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2024/9/16週|両面市場の拡大の鍵となる "マーキー・ユーザー" を定義するための3要素について

以前、Two-Sided Platforms(両面プラットフォーム)の12の成長戦略についてのお話 と言う記事を書きました。

この中で引用している論文の中の、成長戦略の一つに、マーキー・ユーザー(通常のユーザーの何倍もの価値をプラットフォームにもたらすユーザー)にプラットフォームに参加してもらうことの重要性が記されています。

特にプラットフォームを立ち上げる初期フェーズにおいては鶏卵問題と呼ばれるものに直面します。

これを乗り越えていくために、プラットフォームとして優先的に誘致するべきマーキー・ユーザーがいる、というものですが、ではそういったユーザーをどう定義していくべきでしょうか?

今日はこれまでの経験から個人的に考えていることについてメモを残しておきたいと思います。

マーキー・ユーザーを定義するための3要素とは?

要素として下記のような3つは考えられそうです。

  1. サービスの流れ(起点はどこか?):
    要素の一つ目として、サービスの起点がどこから始まるか?という観点でしょうか。起点になる側の方が「より希少性の高いユーザーグループ」と言えるのでは、というものです。
    例えば、ライドシェアのプラットフォームだと、乗車する顧客を先に引き込むことで、ドライバーを引き付ける戦略もあると思うのですが、ドライバー側がアプリを起動してreadyになるのが起点になるので、最初の最初のフェーズではこちらが起点として重要なプレイヤーと位置づけられるのではないかと考えます。

  2. 利用負担(導入・利用負担が大きいのはどちらか?)
    2つ目は、サービスを導入・利用する負担についてです。負担の少ないプレイヤーの方が負担の少ないプレイヤーがより早くサービスを導入してくれますが、逆に考えると負担の大きい側のプレイヤーへ多くの初期コストをかけるべき(人による営業活動、マーケティング費用など)なのではないかと考えます。そうでないと、負担が大きい側の拡大がボトルネックとなり、中々プラットフォームが拡大していかないことになります。これはネットワーク外部性が効かないことになるのでTwo-sided platformが拡大していくための定石の一つが中々機能しないことを意味します。

  3. 信頼と評判(影響力の大きいプレイヤーは?)
    3つ目に、マーキー・ユーザー自身が持つ信頼性や評判の高さは一つの重要な要素になりえます。例えば、プラットフォームの外でもリーチができるような著名人や、大量の利用をするような人々などですね。
    事業者同士でも「あの会社が使っているなら、、」と言ったような影響力を持つ会社や人がいるのではないかと思います。

経営とは資源配分である、とすると、特に初期フェーズにおいては人員や資本力も少ない中で、どこの誰に対してそれを充てていくかは決定的に重要な意思決定です。
その際に、「マーキー・ユーザーは誰だっけ?」を考えることは、営業活動をするにせよ、マーケティング活動をするにせよ、一つのヒントをもたらしてくれるのではないでしょうか。


今週はこの辺りで。
お読みいただきありがとうございました🙇

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
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中川 祥一|タイミー 執行役員CMO
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