横浜・ホテルニューグランド モンテクリストサンドセット
横浜・ホテルニューグランドは横浜を代表するクラッシックホテル。マッカーサー元帥も宿泊し、スパゲッティーナポリタンやプリンアラモード、シーフードドリアの発祥の地としても有名です。
今回はホテルニューグランドのモーニングサービス、中でも同ホテルの名物というレストラン、ル・ノルマンディのモンテクリストサンドセットについてご報告します。2023年５月
■このnoteを書いている人：かまふち管理人"sho"
日本の歴史・文化・自然・世界遺産、国宝、（続）100名城、日本遺産、建築、町並み、旧街道、映画、日本酒、折り畳み自転車などに興味があります。京都/奈良/横浜/鎌倉/江の島などなど…。
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■ホテルニューグランドとは
ホテルニューグランドは横浜を代表するクラッシックホテルの一つ。
本館は1927年（昭和２年）に建てられたもので、ここを訪れた有名人としてはマッカーサー元帥を始め、喜劇王チャップリン、大リーガー、べーブルース、フランスの芸術家、ジャンコクトーなどが挙げられます。
立地は横浜を代表する観光地である山下公園の目の前であり、横浜中華街にも近く、横浜観光にはもってこいの場所にあります。
早速本館に入ってみます。中央の階段は正面に重厚な雰囲気の時計があり、青いじゅうたんや立派な手すりと相まって、ホテルニューグランドの象徴的な場面を形作っています。
また、いわゆる写真映えスポットとしても数々のメディアで取り上げられるところです。
本館２階からは窓の向こうにイチョウ並木の新緑が美しく見えています。
ホテルニューグランド２階のロビーで味わう時間もなかなか素敵なものとなります。
■新館「ニューグランドタワー」へ移動
目指すレストラン、ル・ノルマンディは本館ではなく隣の新館にあります。１階に降りて廊下を歩くと、ホテル内の店舗で販売されている可愛らしいバッグが展示されていました。
左側にロビーラウンジ、ラ・テラス見ながら廊下を歩きます。以前仲間とこのラウンジのケーキバイキングに参加したことがありますが、この記事を書くためにメニューを見たところ現在では取り扱っているかどうかよくわかりませんでした。
なお、ホテルニューグランドが発祥のスパゲッティナポリタン、シーフードドリア、プリンアラモードは、コーヒーハウス、ザ・カフェでの提供となります。
伝統の３品
シーフードドリア
『ホテルニューグランド』で初代総料理長を務めたサリー・ワイルが考案した料理です。
サリー・ワイルは、1927年、ニューグランド開業の際にパリから招かれたスイス人シェフ。
フランス料理のシェフでしたが、西欧料理全般に長けていて、イタリア料理やスイス料理なども得意としていました。
サリー・ワイルは、メニューに「コック長はメニュー外のいかなる料理にもご用命に応じます」と記し、お客様の要望に合わせて様々な料理を作って提供していました。ある時、滞在していた銀行家から、「体調が良くないので、何かのど越しの良いものを」という要望を受け、即興で創作した一皿を、お出ししました。その時作ったのは、バターライスに海老のクリーム煮を乗せ、グラタンソースにチーズをかけてオーブンで焼いたもの。
好評だったこの料理は、"Shrimp Doria"（海老と御飯の混合）として、レギュラーメニューになり、ホテルニューグランドの名物料理の一つになりました。
スパゲッティナポリタン
終戦後、1945年8月30日に到着した連合国軍最高司令官ダグラス・マッカーサーによって米軍による占領が開始され、以降1952年までの間、ホテルニューグランドはGHQ将校の宿舎として接収されました。
彼らの持ち込んだ軍用保存食の中にスパゲッティとトマトケチャップがあり、米兵たちは茹でたスパゲッティに塩・胡椒で味付けをし、トマトケチャップで和えた物をよく食べていたそうです。
接収解除後、ホテルには彼らが持ち込んだ大量のスパゲッティが残されていたことから、戦後2代目の総料理長を担った入江茂忠は「ホテルで提供するに相応しいスパゲッティ料理を作ろう」と、苦心の改良を重ねました。
もともと、当ホテルでは、初代総料理長サリー・ワイルより受け継いだカルーソー（仔牛の細切り肉とトマトベースのデミグラスに合わせた料理）やボロネーゼなどのスパゲッティ料理があり、入江は新たなメニューとして、トマト本来の味わいを生かしたホテルならではの料理を提供しようと、ニンニクと玉葱の微塵切りを飴色になるまでよく炒め、生のトマト、水煮のトマト、トマトペーストを加え、ローリエとオリーブオイルを入れてソースを作り、スパゲッティと合わせ、この料理を「スパゲッティ ナポリタン」としてお客様へお出ししました。
プリンアラモード
終戦後7年間、GHQに接収されていた当ホテルは、その期間、将校とその夫人が宿泊していました。
ホテル内のボールルームでは、アメリカから送られてきた最新の映画が上映されるなど、横浜の中心にありながら、ここだけ外国のような特殊な場所であったため、デザートに関しても、将校夫人が喜ぶ、見た目にも華やかさで満足できるボリュームのものを出す必要がありました。
「お料理好きの奥様から、アメリカの有名なお菓子学校の教科書をいただき、 それでいろいろ勉強したり、サジェスチョンを受けたこともあったようです。 味だけでなく、量もアメリカの方々に合わせないといけません。
向こうのデザートは、 本当にドーンッといった感じで出てきますよね。プリン一個だけというわけにはいきません。そこで、アイスクリームや、アメリカから送られてきた缶詰の果物と組み合わせて出したんです」
ただ、これだけの量のデザートを従来のデザート皿にのせるのは難しかったため、コルトンディッシュという特殊な器に盛りつけて供されました。
この洗練されたスタイルから、このデザートは、“プリン・ア・ラ・モード”と呼ばれるようになりました。
今も、「プリン ア ラ モード」には、その器が使われています。
ホテルニューグランドの新館「ニューグランドタワー」は、1991年（平成３年）に開業した、地上18階建てのタワー棟です。
車寄せなどもあり現在はこちらがホテルニューグランドの主要出入口となっています。
エレベーターで５階に登り、目指すレストランへと移動します。
■レストラン ル・ノルマンディ
レストラン ル・ノルマンディは、新館ニューグランドタワーの５階にあります。入り口では重厚な壁掛け絨毯が私たちを迎えてくれます。
このレストランは、大西洋の華と呼ばれた豪華客船ノルマンディ号の雰囲気を模したものとなっています。
レストラン入り口にはノルマンディ号の絵も飾られていますが、写真を撮るのを失念してしまいました。
レストラン、ル・ノルマンディには３種類の朝食があります。
ブレックファストセット…4,500円
コンチネンタル ブレックファスト…2,700円
モンテクリストサンドセット…4,200円（単品は2,700円）
もともとモンテクリストサンドセットを食べるつもりで来ているので迷わずこれを注文します。
モンテクリストサンドセットの内容は、
オレンジ・グレープフルーツ・トマトのうちのいずれかのジュース
グリーンサラダ
モンテクリストサンド ヨーグルト・フルーツ添え
コーヒーまたは紅茶
となっています（記事執筆2024年６月時点。料金も）。
■メニューについては下記公式サイトを参照してください。
グリーンサラダの後はモンテクリストサンドをいただきます。
ふわっふわのフレンチトーストにとろけたチーズとベーコンの薄塩味が絶妙のおいしさです。
量が少ないようにも思いましたが意外にお腹一杯になるのは、食べ物そのものの美味しさはもちろんのこと、このホテルのこのレストランで食べるという心の満足度のようなものから来るのかもしれませんね。
この日は残念ながら山下公園や氷川丸が見渡せる海側の席に座ることはできませんでしが、それでも遠くに海を見ることはできました。
私が座った席から外の景色の様子は下記動画に収めてありますのでよろしければご覧ください。
■最後に
お腹も満たされたところでもう暫く館内を探索します。本館1階にはかつてこのホテルに滞在したマッカーサー元帥に関する説明パネルがありました。
中庭に出るとちょうどバラの花が美しく咲いて、白亜の建物によく映えています。
横浜での観光をお考えの方は一度はホテルニューグランドに泊まってみてはいかがでしょうか。
私のようにホテルには泊まらずにモーニングサービスだけを食べに行くことも可能ですよ。
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