14年前に出会った居合
居合を始めてから14年ほどになる。
始めた当初はまさか居合がここまで自分の生活の一部になるとは思いもしなかった。
今回は自分が居合を始めるきっかけとなった出来事を書いていこうと思う。
元々黒澤明の時代劇映画を見るのが好きで、三船敏郎や宮口精二の侍姿を見て、チャンバラ的なものに憧れを持っていた。
その後自分で調べて殺陣を習い始めた。そこの殺陣教室のN先生は強面ながらすごい動きの立ち回りだったので、「自分もあんな動きがしたい」と思い、週2回ペースで通い始めた。
2,3か月経った頃、殺陣クラスの次の時間のクラスがたまたま古流居合術クラスだったので、侍つながりの興味本位で、少しだけ見学をさせてもらった。
見学する以前に持っていた居合のイメージは、なんとなく年配の方がする武道で、地味でそんなに激しい動きはなく、ゆっくりと淡々としていて、あまり若い人がする武道ではない、という感じのイメージだった。
けれでも、その居合クラスのI先生は年配の方ではなく、わりと若い感じで、生徒の方々も30代~40代ぐらいだった。
クラスが始まり、先生が型の見本を示し、生徒も行い、先生から生徒へのアドバイス、術理の指導、といった流れで1時間半ぐらいのクラスの見学が終わった。そのとき、自分の中では「居合すごいな」という印象に変わっていた。
袴に居合刀、その姿を間近で見たのも初めてだったが、なによりI先生のその素早い動き、無駄のない動き、納刀・残心の美しさにとても感銘させられ、術理の説明もとても理にかなっており、武術の達人だなと感じた。
さらに、その時に居合から感じた慎ましさ、謙虚さ、凛とした雰囲気、職人にも通じるストイックさが、自分の中にあるサムライのイメージとどんぴしゃにマッチしてしまい、翌週から早速居合を習い始めることになった。
ちなみに、そのときの居合クラスには殺陣の強面のN先生も生徒として参加していたが、殺陣の時にはあれだけ切れのある立ち回りができたN先生も、重い居合刀を持つと、なかなか思うような動きができなく苦戦していて、それもまた居合の難しさ、凄さを感じる要素となり、さらに惹きつけられた。
その後、殺陣クラスと居合クラスを並行して通っていたが、2年が過ぎるころには、居合クラスしか行かなくなり、居合のI先生がやっている別の稽古会にも通い始め、どっぷりと先生の居合術・武術にはまっていった。
これが、自分と居合との出会いです。
読んでいただきありがとうございました。
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