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「よろしい、ならば戦争だ」Lineage リネージュ昔話外伝004

 我々Storm血盟は、ボス狩りを続けるうちに、ボス独占しようとする勢力(以下、「敵対勢力」と書きます)から"敵"と見なされることになりました。
ボスが出る場所だけではなくゲーム内のどこにいても、敵対勢力のメンバーと遭遇すれば、襲われるようになったのです。

この時点での選択肢は大きく分けると
1.ボスを狩ることを完全に辞める(これにより敵対勢力からのPKがなくなることを願う)
2.交渉する(「ボスを狩らないから攻撃は辞めてくれ」または「不戦協定を結びたい」など)
3.徹底的にやりあう
ぐらいかと思うのですが、前回の終わりで書いたとおり、私個人の気持ちとしては3の徹底的にPKし合うことでした。
ただ他のメンバーの意向を確認していなかったため、血盟としての方針はこの時点では決まっておりません。

 今後どうするかを決めるため、血盟チャットで次のような会話がされました。
Storm組の若い衆「親分!あいつら完全にうちの組と事を構えるつもりですぜ!」
ワシ「ヨッシャ……玉取ってこんかい!!」

……嘘です。

中心メンバーの1人「PKされるようになりましたけど、プリさんどうします?」
私「私は反撃する方針ですが、メンバーの方にそれを強要する気はありません。」
ほかの中心メンバーの方「俺、積極的にPK(相手のキャラクターを攻撃すること)しにいってるよ。相手もどこでも仕掛けてくるしね。」
さらにほかの中心メンバーの方「うんうん」
確か、このような会話がされたと思います。思ったよりもStorm血盟のメンバーは好戦的な方が多かったようです。
※ここでの中心メンバーとは、よくボス狩りをしていたメンバーのことだと思ってください。

 話し合いというほどの話し合いもなく、アッサリと3の徹底的にやりあうということで、血盟としての方針が決まりました。
 ただ、本格的にやりあうとなると、敵対勢力からのPKもさらに激化することは、想像に難くありません。
そのため私は血盟のメンバー全員に宛てて、メッセージを送ったような気がします。
「ボスを巡って敵対勢力との抗争激化が予想されます。PKが嫌な方は、申し訳ないのですが、脱退して他の血盟を探していただけましたら幸いです。」

 こうしてStorm血盟と敵対勢力との闘いは激化していくことになります。
しばらくの間、その闘いの流れはいつも決まったような展開になりました。
「よし追い返したぞ!」
「いっぱい連れて戻ってきやがった!!」
「ダメだ。数で負けてるし、回復役も多いからどうにもならん。悔しいー!!」
※スクリーンショットに写っているエルフ「癒し系」さんは、我々にとって貴重な回復役の1人でした。しかし相手は回復役の魔術師が何人もいたのです……

 こちらのメンバーは高レベルの方が多く(敵対にも何人かは高レベルの方もいました。)、前衛同士の一対一や少数同士であれば勝てることが多かったと思います。
しかしアクティブな人数はあちらの方が多く、一度退けたとしても多数の仲間を連れて戻ってくるのです。
そうすると、数で劣り、前回書いたようにボス狩りとPKのためのチーム編成がされているであろう、敵対勢力の優位は揺るぎません。
 結局、敵対勢力と遭遇しないときだけはボスを狩ることができるものの、遭遇すれば退けられてしまうという状況が続くことになりました。

 しかし「徹底的に闘う」と決めたからには、我々もこのままでは引き下がれません。

 続きます……

 締めくくりに。

 物語や対人ゲームは、良いヒール(悪役)がいないと盛り上がりません。
グンターサーバーで敵対関係にあった、台湾人の方々、彼らは私にとって良いヒールでした。

 「ジョジョの奇妙な冒険」という私が好きだった漫画があります。
この作品に「ディオ=ブランドー」という悪役が登場します。
悪党には間違いないのですが、作中でも悪のカリスマのような存在として描かれています。
 このディオがチンケな小悪党では、きっとこの作品は盛り上がりません。

 また私が約20年前にPC版をプレイしていたカノープスサーバーには、やはり黙殺同盟という良い悪役がいました。
全ての町の税率を最高税率に上げ、敵対する者には容赦ないPKを加える。
どれもゲームのルール上認められたことではありますが、感情として他のプレイヤーからは「面白くない」と思われる行為です。
 そして「黙殺」の名前の通りと言って良いのか、彼らは多くを語らずミステリアスな存在でもありました。
 この黙殺同盟も非常に良い悪役だったと思います。当時のカノープスサーバーの攻城戦は大いに盛り上がっていましたが、彼らがすべての城を持っていたからこそではないでしょうか。

 「敵対勢力である台湾勢を倒したい。」
この想いがStorm血盟のメンバーの「強くなりたい」というモチベーションを高め、団結力も高める材料にもなっていたと思います。

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