ユーミン、1979年には「ら抜き言葉」を歌詞に取り入れていた
まえがき
学生の頃からバンドを始め、趣味として細切れに音楽を続けていたものの、自分もメンバーも家庭を持ち、子どももいたりして、なかなか好き勝手音楽について語る機会が減って、モヤモヤした日々を過ごしています。
なので、noteをそのような場として使っていきたいな、と思いました
『青いエアメイル』
まずはこちらをご覧(お聴き)ください。
ユーミンの『青いエアメイル』という楽曲です。
初見で私は、「エアメイル? なんかエメラルド的なキラキラしたやつ?」と無知が大暴走していましたが、
いわゆる航空郵便、海外からの郵便のことです。
青と赤の縁取りがされてるアレです。
全く縁がないため、そういう呼び方だとは知りませんでした。お恥ずかしい。
おそらく好きだった人が海外に行ってしまい、彼から届くエアメイルのたびに想いを馳せる、というストーリーです。
さておき、この『青いエアメイル』のすごいところなんですが
情景描写がすごい
ポストにエアメイルが落ちる音が聞こえて、(または届くのが見えて)
外は雨が降っていて、ポストまでは傘を差さなくてはいけないくらいの距離感。
お庭がある、それなりに良いお家に住んでいるっぽいですよね笑
傘を差さなくちゃいけないと考えると、ドラえもんの野比家や、ちびまる子ちゃんのさくら家よりは、玄関とポストの距離があるのがわかります。
心情の表現がすごい
で、待ちきれないという心情を、傘をほっぺたで抑えながら手紙を開く、という動作で表すという絶妙な感じ。美しいですよね。
そして、2番です。
一瞬、情景の話に戻りますが、冒頭の一文で、たぶんお相手は北の国に行ってしまったことがわかります。
次の一文「最後に会ったときのコートを着ていますか」
たぶん、お相手はどのコートを着ていたかなんて覚えていません。この、「たぶん覚えていないだろうな」を含んでおり、
そもそも最後に会った時のコートをしっかり記憶しているこの女性。相当強い気持ちなのだとわかります。
時代錯誤であってもあえて言うと、相手の服で話を膨らます、というのは、なかなか男性(特にこの楽曲の発表当時)では書けない歌詞なのではないかと思います。
日本語のルールにしばられないのがすごい
引き続き先ほどの2番ですが、
「声もかけれぬほど」とあります。
ら抜き言葉です。
楽曲の発表は、1979年です。
これ、結構すごくないですか?
2024年の若者の楽曲で、ら抜き言葉が出てきても、正直なんとも思いません。
が、昭和のしかも歌詞の中で「かけれぬ」という、耳馴染みの良くはないら抜き(食べれる、とか見れる、ではない)を入れちゃうところ、無秩序な姿勢が伺えます。
それに似た部分で言うと、ユーミンは昭和の時代ですでに、鼻濁音をあんまりつかっていません。(桑田佳祐さんも同様に)
「美しい日本語」ではなく、あくまで楽曲に合う言葉選びを優先しているのだと想像します。
※似た世代で言うと、山下達郎さん、大瀧詠一さんなどは、鼻濁音で綺麗な日本語の発音ですね。
平成以降でいうと、エレカシの宮本浩次さん、いきものがかりの吉岡聖恵さんは鼻濁音を使います。
まとめ ユーミンはすごい
ひとことです笑
ユーミンはすごい。
個人的な「この人すごい!」の基準の一つとして、「現代では違和感ないものを最初、またはずっと前にやってのけていること」としていまして、それが最後の「ら抜き言葉」であると思っています。
あとは相変わらず、情景描写、心理描写については群を抜いていると思います。
こんな、飲みの席で話すようなことを、気づき次第またnoteにアップしたいと思っています。
※育児ブログも書いています。
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とりから