20220414_代表的なリビング重合

リビング重合に関するPerspective論文を読みました。
今回は代表的なリビング重合について記そうと思います。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.macromol.7b01440

■Group Transfer Polymerization(GTP)
1980年代に開発された重合法。silyl enolatesによって成長末端を安定化→求核剤によってアニオンを発生→成長反応→silyl enolatesによって成長末端を安定化 によって重合を乞うんトロールする手法です。

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■Ring-Opening Metathesis Polymerization (ROMP)
開環メタセシス重合。ノルボルネンはピリジン存在下でTebbe試薬に安定なメタラサイクルを形成します。ちなみにこの系の反応の駆動力は環歪みの解放によるもの。この系は高温で重合することでノルボルネンのメタセシス重合がリビングの進行するようです。

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ちなみにTebbe試薬は塩化チタノセン(Cp2TiCl2)とトリメチルアルミニウムをトルエン中で混合させることで合成できます。

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■Nitroxide-Mediated Polymerization (NMP)
ニトロキシドは安定なフリーラジカルとして存在でき、ラジカルトラップや酸化剤として知られています。
1990年代にNMPの系は開発され、ニトロキシドがラジカル重合の成長末端に対して、結合・開裂を繰り返しドーマント種とアクティブ種を可逆的に変化させ、リビングに重合を進行させます。

■Atom-Transfer Radical Polymerization (ATRP)
アルキルハライドが鉄等の金属を触媒としてアルケンにラジカル付加反応を起こすことを1960年代に発見し、この系を90年代にリビング重合として応用しました。金属イオンと反応した末端のみがアクティブ種となるので、停止反応が抑制され、リビングとなります。

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■Reversible Addition−Fragmentation Chain Transfer
(RAFT) Polymerization
キサントゲン酸エステル、ジチオエステル、トリチオカーボネートをもちいてポリマー末端で上記化合物が置換反応的にくっついたり取れたりしながらリビングに進行する重合のことを言います。

1950年代に大津らによってチウラムを開始剤とする重合系は開発されていましたが、後の研究によってキサントゲン酸エステルがラジカル前駆体として有効であることが見い出され、その反応の機構の解明を通じて重合をリビングに進めるRAFT重合が1970年代に開発されました。

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■Organocatalytic Polymerization.
酵素反応にインスパイアを受けて近年有機触媒の開発が盛んになっています。キニーネやピロリン等を用いた有機触媒反応の開発に伴い、2000年代に入ってから有機触媒を利用したリビングが開環重合等が報告されています。

■Coordinative chain transfer polymerization (CCTP)
ATRP等でリビング重合しようとすると、製品のスペックは向上しても触媒単価が高いので解決策が求められていました。そこでCCTPという重合法が開発されました。これはCTAが末端についたポリマーがドーマント種となり、RAFT的にアクティブ種とドーマント種が入れ替わりながら重合がリビングに進行します。

■感想
RAFT、ATRP、アニオンのリビング重合は理解していたつもりでしたが、有機触媒を用いた重合や、CCTPについては理解が難しかったけど追ってし調べていきたいです。

参照

Tebbe試薬
https://www.chem-station.com/odos/2009/06/tebbe.html

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