パンク修理は基本的に一時しのぎである
自転車屋と言えばパンク修理、パンク修理と言えば自転車屋、というくらい毎日毎日パンク修理をしています。
これだけ数をこなしているとわかってくることがあって、それは「パンク修理は基本的に一時しのぎ」ということです。
お客さんからすると、「パンク修理すれば何か刺さったりしない限りもうパンクはしない」というイメージだと思います。
ですが、例えばこちらのチューブ↓
綺麗にパッチが貼れていますが、パッチの中央から再度空気漏れがおきています。原因は前回のパンクがチューブ裂けによるパンクだったからです。
本来はパンク修理ではなく、チューブ交換を行なうべきでした。
お客さんからしたらパンク修理したのになんで?というところでしょうか。
原因は、パンク修理に関するイメージが自転車屋とお客さんで乖離しているから。
パンク修理したのにまたすぐパンクした。お客さんが思っている以上によくあることです。
パンクの原因はチューブ揉まれパンクという空気圧不足によっておこるケースが私の体感で5割以上です。
その他、低圧の状態で走行したことによるバルブ破損もかなり多いですね。
むしろ、画びょうを踏んで、パッチ貼ってパンク修理完了というケースはほぼありません。
ですので、パンク修理で持ち込まれて、チューブ交換もしくはタイヤ・チューブ交換になるケースが大体7~8割くらいです。
「自転車屋は儲けようとしてすぐにタイヤ交換をすすめてくる」と言われることが多いのですが、パンク修理は一時しのぎの応急処置です(パンク修理が儲からないのは本当ですが笑)
私はお客さんにチューブ交換もしくはタイヤ・チューブ交換を積極的にすすめますし、実際、自分の自転車がパンクした場合は基本的にチューブを交換します。
ポジショントークに聞こえるかもしれませんが、なんでもかんでもパンク修理で対応し、「パンク修理したのにまたすぐパンクした」と言われるより、パンク修理は一時的な処置であること、チューブの状態の説明や、状態が悪いならそのリスクなどの説明を尽くすべきだと思います。
パンク修理300円とか500円みたいな価格破壊が起きていますが、ただパッチ貼るだけなら手間賃500円そんなもんだろと私も思います。
タイヤやチューブの状態を見極めて、どんなパンクか、原因は何かを説明していちばんいい解決法を提案する、そういった工程を省くからパンク修理500円(パッチ貼るだけ)みたいな価格競争をしなければいけなくなるし、「自転車屋は儲けようとしてすぐに交換をすすめてくる」なんて言われてしまうのではないでしょうか。
せっかく技術を持っていて、知識も経験もあるのなら、それらを最大限生かした仕事をしていきたいですね。