なぜ、ハワイ駐在からおそうじ屋さんに?
「なんでおそうじ?」
これめっちゃ聞かれますので、一度きちんと整理しておきたくて、noteにしてみました。キャリアに対する価値観は人それぞれあると思いますが、僕なりのキャリアに対する考え方、仕事観をまとめてみました。
現在の仕事内容
現在は、株式会社カノエという会社の代表をしています。主には、フランチャイジーとしておそうじ本舗大井町店の運営を行っています。2019年8月に個人事業主として始めたおそうじ本舗の事業が拡大してきたので、2020年11月に法人化したという経緯です。
おそうじ本舗を始める前は、ハワイの航空系の小さな現地法人の副社長をしており、ハワイに駐在していました。その前には、南アフリカ共和国にも別の仕事で2年間駐在していた経緯があり、そんな海外系のキャリアからなぜおそうじ本舗を開業するに至ったのか、結果どうなのか。もし興味のある人は斜め読みしてください。
ざっくり結論
ものすごくシンプルにまとめると新卒で入ったニトリでは、商いの楽しさといかに組織を動かすかを学び、JETROやSKYTREKで事業を作っていく楽しさを学ぶと同時に0→1の難しさを実感しました。
この経験から誰のためになっているのかがはっきりした商売で、利益の出やすい仕事を自分の最初の事業にしたいと思い、女性の社会進出、共働き世帯の増加を背景に需要が増加しているハウスクリーニング業界の可能性を感じ、おそうじ本舗という業界最大手のフランチャイジーとして事業を始めました。結果、やはり結果の出ているノウハウを買って事業を始めているので、開業初月からしっかり利益が出て、2ヶ月目には月商200万を超え、1年後には400万を超える月も出るという感じでスピード感を持って事業拡大ができています。
こんな感じですが、各フェーズは下記に。
新卒からのキャリアまとめ
新卒で入社したニトリでの経験が全ての基礎
大学卒業後、新卒でニトリへ入社。このころは、これだ!という熱い想いを抱く事がなかったのですが、ぼんやりと将来的に独立して自分で仕事がしたいなと思っていました。そこで、配転教育という部署異動が頻繁にあり、多様な経験ができ、多面的に物事を捉えられるような経験ができるかなと思い、ニトリに入りました。結果、店舗、新卒採用、海外事業と自分での想像していなかったほど充実した経験をさせてもらいました。これは今でもとても感謝感謝です。
現在のおそうじ本舗の仕事をやろうと思った一番大きな経験は、このニトリでの現場経験でした。ニトリでは客数が多い分、お客様のクレーム対応も沢山あり、対人コミュニケーションの基礎となる大切な経験でした。また、入社してすぐにパートさん10数人をマネジメントするという立場に置かれる為、規模は小さいながらもマネジメント経験を入社1年目から積むことができたということも、今思えば良い経験です。また、店舗では大量に入荷する商品をしっかり陳列するため、どう人を配置し、いかにムダ、ムラ、ムリを省いて効率的にオペレーションを組むかということを毎日毎日実践しました。これはいまの仕事でも一緒で、オペレーションをどれだけ最適化できるかで、利益が変わってきます。本当に多くのことを学びましたが、一番大きかったのは、お客様に何かを売って喜んでもらうシンプルな商いの楽しさを実感できたことかもしれません。自分の仕事が誰のためになっているのかを直で実感できる体験を積むことができたのが良かったです。
南アフリカ共和国のJETROでの仕事の経験
ニトリ時代、グローバルトレーニー制度という若者を海外で武者修行させようという社内公募で、JETROの南アフリカ共和国ヨハネスブルク事務所に出向させてもらいました。官民交流の一環のようなものでしょうか。とても貴重な機会を頂きました。
ここでは、日本と南アフリカのビジネス交流を促進支援するという命題の元、市場調査やマーケティング、展示会、ビジネスミッションの派遣、セミナー運営などを行いました。実際にビジネスを行う主体ではなく、そのサポートが主な役割の為、公のコンサルに近い役割でした。ここでは、何よりも様々な事業会社様と交流させてもらえたことが貴重な経験となりました。また、アフリカの事業はどの会社も発展途上の事業が多く、事業を作っていく躍動感のようなものを外部から見ていて感じていました。これを見ていて、やっぱり自分はサポートするより、自分で事業をやりたいなと思ったのが正直な気持ちでした。そこで、次は事業を作っていくような経験を積みたいと思っていましたが、ニトリではその機会に恵まれず、転職しました。
SKYTREKという航空系のベンチャーで武者修行
ニトリという大企業から、SKYTREKという当時10人もいなかった小さな会社へ転職。「小型航空機で空の移動をもっと身近にする」という事業でした。ここではサービスインの準備段階から加わり、事業をまさに作っていくという経験をさせてもらいました。ハワイ事業、フィリピン事業を担当し、事業計画の作成、現地パートナーとの折衝、契約締結、販促活動、オペレーション構築など本当に忙しい日々でした。
大変なことも多かったですが、事業を作っていくプロセスはとてもやりがいがあり、日々成長を感じることができました。しかし同時に、事業をしっかり認知してもらい、継続して利用して頂き、利益をあげていくことの大変さも強く痛感しました。
当たり前ですが、サービスも立ち上げれば終わりではなく、その後しっかり認知され、利用されて、それが継続して、初めて事業として成り立ちます。こんな当たり前のことを身をもって実感できたことが一番の学びだった気がします。残念ながら、サービスが大きく認知され、世の中に浸透するまではご一緒できなかったのですが、ここで感じたことは、0→1の難しさと市場性がどれくらいある事業なのかを吟味することの重要性、そして今度は自分の意思決定で責任を持ってやりたい。自然とそう思うようになっていきました。
1打席目は、まず出塁することが大切
ハワイから帰国後、もう転職するという選択肢は自分の中ではなく、自分で独立して仕事をしようと本気で考えました。そして、これまでの経験を通じて、自分にはこれだ!と何にも代えられない想いがあることはなく、強いて言うなら、お客様にしっかり満足してもらえるサービスで利益を出しながら事業を行うこと、働くスタッフが各々の強みを十分に発揮して楽しく仕事ができる環境を作ること、この二つにはしっかりこだわりたいと思いました。そして、事業を立ち上げることを打席に入ることに例えるなら、1打席目はまず出塁することを考えようと思いました。一発目からホームランを狙う必要はない。塁に出れば、次に繋がります。なので、最初の事業は、とにかく出塁しやすい(利益を出しやすい、黒字化しやすい)事業を選ぼうと思い、0→1ではなく、ノウハウがすでにある事業承継かフランチャイズにしようと考えました。
いろいろ吟味した上で、ハウスクリーニング事業は、女性の社会進出による共働き世代の増加で市場も拡大しており今後も増加傾向、ファイナンスの面でも固定費が少なく損益分岐点が低く初期費用も低いため新規参入しやすい、またニトリでの現場経験を活かすことができると考え、ハウスクリーニング事業を行うことを決めました。その後は、フランチャイズをいくつか吟味した上で、集客力に自信があり、ブランド力も強かったおそうじ本舗という会社のフランチャイズに加盟することにしました。
おそうじ本舗やって結局どうなの??
開業してから、1年4ヶ月ほどなので、まだまだなんとも言えませんが、すごく楽しくやっています。たしかに掃除の仕事は肉体的に大変かもしれませんが、幸いトライアスロンをやっていたことで、体力には自信がありますので、なんとでもなります。まさかトライアスロンの経験がここで活きるとは。
大変なことも多いですが、幸い仕事の需要も高く注文も多いです、またやりがいは想像していた以上にある仕事です。お客様が対面で見えるというのは、自分にとっては大きな原動力になることも改めて感じました。サービスを提供し、喜んで頂き感謝され、それが嬉しくて次への励みになるという良い循環があります。結果休みなく働いてしまうのですが。。。笑
最初は、自分一人でやっていたので、自分との戦いでしたが、いまは一緒に働く仲間もできたので、組織を作っていくことの楽しさを感じています。僕が開業時にこだわりたかった 「お客様にしっかり満足してもらえるサービスを提供すること」、「働くスタッフが楽しく働ける環境を作ること」、という2点は、まだまだダメな部分も多いですが、粗削りにも少しずつ実践できているのではないかという実感があります。なにより、このこだわりたい部分への意思決定を自分でしっかりできるのはやはりいいです。
もちろん、利益を出すことも大切で、しっかりお金を生み出していかなければ家族も養えませんし、事業も継続していけません。なので、固定費が少なく、損益分岐点が低い点も、ハウスクリーニング事業を選ぶ大きな要因でした。この点は、開業初月からしっかり利益がでて、会社員時代より多い月収を初月から稼ぐことができました。開業前にぎゃーぎゃー言っていた妻の口は、ここでシャットダウンです。笑 早く妻の小言を止めたかったというのが一番強かったのかもしれません。笑
「やりたいことをやる」ことについて、いろんな考え方があると思いますが、僕は本当にやりたいこと、0→1でこだわってやりたいことは、しっかりした安定基盤を作ってからでいいというのが僕の基本的なスタンスなので、まずはやるべきことをしっかりやって、基盤を強くすることも大切と考えています。それに僕にとっては、やりたいことはお客様に感謝されること、一緒に働く仲間が楽しく働けること、この2点が大きいので、何をやるかというよりは、誰とどうやるかのほうが大切だなと思っています。
フランチャイズは怪しい、結局儲かるのは本部だけでしょということではなく、そのノウハウをどう活かすかは経営者次第だと思います。フランチャイズでうまくいっている人もいれば、失敗している人も沢山います。なので一概には言えませんが、こういう選択もチョイスの一つとしてはアリだと思います。
長くなりましたが、振り返ってみると僕の中では、とても筋の通ったキャリアになってきたなーと感じています。勿論まだまだ道半ばですので、これからもっといろんなことをやっていきます。2021年はツーベースヒットくらいの事業はやりたいなーと思っています。
長くなりましたが、キャリアは人それぞれ、いろんなキャリアがあっていいんじゃないかなと思います。