料である大麦だけを使用したむぎ焼酎づくりにこだわっています。
私の祖父の代(三代目)からは「世界に誇れる本格むぎ焼酎づくり」をテーマに掲げ、焼酎づくりをしています。
世界を見ると、ウイスキーにおける「スコッチウィスキー」やブランデーにおける「コニャック」のように世界的に価値が認められた蒸溜酒がありますね。一方で焼酎はというと、未だに安酒というイメージが拭いきれなかったり、同じ国酒というカテゴリーで日本酒と焼酎がある中でも、日本酒の方がなんとなく上というイメージがあって、晴れの飲み物は日本酒であって焼酎ではないというイメージがあります。
焼酎は価値として認められにくい時代が長く続いてきた、という状況を踏まえ、じゃあそれなら自分たちがちゃんと世界に胸を張って誇れるもの、ブランドを作っていこうという想いで、このテーマを掲げて臨んでいます。
─ 具体的には、焼酎づくりにどのような特徴があるのでしょうか。
多田:「世界に誇れる本格むぎ焼酎づくり」を実現するために、先ほどお伝えした地元の原料100%の他にも、いくつかこだわっていることがあります。
醸造に関しては、従来の焼酎のやり方に捉われず、日本酒(清酒)の醸造の仕方を参考に、自分達で理論を構築して麦麹に落とし込み、全て自社で設計した醸造機器で醸造を行っています。
蒸溜に関しても、ウイスキーやブランデーのやり方に倣って、自社でオリジナルで設計した蒸溜器で二回蒸溜するという、日本で唯一天盃でしかやってないやり方で蒸溜をしています。
また、糖類はもちろん表示義務がないような添加物も一切入れておらず、完全無添加のむぎ焼酎づくりを行っている点も特徴かと思います。
─ 前例に捉われない、革新的な方法で挑戦されていると感じます…!象徴的な商品があればご紹介いただけますか。
多田:「クラフトマン多田」という、「究極の食中酒」をブランドテーマに置いて4年前から展開をしているブランドがあります。
これまでの焼酎の価値の伝え方は、いわゆるハードの「スペック」を売っていた側面がとても強いんじゃないかなと思っています。具体的には、こんな酵母を使って、こんな原料を使って、こんな蒸溜をやって、こんな貯蔵容器で何年間寝かせて…というハードの部分で、僕らはその価値を訴えてきました。
でもいざ、日常の飲んでくださるお客様に視点を移してみると、「今日の晩ごはんがこういう晩ごはんなので、それに合う焼酎が飲みたい」だったり、「この焼酎ってどうやって飲むのが一番楽しめるの?」というようなソフトの「体験」面のお声をいただくことが多くて。
ハードの僕らのこだわりでお客様に価値を伝えていくっていうのが全く悪いわけではないと思ってるんですけれども、これだけこだわったものが多く溢れている時代においては、「スペック」よりも「体験」、お客様がどう楽しめる商品なのか、という観点で、食中酒というテーマで4種類の商品を展開している、そんなブランドです。
─ 確かに、料理に焼酎を合わせることを考えると…どう合わせていいのか悩みます。
多田:ワインだと、「今日はこういう料理だからこういう白ワインにしよう、こういう赤ワインにしよう」みたいなものがあると思うのですが、焼酎ではそういうものって今までなかったなと思っています。ワインのようにお料理に合わせて、それぞれのお料理の旨み、美味しさを引き出す焼酎というところが、ブランドの大きな特徴の一つになっています。
「世界に誇れる本格むぎ焼酎づくり」という蔵のテーマに照らし合わせた時に、ユネスコで世界の無形文化遺産にも登録されていて、世界的にも価値が認められている「和食」と、同じテーブルでお客様に楽しんで頂ける究極の焼酎を目指しています。
熱い想いが重なり、実現した二人の取り組み
─ 続いては、多田さんと橋本さんの出会いについてお伺いいたします。
多田:東京にいた時に、焼酎に強い飲食店で働いている女の子が2人いて、僕が彼女たちと知り合いで3人で飲もうって話をしていたんです。で、その時に1人が「すっごい焼酎に熱いメンズがいるから」って連れてきたのが、当時大学生の橋本君で。それが一番最初の出会いでした。
その時に、「僕、焼酎の居酒屋で今バイトしてて、焼酎好きで蔵を回ったりとか、実は今後、自分のブランドとか作ったりしたいんですよ」っていう話をしてたのを覚えています。
その時は、軽くああそうなんだ、たまにいる夢を語る少年か、くらいで聞き流していました。(笑)
─ お互いの第一印象を教えてください。
橋本:もともと、匠さん(多田さん)のことは知っていたんです。
焼酎業界って、ネットにとても疎かったり、マーケティングって言葉すら何?みたいな感じがあるのですが、そんな中でも東京のマーケティングの会社で働いたりもしていて、マーケ思考ができる、業界の中でも稀有な人材だと思っていました。今でもそのイメージは変わっていないですね。
2回目に会った時だと思うんですけど、匠さんが六本木で焼酎のイベントに参加されていた時のことがあって。
国が主催するイベントだったのですが、お客さんも少なくて形式的にイベントをやることが目的になっているなあという感じだったのですが、これだと焼酎が伝わらないでしょっていう現状のイベントの課題感をちゃんと言葉にされていて、ああちゃんとわかっている人だ、と勝手に親近感を持っていました。(笑)
多田:僕は、本当に最初は焼酎が好きな、熱い大学生の少年、というイメージでした。よく若者にいる、夢と希望を熱く語る類の子で、「お酒を仕事にしたいでーす」くらいの感じのテンションかと思ってたんです。
でも話してると、この人って本気なんだな、口だけじゃないんだなっていうのがだんだんわかってきて。
問題意識を持って、ただ批判するだけじゃなくて、打破したい強い想いを持っていて、古い業界だからこその現状に対して、こういう新しいことをやって、こういう風にして焼酎の価値を届けていきたい、価値を高めていきたいんだっていう想いが強く伝わってきた。
橋本君自分でも言っているけど、「焼酎野郎」って言葉がそのまんまの印象ですね。
─ そこから、どのように今回の「凜和」での取組に繋がったのでしょうか。
多田:最初は「同年代で何かできたらいいよね」というぐらいの感覚だったのが、橋本君の本気が伝わってきたからこそ、僕も本気でこの人と組んでやりたいなと思えたんです。
自分が蔵に戻ったら絶対やろうって思っていたし、飲み会の度に、お互いこんなことやりたいよね、やっぱここってすごい問題だよねっていうのを語り合っていく中で、お互いの想いは十分分かり合えたし、少しずつ少しずつ構想が固まってきて。
そんな時、2021年の7月くらいかな、橋本君がSHOCHU Xをリブランディングするという話をしていて。
「え、じゃあさ、うちに今こんな希少な原酒があるんだけど、それって興味ある?」って言ったら、「いやそれめっちゃ気になります」って乗ってくれて、そこから一気に話が進み始めました。
当時、橋本君はまだ飲んでもいなかったのですが、商品化することを決めて、価格は3万円くらいにしたいとか、こんなパッケージで、こんなコンセプトで…というのを二人でずっと話していましたね。
それで、今こうやって一つ形になったっていう感じです。
─ 想いが重なる部分があったのでしょうか。
多田:問題意識や価値を高めていきたいっていう部分は多分に重なりました。有名銘柄だから売れるということではなくて、自分たちで下地を作っていく感覚や、その価値を伝えたり生み出していくということ、作り手と売り手側の目線がすごく合う、と感じています。
会うたびにその思いが強くなっている感覚です。
─ 多田さんと橋本さん、お2人は本当に仲がよいですよね。
多田:多分、隔週に一回くらいのタイミングで会っているよね?これだけ仲良くやっていられるのは、お互い言いたいことをはっきり言い合えるからなんですよね。
一般的に言うと、橋本君と僕はOEMで言う販売元と製造元という関係性なので、通常であれば僕は言われたものを作って、じゃあ残ってもしょうがないからいつまでに全量買い取ってねっていう契約書を一筆書いて、ただ言われたものを出荷するだけっていう関係性になると思うんです。そうすると、彼がどう販売しようが、よほどうちの名誉を毀損になるようなことを発信していなければ、そこにこだわりはない、ということになります。
でも橋本君と僕の関係性はそうではなくて、発信の仕方とか価値の伝え方について、もっとこうしたらいいんじゃないとか、思ったことはもう100%全部言ってるんですよ。
最初はそれって一線超えちゃってるなって気もしていたのですが、橋本君が「一緒に作っていきましょう」ってスタンスだからこそ言い続けられた。橋本君も僕に対して、いやそれは違うと思いますとかっていうのははっきり言うしね。
僕もOEM商品とかPB商品っていう感覚でなくて、二人で一緒に作っていきたいなっていう気持ちで臨みました。
焼酎の価値を高めていきたいという共通の課題認識を持っているからこそ、はっきりものを言い合うことができているし、今回の「凜和」を世に送り出すことが出来たのだと思っています。
橋本:僕が常々思っていることなのですが、ただの外注と思うのか、パートナーと思うのかの違いがあると思います。酒蔵さんに限らず、デザイナー、エンジニアなど、SHOCHU Xに関わる全員が自分の仲間であり、一緒にやっていくという意識を大事にしています。
なので、当然ですが酒蔵さんともそういう関係性を持てなかったら終わりだと思っています。
多田:だからこそ、「凜和」は橋本君のブランドでもありつつ、不思議な感覚なのですが、僕にとっても自社ブランドぐらいの感覚なんです。
商品ページとかも、発売前日にZOOM繋いで、事務所にも行って、文章二人で作りながら、いやこうじゃない、ああじゃないとかって言いながら直前まで直していましたね。
なぜ、ハイプルーフ焼酎「凜和」だったのか
─ まさに仲間ですね。なぜお二人の初めての取組が、この「凜和」だったのでしょうか。
橋本:凜和の商品ページなどでも言及しているのですが、僕のずっと前からの想いとして「ハイプルーフ(高度数)」というジャンルで焼酎ができたらめちゃめちゃ面白いと思っていたんです。
まずは単純に、自分がハイプルーフが好き、というのもあるのですが、自分たちは「TRANSFORM SHOCHU」、焼酎を変えていくということをコンセプトに掲げている中で、焼酎の新しい価値を作っていきたいという想いがベースにあります。
ウイスキーやブランデーといった他の蒸溜酒ではそういう世界があるのに、焼酎にはなくて、それがずっと頭の中にあったんです。
焼酎を変えていくためにどういう商品が良いのかっていうのはずっと考えていて、色々な構想はあるのですが、その一つに他のお酒にあって焼酎にないもの、これまでの焼酎の当たり前を打破する重要な要素の1つがハイプルーフだと考えました。
そんな時に、匠さんから凜和の原酒の提案があって、そうしたらやるしかないじゃないですか。もう、即決でしたね。
天盃さんは唯一無二の二回蒸溜をやっていることもあり、凜和というあの精度の商品を作ることが出来るというのが、商品化に踏み切れた最大の理由です。
─ 天盃だからこそ実現できたのですね。
多田:そうですね。焼酎は通常一回しか蒸溜しないので、アルコール度数は上がっても45度くらいで、どんなにあげようとしても物理的に50度までは上がらないんです。
なので、今回の凜和みたいなハイプルーフを実現しようとすると、二回蒸溜しているうちじゃないとできないんです。
橋本:正直ありがたいことに、結構「一緒にやろうよ」と声をかけてくれる酒蔵さんは他にもいるんです。でも漠然と商品出しても仕方がないので、製造をお願いする酒蔵さんは、技術はもちろんですが、やりたい理由だったり、バックストーリーも重視しています。
そういう意味で天盃さんは、取り組む理由が明確にあった。
多田:うちが「世界に誇れる本格むぎ焼酎づくり」というのを掲げて、今までずっとやってきたことが大きいですね。
焼酎には、樽に貯蔵して色がついているもの(樽もの/ブラウンスピリッツ)と、樽じゃないところに貯蔵した色がついていないもの(白もの / ホワイトスピリッツ)があるのですが、白もので本気で世界で勝負できる原酒って何?って言われたときにぴったりはまったのが、まさに凜和の原酒だったんですね。
焼酎業界には、いわゆる樽に入っているものが良いものという貯蔵に対する概念や、寝かせれば寝かせるほど価値が上がっていくという熟成に対する概念があります。それ自体は決して悪いものではないのですが、これまでに無い物差しで、世界に勝負に出ることができる新しい価値のジャンルを一個作りたいと思った時に、「あ、この原酒しかない」と思いました。
そして、それを今まで焼酎を飲んでいる方ではなくて、やっぱりそうじゃない方に、全く違うアプローチで伝えた方が、よりこの価値っていうのは伝わるだろうなって言う風に思った時に、一ミリもズレずビタッと同じ想いを持っている人がパートナーじゃないと、実現できないなと思いました。
今までに全くないものだからこそ、今までに全くない伝え方ができる人と組まないと、きちんと伝わらないなあっていう風に思い、共通の想いを持つ橋本君に提案をしました。
─ 原酒は一朝一夕でできるものではないと思います。もともと商品化を構想されていたのでしょうか。
多田:実をいうと、それは全くなくて。10年前に私の父である社長(四代目)が、貯蔵の環境やよりベストな貯蔵っていうのを考えたところから生まれた取り組みが起点になっています。
例えばウイスキーなどは、60度くらいの非常に高いアルコール度数で樽などで貯蔵しているのですが、そこに着目して、度数が高い方が熟成にとってはよりよい環境なのではないかと10年前に目を付けたのがきっかけです。
その時はどう売るとかは当時全く考えておらず、作り手としてシンプルにやってみたかった、作ってみたかったから貯蔵開始したという背景です。
実は本格焼酎ってアルコール45度以下という風にルールが決まってることもあり、今回はスピリッツという品目でリリースしたのですが、当時はスピリッツの免許を持っていなかったので、通常通りそれをそのままお役所に提出すると、本格焼酎の免許しか持ってないからNGって言われてしまう代物なんです。
だから逆に言うと、普通に提出するとダメって言われてしまうので、誰もやろうとしないし、できないチャレンジだったんです。
当時は社長が、じゃあどうやったら実現できるのかというのを担当者やその上役の方と何度もすり合わせして、どうすれば45度以上の貯蔵、59度での貯蔵が実現できるのかという糸口を探しに探して、やっと10年前にこぎつけて、その結果、甕(かめ)に入った状態で倉庫で眠らせていた原酒だったんです。
で、その原酒をどうするっていう話も本当忘れ去られた頃、橋本君と焼酎の価値を上げる高めるような、他にはまったくない物を世に出したいという話を二人でしてた時に、蔵の焼酎の一覧表を見ながら「そういえばあの59度で寝かせてるやつが、もうちょっとで10年になるんじゃない?」ていう話が上がって。
橋本くんが賛同してくれて、「凜和」として形になりました。
ユーザーに届けたい至高の体験
─ 「凜和」を通じて、ユーザーに感じてほしいことや体験があれば教えてください。
橋本:まずは、先程も匠さんが仰っていた通り、焼酎の評価の物差しは貯蔵や熟成などが一般的なのですが、この「凜和」はそれとは異なるハイプルーフという価値を置いていることもあるので、「凜和」でしか味わえない体験というのが、間違いなくあると思います。
まずはそれを純粋に感じて欲しいという想いが強いです。
ハイプルーフがもたらす特有の余韻の長さ。
どこまでも続くような果てしなくいい麦の味わいや、甕由来のスパイシーさだったり、そういうニュアンスがどこまでも続く体験は、唯一無二の体験だと思います。
多田:極論、味は美味しくて当たり前だと思っています。
うちの父が当時貯蔵を始めた原酒が僕に受け継がれて、同じ世代の橋本君とともに、本当に焼酎の価値を高めたいという同じ想いを持って作り上げた一つの答えが、この「凜和」だと思っています。
僕らは焼酎の価値を高めるために、日々研究したり色々なものを作っていたりしています。
味とか香りももちろんなのですが、世界に本気で勝負するという、僕たち二人の想いを感じて共感してもらったり、僕らと一緒に夢を見ていただきたい、というのが「凜和」で届けたい価値なのかなって思います。
こういうソフトの部分を、もっともっと発信していきたいし、知ってほしいなって言うのは、ずっと橋本君に言ってて、やろうやろうっていうのが、こうやって実現できたので、僕としてはすごく嬉しいんです。
─ 夢を共有するってとてもいい言葉ですね。
多田:橋本君が出している他の焼酎の商品もそうですよね。ただ、美味しいからとか、付き合いだけじゃなくて、やっぱり本気で焼酎の価値を高めようという同じ想いとか、夢とか思った人たちと一緒に組んでやってると思っています。
僕の場合はそこで更に年が近くっていうのが、またそれに一個アドバンテージが入るわけなので、SHOCHU Xの中ではぶっちぎる存在でありたいですね(笑)
二人が目指す焼酎の未来
─ お二人が目指す焼酎の未来について、教えてください。
橋本:もう、匠さんと僕、二人が挑戦して行きたいことはもう同じだと思っています。
やっぱり根底には、日本の焼酎をもっともっと価値あげたり、色んなところに広めたりっていうことをして行きたいと思っています。
そのために一番大事なのは、この業界に人が増えることだと思ってます。焼酎の価値を上げたり、広めていく人の総量を増やすことが業界にとって大事だと感じています。
SHOCHU Xを通して「焼酎なんか面白いからやってみたい」とか「焼酎ワンチャンあるんじゃない」くらいな感じでもいいので、とにかくこの焼酎産業に入って行く人を増やしていきたいと思っています。
多田:焼酎を飲む人って今どんどん減っていますし、僕らと同世代の人でも、焼酎はちょっとさすがにっていう人も少なくない。焼酎に対してポジティブな印象を持っている人よりも、ネガティブな印象を持ってる人が正直多いなと思っています。
なので、今飲んでる人たちに飲み続けてもらうだけじゃなくて、やっぱり新しい市場を創っていく感覚を持っています。
毎日コアで焼酎を飲んでいる人だけでなく、そうでない方にも波及させるために、味はもちろん、世界観や想いの部分の価値も含めて認められるような新しい市場を創っていかないといけないというのを今強く思っています。
なので今までとは全然違う、橋本君みたいなアプローチが必要で、ただ商品のスペックだけ語るだけではいつまで経ってもそこの価値を上げることには繋がらないと思うんです。
だからこそ、新しい価値の物差しを持ち込まないといけないし、だから今回「凜和」で既存の物差しには全くないスペックのものを選んだ。
その上でスペックじゃなくて、僕らの想いとか僕らの夢っていうところに共感して、「この指とまれ」じゃないですけど、そういうふうにして新しい市場を創っていきたい。
僕と橋本君が価値を伝えていったり、高めていったり、広めていかなきゃいけないと思うし、逆に言うとこれが出来る人って多分そんなに多くないと思うんですよね。
日本は人口が減っていって、焼酎を飲む人も減っていっている中で、今の業界は飲む人の中で飲む人を取り合いしてるような状況なんですが、それって本質的じゃないと思っているんです。
単純にスペック比較して、こっちの方がコスパいいじゃんみたいな、その世界を脱したいんですよね。焼酎業界において、このチャレンジは僕と橋本君の二人じゃないとできないんじゃないかなって思ってます。
─ 橋本さんの業界を盛り上げる視点と多田さんの市場を作る視点。視点は違えど、表裏一体で同じ未来を見据えていると感じました。
多田:逆に視点が違うから、一緒にやってて相乗効果が生まれるんだと思いますね。
橋本:これまでの話を聞くと、なんか悲観的にやってるみたいな感じがされる方もいるかと思うんですけど、そんなことは全然なくて、本音は自分がめちゃめちゃ面白いからやってるだけなんです。焼酎業界を助けたいとか、親心のようなニュアンスではないので、そのあたり汲み取っていただけると嬉しいです。(笑)
多田:ここまで色々語ってきたけど、今の問題意識がどうだからやってるっていうよりは、ぶっちゃけると二人でやってるのが一番楽しいんですよね。もうシンプルに!