認知症の義母との帰省。ビジネスホテルへの逃避行
症状の悪化で精神科の診察予約を入れた
認知症の義母と同居していたDINKSアラフォーの私。
初期の頃は
忘れているな、大丈夫かな。方向分からないみたいだな、運転はできないな。日常1人にしては危ないかも。というレベルだった。
中期になり
悪口や号泣、情緒不安定が続き、手がかかる状況が発生、まるで大きな子どもがいるような状態になった。
後期はうつ病も併発したようで
物盗られに関連して直接的に罵詈雑言、暴力、死ぬ殺す殺されるの絶叫のフルコース。
夜中や朝方、睡眠中に突然の襲撃が続くため、ビクビクしながら眠る毎日が続きます。これは入院治療しかない、と夫が診察予約を入れたのですが、そのXデーまで身が持つか‥という状況に。
実家に連れ帰ると良くなるかと思った
そんなギリギリの状態だけれど、義母のために何かできないかと本人の家と本人の生家へ連れていくことに。コロナで数年間兄弟と会えない日々。義母の中では、兄弟は死んだ設定になっていた。
義母の実兄は、もう最後になるかもしれないから会いたい、ということで訪問確定。
そんなこんなで田舎に帰省した連休。義母の家に帰れば、何かが変わるかと思ったが逆効果だった。何度も金庫を触ったり、昼夜問わず狂ったように家の中ものを確認しては、我々に盗ったと食ってかかる状態に。
義母の家から高速を使って生家に移動する日が近づいてきたが、我々の疲労はピークに達していた。このままでは、睡眠不足で夫の運転が危ぶまれる。
前々日の深夜に出て行けと絶叫襲撃され、やっぱりもう無理だな、とお互いに無言でアイコンタクト。私がビジネスホテルに行きます。というと、俺も行くとのこと。即じゃらんで予約。
介護保険使えないからビジホに逃げた
介護保険で宿泊型の認知症サポートのサービスを利用できるそうですね。介護疲れの懸念がある方は、間違いなく利用した方がいいと思います。きっとそれで共倒れを防げます。安全だし、介護のプロにお任せできるから安心ですよね。本人にとってもきっと良いのでしょう。
しかし、このとき我々は介護保険が使えなかった。どうしようもなかった。奥の手でビジホ。お義母さんには申し訳ないけど逃げました。
タバコ臭い一泊4000円のホテルが天国
誰がこんな田舎でこんな三階建ビジネスホテル?モーテル?に泊まるんだろう、と嫁にきたときから不思議に思っていたが、まさか十数年後に自分がお世話になろうとは。
予約したビジネスホテルは古いけれど清潔だし、フロントの人と妄想以外の普通の話ができることに涙が出そうになった。心底ありがたい。深夜に到着し、お互いに死んだように眠った。
朝起きて、誰かから睡眠中に襲われるかもしれないという気持ちで寝ることは、やっぱりストレスなんだなあとか、戦時中はこれが普通だったのかなとかぼんやり考えつつ、ありがたみと朝ごはんの米粒を噛み締めた。
愛の逃避行、ではない
早朝から急いで家に帰る。夜は義妹が電話で安否確認済みだ。どのような状況になっているかドキドキしながら到着。
案の定、獣のような顔となった義母から罵詈雑言を浴びせられた。やっぱり‥。
そして、私はどこかの男と手を繋いで去っていき、雲隠れした設定になっていた。エキサイティングな設定が爆誕‥。しかし、この日の朝は睡眠がとれている。余裕があったので、結局少し笑ってしまった。
残念ながら手を繋いだことはないけど、それは多分あなたの息子です。
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