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営業ができる人ってどういう人?

営業ができる人ってどういう人?という質問は
美味しい料理ってどんな料理?ぐらいの難問かもしれません。

営業の仕事に自信がない方、またはこれから営業職を初めるという方なら、こんなことが気になるかもしれません。
営業ができる人というのは、どのような人なのか。

しかし、これには明確な答えがないような気がします。
営業のスタイルが人によってかなり違うのです。
そして客層も、同じ会社の社員であっても、営業の方ごとに大幅に違うような気がします。

私は不動産会社の営業(または経営者)の方から、よくお仕事のご依頼・ご紹介をいただきます
(私の仕事は、司法書士と土地家屋調査士の資格を活かした、不動産に関する手続きです)。

色々な営業の方と一緒にお仕事をさせていただく中で、一口に営業といっても、色々な仕事の仕方があるのだと気付きました。
当然ながら、継続的にお仕事を紹介してくださる方々は、皆さん、営業の仕事ができる方なのだと思います。

しかし、その営業の仕事ができる方々は、それぞれに客層も営業スタイルも大きく異なるのです。
例えば私の取引先で、同じ会社の方ですら、次のように異なるスタイルの方がいます。
この会社は賃料収入を目的とした、アパートやマンションを建てている会社です。

Aさんのお客様は地主さんが多いです。
地主さんやその親族の方と食事にいったり、仕事とは関係のない悩みを聞いて、それを解決してあげたりしているそうです。
そうして親しくなる中で、「いつかアパートやマンションを建てるときはAさんに頼もう」という人間関係ができていきます。
Aさんは「本業の話をしすぎないことが営業のコツなんですよ」とおっしゃっていました。

Bさんのお客様は本業で成功している個人投資家の方が多いです。
Bさんに仕事を依頼するかどうかの判断基準は、人間関係よりは「Bさんが作る投資の計画書に説得力があるか」ということに重きがおかれています
(もちろんBさんの投資に関する知識やセンスへの信頼は持っていると思います)。
Bさんは「僕は数字に少し強いだけで、営業がすごく得意なわけではありませんから」と、ご自身のことを語っていました。

もし、地主さんにはAさんのように接し、個人投資家にはBさんのように接することができれば、万能の営業マンになれるのかもしれません。

しかし、「ラーメン・うどん・そば・カレー」みたいな看板を出している店よりも、「蕎麦の専門店」の方が美味しそうに感じませんか。
器用貧乏という言葉がありますが、万能というのは逆に言うと得意分野がないということかもしれません。

もし私が思う、営業ができる方の特徴をあげるとしたらこうです。
「自分の強みをよく知っていて、その点で尖っていること」

特に営業に限る必要がないかもしれませんが、自分にどんな強みがあって、それを求めているお客様がどこにいるかを知ることが大事なのだと思います。
先ほどの例でいえば「蕎麦の専門店」よりも、「鴨南蛮の専門店」ぐらい尖っている方が、私なら興味を惹かれます。

私自身のことを客観的に見ると、仕事はマイペースだし、報酬も特別安いわけではありません。
それでも色々なお客様にご利用・ご紹介をいただいており、これまで営業活動らしいことをしていなくても、仕事がなくて困ったということは一度もありません。

開業当初は「見積もりはできればその日のうち、どんなに遅くても翌日の朝一には出そう」とか「昔の勤務先は報酬が安くてお客様に喜ばれていたから、同じぐらいの報酬でやろう」としていました。
夜に見積もり依頼が来れば、夜中や早朝に見積もりを作ったりしていました。
報酬は昔の勤務先の規程に合わせるようにしていました。ある大手不動産仲介会社の方々から「こんなに報酬が安い事務所は他にない」と言われた金額にあわせていたのです。

客観的に見れば当然ですが、それぞれ時間や体力、収入や仕事に対する満足感によくない影響をもたらしていたと思います。
しかし、あるとき「私に依頼を下さる方々は、別に速さや安さを求めているわけではないのでは?」と気づいたのです。
それからは自分のスタイルで仕事をすることができるようになり、色んな意味で楽になりました。

そもそも急ぎで見積もりが欲しい方は、当事務所のような小さい事務所ではなく、大きい事務所に仕事を依頼するでしょう。
報酬が安い事務所が良いなら、それを売りにしている方は、他にいくらでもいらっしゃいます。

自分の強みを伸ばす。強みがなければ、それを作るまたは見つける。
少し話が逸れてしまいましたが、そうすれば自分にとってもお客様にとっても、満足度が高くなるのではないかと思います。

世の多くの方が、ご自身の強みに気付くことができますように。

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