「集客できた広告」で痛い目を見る?!工務店が「成約広告」も重視すべき理由
こんにちは
株式会社SHO-SANの高谷です。
皆さん、「集客数」の目標を設定し、チラシやポータルサイト、相談会、見学会……などの広告をされていることと思います。
しかし、集客の「投資効果」を測り、効果を高めるためには、「どの媒体で集客できたか」以上に「どの媒体で成約が決まったか」を意識して見ておかれたほうがいいかもしれません。というのが今回のお話になります。
「集客した媒体」と「成約媒体」の違い
極端な例ですが、
100組集客できて、1組決まった
1組集客できて、1組決まった
という場合、圧倒的に後者のほうが広告にかける投資効果は高いです。
いくら「集客」できたとしても、やはり「成約」できなければ一銭にもなりません。
「人を集められる」媒体と「契約を決めさせる」媒体は、同じとは限りません。むしろ、これから家を建てようと思っている人は検討段階が長いため、来場してから実際に契約を決めるまでの間にあらゆる広告媒体を目に見するものです。中には、集客には大きく寄与できた広告媒体でも成約率が著しく低い、なんてこともあるかもしれません。
言ってしまえば、「来場」は数ある選択肢のうちの1社に入っただけであり、顧客はここから実際に契約する工務店を決めるべく「検討行動」に入ります。たとえば、チラシを見て「相談会にいってみよう」と来場した顧客も、最終的に契約を決めるまでには、見学会に参加してみたり、あるいは雑誌やポータルサイトの情報を目にしたりることもあるでしょう。この過程で、顧客は意思決定をしていきます。つまり、集客できた広告媒体と、実際に成約を決意させた広告媒体は異なる可能性が高いのです。
「まずは来場させる」ということももちろん大切なのですが、来場したあとに、来場だけで終わってしまっていないか?意思決定にまでに通過した媒体はなにか?まで追えている工務店さんは意外と少ないように思います。
広告の費用効果を分析する上で大切な2つのこと
①来場で寄与した媒体が成約まで「繋がっているか」を把握する
広告の費用効果を分析する上で大事なことの一つは、来場のきっかけとなった広告媒体が成約まで繋がっているかということです。
先ほどの極端な例でいえば、「100組集客して1組しか決まらなかった」媒体は、成約につながる確率はわずか1%ということになります。いくら集客数が多かったとしても、この広告にかけた費用でわずか1組しか成約させていなかったとすれば、残念ながら費用の大半を捨てているようなものです。
集客戦略の投資効果は、「成約」で見るべきでしょう。「集客できて良かったね」で終わりにするのではなく、結果としていくら投資して、何組成約したか。ここを把握するためには、集客した顧客が成約するまでを追わなければなりません。
②成約までに「増えた媒体」を把握する
最初の「来場」は、顧客にとって選択肢のうちの1社にするかどうかを見定めるための場です。そこから実際に契約を決めるまでには、多方面からその工務店が契約に値するかどうかをチェックします。
たとえばですが、工務店を選ぶ顧客は、結婚式場を選ぶ顧客と似たような心理状態だと思います。
ポータルサイトで結婚式場を複数見ていて、「あ、ここいいな」と思えば来場しますよね。しかし、来場するのは複数の式場であるはずです。ここから、結婚雑誌を買い直したり、ネットで口コミを見てみたり……といった検討行動を起こします。つまり、集客に寄与した媒体はポータルサイトであったとしても、契約を決める媒体は雑誌やネットの情報であったりするかもしれないと思います。
例えば工務店領域においても「雑誌媒体」は、集客に対しての寄与は低いのですが、成約した顧客に対しての寄与率は高い傾向にあります。
それぞれの工務店によって、どんな媒体で寄与しているかは異なりますが、
来場した人に聞いたら、2割の人しか見ていない
成約した人に聞いたら、7割の人が見ていた
このような媒体はあるはずです。
しかし、もし来場時にしかアンケートを取っておらず、来場後に目にした媒体や意思決定に寄与した媒体のアンケートを取っていなかったとすれば、「2割の人しか見ていないなら、辞めてしまおうか」「その分、集客できている媒体に費用を回そう」という判断を下してしまうことにもなりかねません。そうなってしまえば、集客数は増えたとしても、「成約率」と「成約数」は各段に落ちてしまうことでしょう。
広告媒体の投資効果を測るためには、①の「集客した顧客の成約まで追う」こととともに、成約にいたるまでに増えた媒体を聞き直すことが非常に大切です。
来場した顧客に、「何をご覧になってご来場いただきましたか?」とアンケートを取る工務店さんは多いと思いますが、成約にいたった顧客に「何が決め手となりましたか?」とアンケートを取り直すことは少ないのではないでしょうか?
工務店領域の顧客は検討期間が長いため、「顧客を集められる媒体」と「顧客を決めさせる媒体」が違うケースがあります。どちらも大切ではあるものの、広告媒体の投資対効果を測るためには、やはり「集客」だけでなく「成約」の“数”と“割合”が大事になってくるででしょう。
・どれだけ成約させられたか
・どれだけ成約に寄与できたか
この2つを測ることで、全体として投資効果の高い集客戦略ができてくるはずです。
「どこまで追うか」というのは難しいところではありますが、集客する上で「成約への投資効果」を大事にするということは、ぜひ気に留めておくべきだというメッセージを今回は記させていただきました。
それでは、工務店領域のマーケティング機能発展を祈って。
株式会社SHO-SAN
代表取締役社長 高谷一起
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