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深夜3時

今日は、徹夜をしてしまったせいで昼夜逆転している。
というのも、ロンドンで男子テニス団体戦”レーバーカップ2022”が開催されており、テレビで観戦していたから。深夜3時から始まったのは、初日のナイトセッション。こんな時間に起きてでも観たい理由があった。

ロジャー・フェデラー 現役ラストマッチ。

これは観るしかない。WOWOWもこの日のナイトセッションだけ、ライブで配信することに決まった、ということで楽しみにしていたのだ。

大学の課題をやっていたら、2時半を過ぎていたので、そのままテレビをつけた。
会場となったロンドンのO2アリーナは、ATPファイナルズの会場でもあった場所で、この日はフェデラーの最後を見届けようと約2万人の観客が集まっていた。

この大会は、ポイントがつくわけでもなく、試合形式も普段のツアーの時とは少し違っているため、どちらかというとエキシビジョンマッチのような要素も入っている。それにしても、今回は特別だった。
ジョコビッチ、ナダル、フェデラー、マレーのBIG4が同じチームとして参戦するのは初めて。最初で最後だ。そこに今年グランドスラム決勝に2度進出したルードや、チチパスなどが加わった。そんな欧州選抜を率いるのは”氷の男”ことビヨン・・ボルグ。対するは、世界選抜。こちらを率いるのは”炎の男”ことジョン・マッケンロー。メンツが豪華すぎる・・・。

そして、初日のナイトセッションがいよいよ始まった。
ファントしては、入場シーンからもう激アツなのだが、細かく語りすぎると書ききれないので控えておく。笑(なんといっても選手の入場順とかが、グッとくるのです。。。。)

地元イギリスのマレー対オーストラリアのデミノー。
予想以上にいい試合だった。何より、この大会の見どころは団体戦であること。
チームボックスに戻ると、マレーに対して、ジョコ、ナダル、フェデラーが寄ってきて、アドバイスを送る。実況アナウンサー吉崎さんも、「世界最高峰の戦略が立てられていますね」と伝えたほど。1時間半くらいで終わるかな、と思っていたが、2時間半くらいかかる接戦となった。制したのは世界選抜、デミノー。

チームのメンバーが積極的に駆け寄って選手にアドバイスを送る欧州選抜。
「Let's go, Let's go, c'mon Let's go!! 」選手たちの声援も自然と熱くなる。
一方、アドバイスを熱く送るのはマッケンロー監督だけ、という世界選抜。
”氷の男”と”炎の男”の監督カラーが出ているようで面白かった。


そしていよいよ、フェデラーの現役ラストマッチが始まった。
(実はこの時、違う大会でフェデラーの同郷、スイス出身のワウリンカが、大きな勝利を挙げていたことが速報で入ってきて、違う会場からフェデラーを後押ししているかのようで胸熱だった。)


怪我の調子などから、シングルスはできないと判断し、ダブルスに出場。
フェデラーが最後の試合のペアに選んだのは、ナダルだった。
ペア愛称”FEDAL”

対するは、アメリカペア。最近好調のティアフォーとダブルスランキング最高2位の実績を持つソック。

会場の盛り上がりも最高潮に達した。

こちらも白熱したいい試合。

フェデラー、1年以上ぶりの実戦とは思わせない、華麗なプレーが光った。
実はフェデラーは、しばらく実戦から離れていたため、もうランキングを保持していないのだという。しかしアナウンサーは言った。「ランキングは持っていません、しかし、ランキングなどというものを超越したものがあります」と。

もう、この頃には6時を過ぎていたが、僕も1人で興奮していて、全く眠くならない。(バイトの時間が近づいていたのだが、台風による雨のため、幸いにも出勤がなくなり、自宅で観戦できることになった)

フェデラーに勝って欲しい。多くの人がそう願っていた。

しかし、アメリカペアも強かった。

接戦を制したのは、アメリカペア。

最後まで、どちらが勝つかわからない、本当にいい試合だった。

個人的には、普段の試合が終わった時より、フェデラーが主審と握手する時間が長かったように感じたのがジーンときた。

そして開かれたフェデラーの引退セレモニー。

選手や家族、関係者が駆けつけ、ジーンとくる瞬間がいくつもあった。
フェデラーもナダルも涙を流していた。


気がつくともう朝9時。
テニス界において、一つの時代が終わる。そう感じさせられた時間だった。

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