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器用貧乏のホワイトカラーから何かを生み出すブルーカラーへ。スカイカラーキャリア論とは。

久しぶりにnote更新です。


スカイカラーキャリアとは

スカイカラー、なにそれ?って感じですが、ここではホワイトカラーとブルカラーの両方の経験を活かして、活躍するキャリアのことをスカイカラーキャリアと勝手に呼びます。

ホワイトカラー、ブルーカラーとかって言葉すら死語かもしれないが、個人的には今後のAI社会の中で大切になる考え方かなと感じます。

今回は、私が31歳の時にホワイトカラーの仕事から、ブルーカラー(ハウスクリーニング)の仕事に転じた体験談を元に書きます。

 ホワイトカラー職の時は、事務系、営業・接客、社内調整、問題解決能力など広く、一般的にホワイトカラーの職種で求められるスキルを身につけることができました。しかし、何か秀でた専門性はなく、器用貧乏になっている自分への不安がありました。

 そこからブルカラーの専門性のある仕事について、ハウスクリーニングという専門性を磨きました。私服でオフィスに出社したり、スーツで何か仰々しい商談をして仕事をやった気になっていた自分でしたが、作業着を着て、洗剤やブラシを詰め込んで軽バンに乗り、日々、掃除をするという仕事に変わりました。ここだけ聞くと、落武者みたいに思えますが、私はとても楽しく充実した日々を過ごしました。なぜか、それは黒が白になっていく自分の仕事が目に見えて成果が出て、かつ自分の技術と知識でお客様が困っていた汚れが落ちて、お客様から「ありがとう」と本当に感謝の言葉をもらえ、それがお金(報酬)につながっていく。自分の手で、自分の仕事で、誰かが幸せになっていて、何かを生み出せている感覚がありました。

会社員時代の誰が喜ぶのかわからない資料を作ったり、上司の好き好みに合わせた提案、納得のいかない人事や評価制度もここでは関係なく、お客様と向き合い、お客様にご満足いただけるかというシンプルな世界でした

 会社の歯車の一つではなく、確実に自分がそのお客様に対してバリューを出せていた実感がありました。あるいは出せなければお金がもらえない、食っていけない世界でした。でもやればやるだけ結果が変わってくる、自分の頑張りが目に見えて反映しやすい世界でした。

そんなことを思いながら開業し、その後、幸なことにも同業他社とは差別化ができ、集客や雇用につながり、事業拡大を続けることができています。従業員数も20人を超え、年商も1億を超えました(まだまだ小さな規模ですが)。もちろん、年収も会社員時代よりも上がり、自由な時間も増えています。

今回は、このようにホワイトカラーの仕事から、ブルーカラーの仕事に転じた少し特殊な自分のキャリアを棚卸しして、こういう考え方もありなのではないか、30台前半のキャリア形成の一つの考え方の参考にしてもらえれば幸いです。

というのも、うちの会社の求人にお申し込みいただく方々もこの30代前半でキャリアに迷っている方々が多いので、その参考にしてもらえればと思い、筆を取りました。

個人の細かい自己紹介は、こちらのブログをご参照ください。「なぜ、おそうじ」というテーマは、下記のブログで。

こんな方に読んでもらえると嬉しい

  • 30代前半くらいで、ホワイトカラーの仕事で今後のキャリアを迷っている方

  • ホワイトカラーで器用貧乏になっていないか不安を感じている方

  • ホワイトカラーの仕事についているが、組織構造的に上の役職が年配の方で埋まっており、次のキャリアへの昇進が見えにくい方。あるいは、キャリアアップのペースに疑問を持っている方。

  • ハウスクリーニング業やエアコン工事、クロス職人など職人系のブルーカラーの仕事への転職や開業を考えている方。

  • アパレルや、スポーツジムなどで接客メインの職種で、今後のキャリアに行き詰まりを感じている方。

筆者のキャリアまとめ

細かい、私のキャリアの変遷は、上記のブログをご参照いただき、ここでは概略のみ記載します。

同志社大学(文学部、英文学科)
→ニトリ(店舗、新卒採用、海外事業)(約6年半) 
→航空系のスタートアップ(事業開発、海外事業)(約2年)
→脱サラして、ハウスクリーニング系のフランチャイズ加盟(31歳から、現在6年目)

 元々祖父が30歳くらいで開業して自営業をしていたので、それを幼少期から見ていた自分も30歳くらいで独立したいなというぼんやりしたイメージがありました。大手で大きな仕組みを学び、ベンチャーで0→1に近いことを経験して、その後自分で開業したという流れです。

開業当初の写真

30代、ホワイトカラーで器用貧乏になっていませんか

この問いから始めたいと思います。

私は実際に31歳の時、この問題に直面していました。店舗運営、新卒採用、海外事業、事業開発など、本当に広い職種を経験し、会社の中でもそれなりに成果を出し、評価を受けていたと思います。しかし、今後自分はどうしていくのか。自分は何者になるのか、自分の専門性は何か、そもそもあるのか自分は何を生み出しているのか、こんな問いが頭の中をよぎっていました。

キャリア的に、ゼネラリスト的なキャリアになっていたので、専門性に欠くビジネスパーソンになっていました。しかし一方で、広く様々な分野を経験したので、物事を全体最適で見る力や、全体的な調整能力、バランス感、チームのマネジメント能力はあるなという自負もありました。

海外駐在も経験し、会社員時代も充実はしていました。

そこで、自分で仕事をしたいという想いも元々あったので、自分で仕事をしていくには、自分は何屋さんですよという旗印というか、色を出す必要があるなと考え、それを急に身につけるのは難しいので、色々思慮した結果、フランチャイズのハウスクリーニングに加盟することでノウハウ、スキルを買い、看板を買って、自分に無かった専門性を突貫工事で作りました。

なぜ、おそうじ?なせフランチャイズ?となると思いますが、そこは上のブログで読んでください。

 そんなことで私は、ある日を境に急におそうじ屋さんになりました。

もちろん技術的な不安は多少なりともありましたが、それよりも自分は何屋さん、と言えること、売るものがあるということがとても嬉しかったです。

実際にホワイトカラーで培ったスキルがどうブルーカラーで具体的に活きているのか

このようにいきなりホワイトカラーからブルーカラーの仕事に変わりました。もちろん妻にはとても怒られましたが、私はなんかやれそうだという根拠の無い自信があったので、怯まず進みました。

本題はここからです。このような感じで、突貫工事でおそうじ屋さんを始めた自分でしたが、蓋を開けてみると、とてもうまくいったんです。

それはなぜかというと、フランチャイズのノウハウがあったとか、看板の力があって集客がうまくいったなどの要因もありますが、一つの大きな要素として、会社員時代に培った基本のビジネススキル、マナーなどがしっかり活きたと考えています。

 具体的には、無形商材というおそうじのサービスを売る業者として、作業前にどれだけわかりやすくお客様に作業後のイメージを持ってもらうかはとても大切ですが、ここは会社員時代に培った接客能力シンプルにわかりやすく伝える力、また写真などを簡単に編集してパワーポイントの資料など見せるなどは、お客様からとても評価されました。写真をいくつか並べてパワーポイントにまとめておくだけでも、他の業者さんはできないものなのです。ビジネスパーソンからすると、こんな不恰好な資料で大丈夫なのかと思われるものでも、この業界だと誰もやらないので、他社との差別化になります。

作業前後の様子を伝えたり、お客様に仕事がわかりやすく伝わるように工夫しました。

また、法人のお客様には、作業報告書をワードやパワーポイントでまとめて送るようにしました。これも重宝がられ、リピートでの依頼もたくさんいただけるようになりました。この資料も本当にとても簡単な資料作成です。一流企業の方からすると、こんな雑な資料で、となるレベルですが、業界を変えるとこのようなスキルが大きく評価されます。

このように、ただハウスクリーニングで言われた仕事をするだけではなく、ホワイトカラーの仕事で経験したビジネススキルを活かして、少し丁寧に、少しわかりやすく、少し無駄なく効率化することを積み重ねることで、お客様も他社とは違う、レスポンスも速く丁寧で、説明もわかりやすくて良い、とご評価頂けるようになりました。

 ここで大切なことは、私が何か特殊なプログラミングやデザインができたり、エクセルの小難しい関数を組んだり、すごい文章を書いたりしたわけではなく会社で学ぶ普通のビジネスマナー、ビジネススキルがブルーカラーだけだと身についていないことが多く、それを経験してからブルーカラーの職種に入ったというのが大きいです。このように、ホワイトカラーで学んだベーシックなことをブルーカラーの仕事に活かして、他のブルーカラーだけの人と差別化していくことをスカイカラーキャリアと勝手に考えています。

社内体制の構築にも違いが出てくる

このようにお客様からのご依頼が少しずつ増えてくると、従業員雇用の必要性も増してきて、スタッフを増やしていきました。

業界的に一人親方が多い業界で、売上が頭打ちになりやすいのですが、弊社は、どんどん雇用を増やし、受けられる注文のキャパシティを増やしています。このように継続的に拡大できる要因は以下のように考えています。

・大手で大きな組織で人が動いていける仕組みを体験したことを応用できる。給与体系、組織構造の文書化、仕組み化できる。
・採用関係の仕事をしたことでの人の採用に関しての見識・経験があり、自社にマッチングした採用活動ができる。
・気持ちや想いだけではなく、従業員の悩みや会社の課題をロジカルに考え、文書化して課題解決ができる。
・エクセルやパワーポイント、ワードなどの基本的なオフィス仕事ができ、社内資料を作ることができる。(本当に初歩レベルでOK)

このように、ハウスクリーニングの技術が卓越して他業者より技術があるとか、他社より安いとか、そういう技術的な問題ではなく、通常ビジネスでも求められる一つ一つの課題にロジカルに向き合い、文書化し、標準化して、誰でもできるマニュアル、仕組みに落とし込んでいく、そんな会社員時代に学んだスキル、ビジネス習慣がそのまま事業に活きたのです。

ただ単純に技術だけを磨いても事業は大きくなりません。もちろん、技術を磨くことは、必須条件です。頼んでもキレイにならない掃除屋は存在価値がありません。技術研鑽は言うまでもなく、その上で、事業を拡大したり、あるいは、日々の技術習得にも、ホワイトカラー時代に普通に行っていたことを取り入れることで、スピードが上がったり、より根本的に課題に向き合うことができたりします。

既存のプレイヤーと自分が差別化できるか

キャリアの中で専門性を磨くというのは、誰しもが通るテーマだと思いますが、30歳半ばくらいまで何も専門性がないという方は、少なくないと思います。

その中で、どう専門性を磨いていくかということになると、デザインやプログラミングなどといった分野が頭に浮かぶことも多いと思いますが、このようにブルーカラーの職種に転じてみるというのは一つの選択肢だと思います。

もちろん、誰しもがうまくいくわけではないと思いますが、一つのポイントは、その分野の既存のプレイヤーと自分が差別化できるかだと思います。清掃業に携わる既存プレイヤーは、前職がホワイトカラー職とか、上場企業からとか、そういった分野から転じる人は少ないです。しかし、だからこそ違った色が出せたり、差別化ができると思います。このように、そのフィールドで自分がどんなポジションで差別化できるかを考えて、専門性を選んでいくのも一つのキャリア戦略になるのではないかと思います。

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