【因数分解】2次式の因数分解を公式を使わずに解く
どうも,しょごぼろです.前回の記事の続きになります.まだ見ていない方はちらっとでもいいので覗いてもらえると嬉しいです.
前回は「たすきがけ」が嫌いという話でした.
というわけで,今回は2次式の因数分解を公式を使わずに解くということをしてみようと思います.では,問題の前に予備知識を確認しようと思います.
予備知識
分配法則
$${m(a+b)=ma+mb}$$
もちろんこれは,逆から見れば共通因数でくくるという因数分解になりますね.
因数分解の例題①
$${x^2-5x+6}$$を因数分解せよ.
【通常の解法】
掛けて6,足して-5となる数の組を探すと{-2, -3}となるので,
$${(x )(x )}$$の形に当てはめると,
$${x^2-5x+6=(x-2)(x-3)}$$となる.
$${\Box}$$
この問題を,公式を使わずに解いてみようと思います.では,いきます.
【公式を使わない解法】
$${x^2-5x+6}$$から,掛けて6,足して-5となる数の組を探すと{-2, -3}となる.この数を用いて,$${-5x=-2x-3x}$$と書き換えると
$${x^2-5x+6=x^2-2x-3x+6}$$
となる.ここで,前2つと後ろ2つで分けてそれぞれくくり出しの因数分解をすると,
$${x^2-2x=x(x-2), -3x+6=-3(x-2)}$$
と書ける.こうすると,$${x-2}$$という共通因数が出てくるので,ここでもう一度くくり出しの因数分解を用いると,同じ答えが出てくる.まとめると,
$${x^2-5x+6}$$
$${=x^2-2x-3x+6}$$
$${=x(x-2)-3(x-2)}$$
$${=(x-2)(x-3)}$$
となる
$${\Box}$$
以上のように,因数分解ができました.
展開の分配法則をしっかり見てみる
上の因数分解の式を逆からたどっていけば,ただの展開の計算式となるのですが,$${(a+b)(c+d)}$$の展開をするときに,ほとんどの人が一気に
$${(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd}$$
と書くと思います.ですが,分配法則は
$${m(a+b)=ma+mb}$$
ですので,1つの文字に対して括弧内の数を掛けて足すということをするわけです.では,$${(a+b)(c+d)=ac+ad+bc+bd}$$を一気に書いていいのか?という疑問がありました.これも公式なので,間を飛ばしているわけですね.結果は同じですが,間を埋めていきます.
$${(a+b)(c+d)}$$ $${(c+d)=A}$$とおくと
$${=(a+b)A}$$ となる.以下,分配法則で展開すると
$${=aA+bA}$$
$${=a(c+d)+b(c+d)}$$
$${=ac+ad+bc+bd}$$
となります.ここでのポイントは括弧()で括られている2つの数は,1つの数と思ってよいということです.考えてみれば当然で,(実数+実数)=実数ですしね.
2次式の展開公式をしっかり見てみる
$${(x+a)(x+b)}$$ これを上のように展開すると
$${=x(x+b)+a(x+b)}$$
$${=x^2+bx+ax+ab}$$
$${=x^2+(a+b)x+ab}$$
この式を4行目から3行目に戻ってみると,最終式の第2項の$${(a+b)x}$$を$${ax+bx}$$に分けるということをするわけですね.そのために,掛けて$${ab}$$,足して$${a+b}$$という数を探すということです.$${a, b}$$が整数なら$${ab}$$も整数なので,その約数から$${a+b}$$という数を探せばよいということになりますね.逆からたどると,もちろん因数分解になっていますね.
さいごに
というわけで,今回は$${x^2-5x+6}$$のように$${x^2}$$の係数が1の場合の因数分解を公式を使わずに解くというのをしてみました.では,$${x^2}$$の係数が1以外の場合も同じように解けるというところを次の記事で紹介したいと思います.ではまた.
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