私を狂わせた恋愛
私の場合、カウンセリングは二~三週間に一度でした(だいぶ考え方や心の調子が改善されたので、2023年4月で一旦卒業することができました)。
先生は私の話をよく聞き、私の心理状態の解説や、アドバイスをしてくれました。
「お話を聞いていて、祥さんの思ったことは間違っていないと思ったし、私が祥さんの立場だったら同じことを思ったと思うよ。」
先生はいつも、「祥さんは間違っていない」と言ってくれました。自分が間違っている、自分が悪いんだという呪縛に囚われていた私にとって、私の話や考え方を否定せず受け止めてもらえたことは本当に有り難かったし、その後の糧となりました。
先生は私に言いました。
「自分を疑わないで。自分を守ってあげられるのは、自分だけ。」
カウンセリングを何ヶ月も続け、私は徐々に自分の感覚を信じる力を取り戻していきました。
それは幼少期の家庭環境や、人間関係、直前の悪い恋愛の記憶が原因で失っていた力でした。
カウンセリングを再開する一年くらい前まで、私には付き合っていた人がいました。
私は人と関わる時、なるべく相手をがっかりさせたり、悲しませたり、怒らせたりしないよう意識する癖があるため(実際に相手の気に障っていないかは別として)、滅多に人と喧嘩をすることがありません。
でもその彼とは、頻繁に喧嘩をしました。時には、普段静かな私が大声で怒鳴るほどヒートアップすることもありました。
彼は必ず、「原因はお前にもあるんだから、まずはお前が謝れ」と言い、私に必ず謝らせようとする人でした。
付き合って二~三か月目で私から別れを切り出した時なんかは、それは車内でのことでしたが、話し合おうと言われ数時間家に帰してくれず、深夜二時近くになってようやく私が根負けして仲直りをし、解放してもらったのでした。
そんな関係の中で、私の考え方や自尊心はどんどん狂っていきました。思い返すと、これがマインドコントロールなのかな、なんて思います。
彼との付き合いの中で、私はこう考えるのがクセになっていました。
『彼が間違っていると思っていたけど、私の考え方や感じ方が間違っているのかもしれない。私が悪いのかもしれない。私が変なのかもしれない。』
何が正しいのか分からない。自分のことを信じられない。自分が悪いと感じてしまうから誰にも相談できない。
どうしたらいいのか、もう分からなくなりました。頭の中も、心の中もぐちゃぐちゃでした。そうやって、一人でずっと苦しみ続けていました。
先生は私に、私の過去が考え方を偏らせていることを教えてくれました。
「祥さんが悪いのではなくて、過去に色んなことがあったから、こういう考え方になるのは当然のことなんだよ。祥さんの中に複雑にこんがらがった毛糸玉があると想像してみて。それを一つずつほどいていきましょう。」
今ではだいぶ、整った毛糸玉になったのではないかと思います。
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