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爆弾。

人間は色々なモノを発展させてきた。工業、商業、文化、コンピューターからAI、医療に至るまで。人々が、より便利に暮らせるようになった。かも知れない。が、その裏側で、常に問題が山積みになっている。
先人が遺してくれる贈り物は、いつもそうなのかも知れない。
ある種の理想と引きかえに、爆弾がオマケについてくる。
賢いのか賢くないのか、優しいのか優しくないのか分からない人間の、理想、夢、希望。
字面を見ると実に美しく、心の隅っこをつつかれるような、くすぐったい気分になる。
でも、それらを叶えるために、どれだけの犠牲を積み上げたのか。それを、知らされることもなければ、知ろうとすることもない。
便利になれば、単純に人は喜び、徐々に馴染み、慣れてゆく。
やがて、ただの当たり前になる。
そして、そこには感謝もなければ謙虚さもない。それは自分も同じかも知れない。

便利が当たり前になると、また新たな不便さが生まれる。そしてまた誰かが、それを解消しようする。
そうやって、人間の世界はどんどん便利になる。
で、便利ってなんだ?
時々そう思う。
この便利を手に入れるために人間は色んなモノを破壊した。
時には取り合い蹴落としあい、戦争まで起きる。予想していたのか、していなかったのかは知らない。
便利を利用するだけの、都合のいい自分たちが、その事を知る頃には、問題は地球規模になっている。

『この便利を続けると何百年後には大変なことになりますよ。』
それを知っていても、人間は便利を止めない。
わずかな呼びかけと、わずかな行動をして、足踏みをさせるだけ。
そしてまた違う便利を求め、創り出してゆく。

『未来の子どもたちの為に。』のスローガンを掲げ、具現化させた事柄が、いつの間にか『未来を担う子どもたち。』にすり替わり、裏で山積みになった問題を、自分の子どもたちに押し付け、背負わせ、それでもまだ夢を見続ける自分たち。
人間の歴史は、ずっとそれを繰り返し続けているのではないだろうか。

理想も夢も希望ももういいよ。
もしも自分が何か出来るとすれば、今、目の前にある、
「どうでもいい。」
と、気にも留めない日常の事柄に、ちゃんと正面から向き合うことかも知れない。それを飛び越えて、どこか遠くを見ても、それは幻想でしかなく、現実ではない。
そこから生まれるものは先人たちが遺したモノと同じ爆弾かも知れないね。

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