『週刊ニッポンの浮世絵100』は創刊号付録にも注目。進化を遂げた北斎マルチケース、使えます!
こんにちは。和樂webにも寄稿している、アートライターの「かるび」(@karub_imalive)と申します!
9月17日に発売された『週刊ニッポンの浮世絵100』創刊号には、分冊雑誌の華「初回限定特別付録」という特別コンテンツが用意されています。
この「北斎名作マルチケース」、本当によく考え抜かれたアイテムなんです。そこで、今回はこの注目の創刊号付録について、掘り下げてじっくり見ていくことにしましょう!
美術館のお供に最適!北斎名作マルチケースを使い倒せ!
実はこのマルチケース、浮世絵展へお出かけする際、美術館・博物館で使い勝手の良い小物入れとして開発されました。
美術館や博物館の中では、大きい荷物を持ったままの鑑賞はできません。リュックや大きなカバンは一旦ロッカーに入れて、館内では貴重品や最低限の小物を持って行動するのがマナーですよね。
そうすると、館内を快適に楽しむための小物入れが別途欲しくなるもの。
ですが、こうした「ミュージアム専用小物入れ」みたいな丁度良いアイテムって意外と見つからないものなのですよね。
そこでオススメなのが、今回の「北斎名作マルチケース」なのです。
まずは、どうやって使えばいいのか、文化事業室にて用意された「模範使用例」で確認してみましょう。文化事業室にて、浮世絵に詳しい都内のいくつかの美術館を回ってみて、小物入れに最適なアイテムを買い集めてみた結果、こんな感じの収納例ができあがったそうです。
うーん、これはスキのない理想的な使い方!
左側のチケットホルダーには各種展覧会チケット、真ん中縦ポケットに一筆箋が収納されています。右側には、Suicaや缶バッジ、切手、ペンなど。大切な美術館グッズや文房具などが入っていますね。半透明のジッパーケース部分に匂い袋なども格納できるところに繊細さを感じます。
そこで、僕もやってみました。
結構サンプル画像とは違うパターンになりました。メモやチケットを収納したところまでは同じですが、カメラ用のSDカードやロッカーで使う100円硬貨、そしてwithコロナ時代らしく使い捨てマスク、咳止め、頭痛薬などを淹れてみました。
他にも付箋紙、しおり、お手拭き、チラシ(四つ折りすれば入る)、メガネ拭き、目薬、コンタクトなどいろいろな小物が入りそう。ぜひ、自分だけの収納パターンを試してみてほしいです!
北斎マルチケースは、実は改良型2代目だった?!
実はこれ、小学館の長年の分冊雑誌ファンにとってははじめての特典付録ではないんです。前回記事でもお伝えしましたが、『週刊ニッポンの浮世絵100』は、2017~18年に刊行された『週刊ニッポンの国宝100』とほぼ同じコンセプト・構成で制作されているウィークリーブックなんです。
そして『週刊ニッポンの国宝100』でも、ほぼ同じ外観・素材で作られた『鳥獣戯画マルチケース』が創刊号の特別限定付録としてついてきていたのです。
では今回も全く同じなのか・・・というとそうではありません。
約3年ぶりに復活したこのマルチケース、使う人のニーズに寄り添う形で、格段に進化を遂げていたのです!
ちょっと見比べてみましょう。
まずパッと見て気づくのが、外観が一回り小さくなったことです。
なぜなのでしょうか。開発にあたった文化事業室・橋本さんにお聞きしてみました。
「実は、『週刊ニッポンの国宝100』でも好評だったので、前回と同じものでいいんじゃないか、という話で進んでいました。でも、今回は浮世絵がテーマ。浮世絵は、ここ最近現代アートにも通じる「ポップ」な面白さが、若い女性を中心に受けていますよね。だから、20代、30代の若い女性が浮世絵展に行った時に使えるような小物入れを作りたかったんです。」
なるほど。今回は、特に若い人にも使ってもらえるような小物入れを意識して開発を進めていったいうわけなのですね。橋本さんのお話は続きます。
「そこで、リサーチのためにまずは社内で女性社員に聞いて回りました。すると、改良点としてまず浮かび上がってきたのが「サイズ感」でした。前回と同じサイズだと大きくて女性用ハンドバッグに入らないんです。もう一つ使い勝手が悪いよね、と。だから、女性用ハンドバッグのサイズでも入り切るように、少しコンパクトなサイズにしてみました。」
そういう経緯があったのですね。納得。
そういえば、今回では鉛筆やペンを挟む「ペンホルダー」が付けられています。これも改良点なのでしょうか。
「展覧会に行ったら、会場内で好きな作品の感想メモを取りたくなりますよね。そんな時、鉛筆がすぐにササッと出せれば便利だなと思って、付け加えてみました。」
これ以外に、マルチケースのファスナーの部分も、ビニール製から金属製へと強化され、耐久性がアップしています。
そう、この「耐久性」というのがこのマルチケースのもう一つの大きなウリなのですよね。
北斎マルチケースは耐久性がすごい!(実証済み)
先述したとおり、僕がこの「北斎名作マルチケース」を自宅へと迎えるのは「鳥獣戯画マルチケース」に続いて2つ目となります。
実はこのマルチケース、耐久性が凄いんです。雑誌の付録レベルとは思えないクオリティなんですよね。
なぜそんなことがわかるかというと、実は僕が、この先代の「鳥獣戯画マルチケース」を、『週刊ニッポンの国宝100』が発売された2017年9月以来、3年以上ずっと使い続けているからなんです。
それまで使っていたビニール製のケースを捨てて、すぐに「鳥獣戯画マルチケース」へと乗り換えたのですが、それ以来、1日も欠かすことなくバッグの中に放り込みっぱなしでした。
写真を見比べてみると、さすがに若干の使用感はあるものの、ほとんど傷みもなく、ヘタっていませんよね。ソフトケースではなく、硬い素材で作られている事も、少々手荒な扱いにも耐えられるゆえんなのでしょう。
約3年間、バッグの中に入れておくと、いろいろなことがあります。突然の豪雨に打たれてずぶ濡れになったこともありますし、真夏の車の中で高温に晒したことも多々あります。
でも、このマルチケースはそういった悪条件にさらしてもびくともしなかったのです。
今回の「北斎名作マルチケース」もこれと使われている素材は全く同じ。耐久性は相当高いでしょう。きっとこれから何年もの間、あなたの美術館通いの良いお供になってくれると思います。
デザイン面でのこだわりにも注目!
次に、ケースの表面、内側のポケット部分に目を向けてみましょう。
それぞれ北斎の代表作『冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏』の図柄が、細かな波しぶきの一つ一つまで丁寧にプリントされています。濃紺色の背景にスカイブルーの輪郭線が絶妙なバランス感で合わせられ、自然な感じで馴染んでいますよね。
意外にもこの部分の作りこみが、かなり大変だったみたいなのです。
「1回の印刷では、この独特の濃い水色が出せないんです。まず1回「白」で印刷をかけてから、その上に青でプリントし直すことで、絶妙な色合いに仕上がるんですよね」
「ということは、2度印刷をしているということなんですか?」
「そうです。試作品の段階では、2回印刷をした時に、印刷面が微妙にずれてしまい、1回目に印刷したベースの「白」がはみ出て見えてしまう不具合もありました。それを、工場と連携しながら何度も微調整を重ねて、きれいなスカイブルーになるように仕上げたんです」
カラー印刷の製本品質には絶対の自信を持っている文化事業室だからこそのこだわりですよね。たとえ制作対象が書籍からグッズへと変わっても、印刷品質に対する厳しさは変わりません。
ミュージアムグッズファンにもオススメの逸品。売り切れる前に書店へ是非!
集中連載の2回目では、『週刊ニッポンの浮世絵100』の初回限定北斎名作マルチケースについて、ガッツリ書いてみました。
僕も早速こちらを使い始めています。そして写真のように、早くも書店で予備の追加マルチケースをゲット!無事、買い足して2つになりました。これであと10年は展覧会場で使う小物入れには困らなくて済みそうです。
そうそう、このマルチケースはパッケージにも書かれていますが『初回限定特別付録』です。浮世絵展通いがいっそう捗りそうな、本当によく出来たグッズです。店頭から消えてしまう前に、お急ぎくださいね!
『週刊ニッポンの浮世絵100』特設ページはこちらから!
https://www.shogakukan.co.jp/pr/ukiyoe/pc.html
前回記事:ついに『週刊ニッポンの浮世絵100』が刊行開始!見どころをまとめてみた!
https://note.com/sho_bunka/n/n59e24d4c5f38
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