鎌倉輪行ポタ ウメとロウバイを探して
2月ともなるとやはりウメの花を愛でたくなるもの。鎌倉にはウメの名所がたくさんあります。そして、ウメが咲く季節と同じころに咲くロウバイの花も忘れてはいけません。
今回はウメとロウバイを探して鎌倉市内をポタリングした時の様子をご報告します。
■アジサイの名所 明月院へ
鎌倉のアジサイの名所としてあまりにも有名な北鎌倉の明月院。アジサイの季節ともなると門前は入山待ちの人で行列ができ、境内も人でいっぱいです。
そんな明月院は、実は年間を通じていろいろな花を楽しむことが出来る花の寺であり、ウメの咲く季節に咲くロウバイもその中の一つです(記事冒頭の写真も)。
明月院でロウバイが咲く頃は、境内はアジサイの季節とは打って変わってとても静かで、落ち着いて境内散策を楽しむことができます。
アジサイと紅葉の季節に限定公開される裏庭も、ユニセフに寄付をすることで入園可能です。この時期裏庭に咲く花はほとんどありませんが、こちらもゆっくりと散策を楽しむことが出来ます。
明月院にはほかにも、鎌倉市内最大級とされる明月院やぐら(内部に開基上杉憲方(のりかた)の墓と伝わる宝篋印塔)や、鎌倉幕府の第五代執権である北条時頼の墓とされる宝篋印塔もあり、鎌倉の歴史に思いを馳せることも可能です。
■一気に走って受験の神様 荏柄天神社へ
さて、季節は2月の下旬、受験シーズンもほぼ終わりとなり、受験生たちはほっと一息ついている時期でもあります。
受験といえばときに神頼みもしたくなるもの。神頼みで一番人気はやはり受験の神様といわれる菅原道真公でしょう。
鎌倉にも菅原道真公をお祭りしている荏柄天神社があります。明月院のある北鎌倉地区から一気に自転車を走らせ、鶴岡八幡宮を通り過ぎ、もう暫く走ると荏柄天神社に到着します。
道真公とウメは切っても切れない深い縁があります。今年(2022年)は冬の寒さが厳しくウメの開花が遅れたため、2月下旬のこの日でも、荏柄天神社のウメは満開でした。
天神様の本家本元、九州福岡太宰府天満宮への旅行記は下記のリンクを参照してください。
■鎌倉五山第五位 浄明寺にある浄妙寺
荏柄天神社から金沢街道沿いにさらに自転車を走らせます。次の目的地は鎌倉五山第五位の格式ある寺院、浄妙寺です。
浄妙寺に入ったら、まずは茶室「喜泉庵」で抹茶を一服いただきます。美しい庭を眺めながら自転車を漕いで疲れた体をいやしましょう。
浄妙寺の本堂は、背景の青空に屋根の緑色が美しく映えています。本堂脇を進み緩い坂道を登ります。
やがて石窯ガーデンテラスの前に出ます。ここでは英国式庭園を眺めながら美味しい料理や紅茶などを楽しむことが出来ます。
■最後の目的地 妙本寺の前に2か所立ち寄り
今年(2022年)は、鎌倉を舞台にした大型テレビドラマが放映されて話題になっています。
このドラマは、鎌倉幕府第二代執権である北条義時を中心に、鎌倉殿と呼ばれる将軍を支えた13人の重臣たちの物語が展開される内容となっています。
そんな重臣の一人に、比企能員(よしかず)がいます。この日は比企氏ゆかりの妙本寺を最後の目的地としていましたが、その前に、北条氏ゆかりの宝戒寺に立ち寄ります。
宝戒寺は、かつて北条一族の館があった場所に建てられた寺。後醍醐天皇の命令を受けた足利尊氏が、滅亡した北条氏の霊を慰めるために建立したとされます。
宝戒寺といえば、鎌倉随一のハギの名所と知られ、9月下旬には白ハギの花で境内が埋め尽くされます。
ハギは11月にはきれいに刈り取られますが、2月から3月にはウメやカイドウ、そして足元にはフクジュソウも可愛い花を咲かせます。
宝戒寺の本尊は子育経読地蔵大菩薩(こそだてきょうよみじぞうだいぼさつ)であり、鎌倉二十四地蔵の1番札所となっています。
本堂には他にも多くの仏像があり、覚園寺と並び鎌倉では数少ない、間近に仏像を鑑賞できる貴重な場所となっています。
■最後の目的地の前に腹ごしらえ
さて、今日の鎌倉輪行ポタリングもそろそろ終わりが近づいて来ました。最終目的地は先にも書いたように妙本寺としていましたが、さすがにそろそろお腹が空いてきたので、大町にある町中華の店、「登華園」に行くことにしました。
この店は、御夫婦二人で営業している(と思われる)地元密着型の中華のお店。メニューには町中華の定番メニューが並び、どれもお求めやすいお値段になっています。
お店に到着して最初に驚いたのは、上の写真の右側に見える看板です。長い間「園」の文字の部分だけ割れていましたが、いつの間にか修復されていたようで、上の2文字に比べて「園」の文字だけ看板が真新しく真っ赤な色になっています。
この店に来るのは実は3回目。今回はチャーシュー麺と餃子を頼みましたが、素朴な味付けがたまらなくいい感じです。お腹も満たされたので最後の目的地、妙本寺へと向かいます。
■13人の重臣比企能員ゆかり 妙本寺
鎌倉のウメとロウバイを巡る自転車旅、最後の目的地は鎌倉駅からもほど近い妙本寺です。
妙本寺といえば、鎌倉殿の重臣の一人、比企能員を始めとする比企一族の屋敷跡。権力争いの末に比企能員は北条時政に討たれ、一族もここ妙本寺のあった比企邸で滅亡します。
比企一族の墓の前にもロウバイが咲き、祖師堂に向かって左側にはウメの花が美しく咲いています。
そして、悲劇の地でありながら、あの時からおよそ800年を経過した現在では結婚式の前撮りの場所として大人気。いつ行っても必ずと言っていいほど前撮りカップルの姿を見かけます(上のウメの写真の向こうにもかすかに新婦の姿が映っているのがおわかりいただけますでしょうか)。
■最後に
鎌倉は一年中いろいろな花が咲き、また、小ぢんまりとした街なので、多少坂道もありますが自転車で巡るには最適な場所といえるでしょう。
私も鎌倉を自転車で巡るために折り畳み自転車を買ったようなところがあります。また違う季節に自転車での鎌倉巡りを楽しみたいと思います。