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2024/10/14週|効果的なマーケティングテクノロジー戦略の策定方法のヒントと、とはいえ感じるハードルについてのmemo

How to develop an effective Martech strategy, 7 marketing ops habits you need to practice and more という記事の中にあった、マーケティングテクノロジー戦略を立てていくためのガイドが参考になったのでメモとして残しておきます。

マーケティングテクノロジー戦略の策定のステップ

上記記事よりポイントを要約させてもらいます。

・ほとんどの企業はマーケティングテクノロジースタックを後ろ向きに構築しています。何を達成しようとしているのかもわからないうちに、目新しいツールや派手な機能、流行りの言葉に気を取られてしまいます。このアプローチは逆さまです。
・以下が実用的なステップバイステップガイドです。

🥬 #1. 明確な目標とKPIを定義する
・まずは成功とはどのような状態なのかを定義することから始めましょう。達成しようとしているビジネス上の成果は何でしょうか?
・KPIはそれを反映していなければなりません。
例:
- リードジェネレーション:リードを20%増やす。
- 顧客体験:NPSを15%改善する。
- 効率性:手動作業を50%削減する。
・ここで重要なのはシンプルさ。マーケティングテクノロジースタック内のすべてが、測定可能なビジネス成果と紐づくべきで、そうでないものは不要です。

🥬 #2. 顧客中心のアプローチを採用する
・マーケティングテクノロジーは、顧客体験をよりスムーズに、よりシームレスに、よりパーソナライズされたものにするためのものでなければなりません。テクノロジーを使って購入者の旅における摩擦を取り除いているでしょうか?
・顧客体験を実際に改善するものを中心に、スタックを構築しましょう。

🥬 #3. テクノロジースタックとガバナンスを整合させる
・ツールの数が増えれば進歩が促されるというわけではありません。必要なのは整合性です。
・各ツールはシームレスに統合され、特定のビジネス上の課題を解決すべきです。
・ガバナンスも同様に重要です。定期的な監査とガバナンス方針がなければ、スタックは肥大化し、冗長的になり、非効率な部分が増えてしまいます。
・テクノロジーは複雑化させるものではなく、簡素化するものであるべきです。

🥬 #4. データ管理、レポート、分析に重点を置く
・データがすべてですが、データはクリーンで一元化され、利用可能である場合にのみ価値があります。
・データのクリーンさ:データが正確で信頼できることを確認してください。
・集中(一元)化:サイロを打破し、スタック全体で顧客データに簡単にアクセスできるようにする。
・レポーティング:重要な指標を測定するためにデータを利用する。さもなければ、闇雲に意思決定することになる。

🥬 #5. プロセス設計、実現、自動化
・優れたマーケティングテクノロジーとは、ツールそのものではなく、ツールが実現する「プロセス」である。
・マーケティングプロセスのボトルネックはどこか?ルーチンワークを自動化して、よりインパクトのある業務に時間を割くにはどうすればよいか?を自問しながら進める。
・すべてを自動化するわけではない。創造性や人間関係においては、やはり人の手による対応が重要である。

🥬 #6. 部門横断的なコラボレーションとビジネスへの影響
・マーケティングテクノロジー戦略は、孤立した環境では存在し得ません。 サイロを打破しましょう。利用するツールは、マーケティングだけでなく、営業、IT、カスタマーサクセスにも力を与えるものでなければなりません。
・営業部門は、このデータをどのように活用してリードへのフォローアップを迅速化できるだろうか?
・IT部門は、当社のテクノロジーの安全性をどのように確保できるだろうか?
・カスタマーサクセス部門は、このデータをどのように活用して顧客維持率を向上できるだろうか?

🥬 #7. 継続的な学習と最適化
・最高のチームは、マーケティングテクノロジーツールをただ使うだけではなく、常に学習と最適化を繰り返しています。昨年うまくいったことが、今年もうまくいくとは限りません。
・より良い結果をもたらす新しいツールや機能はないでしょうか?何がうまくいき、何がうまくいかないのでしょうか?
・改善を繰り返すことをやめてはいけません。成功するチームは、決して現状に甘んじないチームです。

How to develop an effective Martech strategy, 7 marketing ops habits you need to practice and more より

上記の7つのポイントを示した上で、下記のような記載で締め括られています。

効果的なマーケティングテクノロジー戦略とは、たくさんのツールを寄せ集めて、うまくいくことを期待するものではありません。明確な目標を定め、顧客を中心に据え、常に最適化を図りながら、より良い結果を出すことです。ツールの数ではなく、インパクトに焦点を当てましょう。
できる限りシンプルに。そして、常に顧客を第一に考えましょう。

How to develop an effective Martech strategy, 7 marketing ops habits you need to practice and more より

実務におけるハードルとは

動的なシステムの中に生きていると、マーケティングテクノロジーの戦略の構築 ~ 履行は結構難易度が高い領域のように感じます。
とりわけスタートアップのように、事業の成長に伴い、課題が移ろい行き、対応するための人が増え、いろいろな役割を持つチームや組織ができてくると、マーケティングに関連するツールは中長期というよりも、短期的にトップダウンというよりもボトムアップに(実務の必要性から)導入が進んでいくことが多いように思われます。

ここで稟議を承認する立場にあるマネジメントroleが、将来を見通しつつ、マーケティングテクノロジー戦略を立案し、その方針のもとでツールの設計・導入・運営を行っていけると理想ではありますが、技術やツール自体も日進月歩で進む中で全てを把握・設計するのが難しい側面もあると思います。(半分言い訳です。笑)

こうした点が、近年Marketing operations(MOps)のような機能の必要性を増させている一つの要因になっているように考えます。

また、MOps組織のような専任組織さえ立ち上げれば万事うまくいくということはないと考えています。その理由はいくつかあり、MOpsの業務がこれだけではない(マーケティング組織の生産性最大化というより幅広いミッションを担うため)という点ももちろんあります。
しかしここで指摘しておくべきよりクリティカルな点は、MOps組織に求められるケイパビリティが(上記の記事にもある通り)、

①顧客並びに顧客体験に対する深い理解:
 
<- 顧客体験を改善するためにやるからです
②マーケティング業務に関する深い理解:
 
<- マーケティング施策のインパクトそのものを非連続にするような仕事であるからです
③マーケティングテクノロジーツールのシステム的理解:
 
<- あるべき姿やアイディアを考えたり、フィージビリティを判断できる必要があるからです

という3つの掛け算になっている点だと思います。

この辺を全て兼ね備えた状態に到達している方は、希少性が非常に高いように感じ、それが難易度の高さに拍車をかけているように映ります。

全て兼ね備えた人材の希少性を前提としつつ、上記記事のガイドラインのようなものを拠り所にしながら、より良い顧客体験を届けられるように少しずつ前進していきたいものです。

今週はこの辺で、お読みいただきありがとうございました🙇

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*MOpsについて触れている過去記事には以下などあります

📓この記事について

株式会社タイミーで執行役員CMOを務めている中川が、マーケティング関連の仕事をしている中で感じたことを綴り、コツコツと学びを積み重ねる『CMO ESSAY』というマガジンの記事の一つです。お時間あるときにご覧いただければ幸いです。オードリーのオールナイトニッポン 📻 で毎週フリートークしているのをリスペクトしている節があり、自分も週次更新をしています。
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中川 祥一|タイミー 執行役員CMO
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