5月のJICA協力隊活動 前編(コンポスト研修)ー5月の振り返り編#4ー
前回は、初野外ライブの様子をお届けしました。
今回は、5月の協力隊活動(前編)についてお伝えします。
―5月の振り返り編― 目次
1.憲法上の首都スクレ近郊観光
2.チュキサカ革命5月25日のお祝いに沸く街
3.初の野外ライブ!お目当てはLos Kjarkas!
4.5月のJICA協力隊活動 前編(コンポスト研修) ←今回はココ
5.5月のJICA協力隊活動 後編(その他)
生ごみとコンポスト
みなさんはコンポストを知っていますか?
自治体によると思いますが、家庭ゴミ(生活系ごみ)のおおよそ30~40%以上は生ごみだそうです。
・日本での生ごみ処理
日本では、ごみの焼却処分が行われています。そのため、大部分が水分である生ごみを焼却処分するには、より多くの化石燃料を焚くことになり、総じて環境に悪影響を及ぼします。一部興味のある人たちによって生ごみコンポストや畑への還元が行われていたり、一部小規模自治体が生ごみを回収し肥料作成を行う事例もあります。しかしながら、都市化が進むにつれて生ごみを活用する機会そのものが減り、前述のようにほとんどが焼却処分されることになっています。
・ボリビア(発展途上国)での生ごみ処理
生ごみに限らず、途上国では(回収された)ほぼすべてのゴミが埋め立て処分されています。分別回収されていても、結局はゴミ収集車によって同タイミングで回収され、最終処分場で埋立されてしまいます。国によっては、ウェストピッカーと呼ばれる貧困層の人たちが、ゴミ処分場で有価物を回収しています。資源循環を考えるとありがたい存在ですが、正式な職業というよりは「生きるためにやっている」作業で、重機が気づかず押しつぶしたり、可燃性ガスの発生による火災などで死亡する例が後を絶ちません。加えて、生ごみは有価物(売却してお金になるモノ)ではないため、基本的には処分場に置き去りになります。生ごみを狙って野犬が増え、蚊やハエなど虫の発生も促してしまうことから、有機物ではあるものの、環境に対しては非常に悪影響を与える存在となってしまいます。
職場でのコンポスト研修
5月、再赴任してから3カ月が経ち、ようやく職場内でコンポストの研修を実施しました。
私の知識や経験不足も多分にあるため、今回は外部の力を借りることにしました。
今回協力をお願いしたのは、元協力隊員でフリーランスのコンポストアドバイザーでもある城井香里(かおり)さんです。
かおりさんには、現地でのコンポスト研修をお願いしていましたが、残念ながら調整がつかず、オンラインでの実施となりました。
第1段階:発酵液づくり
コンポスト作成法の中でも、国際協力業界(主にJICA)で使用されているのは、高倉式コンポストです。
これは、諸外国でも手に入りやすい発酵食品を用いて生ごみの分解を促進する方法で、小規模~中規模の家庭から現場で使用されています。
用意するのは、塩と砂糖それぞれをベースにした発酵液1本ずつです。
発酵液なので、コカ・コーラ用など炭酸水用のペットボトルがおすすめです。3-5日で発酵菌が増殖するのですが、標高の高い場所や寒冷地では発酵が阻害されるため、1週間ほど見た方がよいでしょう。
第2段階:発酵床づくり
第1段階の発酵液が出来上がったら、いよいよコンポストの種を作ります。
米ぬか・もみ殻、落ち葉と水などを使用していきます。
ブルーシートなどを敷いて平らな場所で実施した方が楽です。
基本的には混ぜていくだけですが、水分調整が必要です。混ぜた後にいくつかランダムな場所から発酵床を手に取り、ボールを作るように握ります。握った後に手を開いてボールが崩れず、指の隙間から水分が漏れないようだと、適正な水分量です。
作成後は発酵させるため、段ボール等に入れ、上から新聞紙や布をかぶせます。
第3段階:コンポストの使い方
基本的には下記画像に書いてある通りですが、コンポスト容器は段ボールを用いるのが一般的です。基本的には通気性を良くして適度な湿度と好気性発酵を保つことが重要です。
生ごみを入れる際は、小さく刻むことが重要です。
人間に例えると、大きな一口よりも小さい一口の方が食べやすいですよね?
それと同じで、微生物が食べやすい大きさにすることが大事です。
また、水気をきっておくことも水分過多を防ぐので、料理中に生ごみを細かくして水気を切っておくと、結果一番手間がかからないと思います。
コンポスト研修の様子
最後に、職場でのコンポスト研修の様子をお届けします。
初回は、発酵液づくりをしました。
職場にボリビアに合わせた材料を用意し、2種類の発酵液を作りました。
基本的には材料を混ぜていくだけなので、用意する段階が一番時間がかかります。
その後、約1週間発酵させ、発酵床を作る準備を進めます。
通常であれば3日ほどで発酵が進むのですが、高地つまり寒冷低湿度地であることから、1週間ほど余裕を持ちました。
2回目は、発酵液の発酵を待ち1週間後に実施しました。
発酵床づくりは、ブルーシートを敷いて、準備した材料を混ぜていくだけです。高地だと乾燥した葉っぱ等が手に入りにくい(森が少ない)ので、そこが地味に苦労しました。
最終的には水分調整もうまくいって程よい塊になることを確認し、ようやく完成です。
ここまで終われば、実質私のボランティアとしての役割は終了です。笑
次は…↓
5.5月のJICA協力隊活動 後編(その他)