新ビジョンは「Enabling the next frontier of [ ]」——私たちは “みなさんと一緒に” 新しいフロンティアを作っていきたい
こんにちは、oVice CEOのジョンです。
oViceは、2022年10月25日に初めてリアル会場も用いたハイブリッド型イベント「oVice Summit 2022」を開催しました。そこでは、オフライン/オンラインあわせて1,000名を超える大変多くの参加者の皆さまと一緒に、未来の働き方やハイブリッドワークについて考え、最後のクロージングキーノートでは、oViceの新しいビジョンと、今後の取り組みを発表しました。
このnoteでは、私たちのこれからについてお伝えします。それを語る上でまずお話したいのは、新しいビジョンについてです。
新しいビジョンは「Enabling the next frontier of [ ]」
最近、創業期に立てたビジョンがしっくりこないと感じるようになりました。
「自分たちのしていることを言い表せていないのではないか」、と。
oViceの構想は、私が実際にチェニジアでのロックダウンを経験したことがきっかけで生まれました。バーチャル空間にオフィスを作ろうという着想を得てから2年半の間、「世の中の物理的な制約をなくす」というビジョンのもとプロダクトを磨いてきました。
おかげさまで、2022年10月現在、ARR6億円以上、導入企業・団体数は2,300社以上、発行スペース数は35,000スペース以上、ビルの数は累計で1,000棟超、毎日oViceに出社している人は約70,000人となりました。また、oViceで障害があったときには、Twitter上で「oViceが落ちた」というコメントを見るようにもなりました。少しずつ社会インフラへと近づいていることを実感しています。
しかし、当初立てたビジョンに向かっているのは間違いないものの、なにかが違う......。
その違和感の正体は「私たちのあり方」を表現できていないことでした。
oViceは、ポストコロナ時代の新しいワークスタイルとして、ハイブリッドワークやバーチャルスペースの活用を提唱していますが、それが唯一の正解だとも思っていません。これからの働き方は、社会全体で考え、最適なものを見つけていくものだと考えています。
私たちはみなさんと一緒に考えていくために、ひとつの選択肢、フロンティアを提示する存在。そんなあり方を提示したいと思いました。
新しく作ったビジョンは「Enabling the next frontier of [ ]」です。
これからoViceは、ステークホルダーのみなさんと一緒に、新しいスタイルを作っていく会社になります。
ハイブリッドワーク=「誰もが働く場所を意識しない環境」
新ビジョンを掲げた私たちの次の一手は「ハイブリッドワーク」。
この言葉にはさまざまな定義がありますが、私は、ハイブリッドワーク=「誰もが、働く場所を意識しない環境」だと思っています。誰がどこで働いていてもパフォーマンスを発揮することができ、正当に評価される。それがハイブリッドワークの目指す姿だと思います。
なぜ、ハイブリッドワークが必要なのか。その答えは、オンラインとオフラインの働き方が、今までにないレベルで共存する社会がくるからです。
これまでは、オンラインとオフラインの比率は常にどちらかに大きく偏っていました。コロナ前まではほぼすべての人がリアルに出社、コロナの禍中ではほとんどの人がリモートワークをしていたように。
でも、これからの社会は変わってきます。出社を再開する企業が増えていて、極端な話、オンラインとオフラインの比率が5:5になっている企業もあると思います。そして、この状態が会社にとっては一番厄介です。出社している人たちは出社している人たちだけで固まって話し、テレワークしている人たちもオンライン上で固まる。情報が分断され、お互いなにをしているかわからなくなる。最悪の場合、会社がふたつに分かれてしまう可能性もあります。
経営者としては、ものすごく怖い時代です。
このことに対する世の中の解決策は、二極化しているように感じます。
完全出社に切り替え、それができない従業員は配置転換や解雇をする方針の企業と、オフィスを廃止して完全にリモートワークにする企業です。このふたつの極論は経営者にとって楽な選択肢かもしれませんが、私たちの社会にとって本当に最適な状態でしょうか。
私はそうではないと思います。
オンラインとオフラインのどちらかに寄せるのではなく、企業や従業員の状況にあわせて、バランスが取れる状態が大切だと思います。
つまり、オンラインとオフラインを、従業員が自由に選べる状況をつくるということです。
個人のデスクワークに集中して取り組みたいときにはオンラインで出社し、オフラインで出社した時には同僚とランチをしてコミュニケーションを深める。環境や状況に合わせて、オンオフの比率のバランスがとれるソリューションがあれば、「誰もが働く場所を意識しない環境」が実現できると思います。
こうした働き方は、企業と従業員の両者にメリットがあります。
企業はオフィスの賃料という重い固定費を軽減できる。全員が出社しない分、余ったスペースを開放してコラボレーションを生み出す場所にしたり、成長ステージに合わせて再度チームやプロジェクト単位で利用したり、極論、本社ビルを解約してしまう。
これは絵空事ではありません。エン・ジャパンさんはoViceを導入し、オフィスの半分以上を解約しました。そこで生まれたキャッシュフローで新規事業への投資や人材育成の強化をしています。とても参考になる戦略です。
もちろん、ハイブリッドワークは従業員にとっても良いと思います。家族と過ごせる時間が増えたり、地元に住みながら東京でやりたい仕事に就くようなことができる。移動時間もかなり減ります。準備の時間も含めると、1日2時間ほどの時間が生まれ、その時間をスキルを高める時間にもあてられる。これは将来、会社にとってもプラスに働きます。
企業と従業員、両者にとってメリットのあるハイブリッドワーク。社会に定着させるためのポイントは、オンラインでもオフラインでも従業員のパフォーマンスが変わらない状態、そして、どちらの場合でも適切な評価ができる仕組みと文化を作ることです。
それらができると、企業と従業員のどちらもが満足するハイブリッドワークが実現するはず。それを実現するソリューションを、私たちは生み出していきます。
さまざまな技術と連携した「4つのソリューション」
「誰もが働く場所を意識しない環境」を作るためのソリューションを4つ構想しています。まだまだ開発段階のものもありますが、紹介させてください。
1つ目のソリューションは「モバイルアプリ」です。働いている時、必ずしも手元にパソコンを持っているわけではありません。スマホから即座にoVice内のコミュニケーションに参加できるアプリを作りました。モバイルアプリで入室するとoVice上には私のアバターが表示され、それを介して電話をかけたときのように会話が可能です。複数人での会話もできます。
2つ目はアプリと連動できる「ビーコン」というセンサーです。これによって、リアルオフィスに出社している人がどこにいるのか、oViceのバーチャルスペース上に表示されます。複数のアバターが近くにいれば誰かと会話しているのかと想定できますし、休憩スペースに表示されればソファーで休んでいるのかと想定できる。リアルオフィスにいるそれぞれの人の現在のステータスがわかるようになります。もちろん、人を監視するためではなく、リアルとバーチャルで同じ空間を共有しているときのように偶発的な会話を促すためです。
3つ目は「窓」。oVice上にある「窓」にテレワークメンバーが近づくと、その人のアバターがオフラインにあるディスプレイ「窓」に表示され、「窓」を介してオンラインの人とオフラインの人が会話をすることができます。
会議ツールを挟まずに会話ができるので、複数の拠点を持っている企業や製造業などのパソコンを使用できない現場がある企業でも、空間同士をシームレスに繋いだコミュニケーションが可能になります。
4つ目は、オンラインとオフライン、どちらからも文字や図を書き込める「ホワイトボード」です。画面上に書いたものが、リアルタイムに双方が同期されることで、オフィスにいる人とテレワークの人で行う会議がスムーズになります。
繰り返しになりますが、これらのソリューションは正解ではなく、ひとつの選択肢です。それも、oViceだけではなく、RICOHさんやコクヨさんなど多くの企業のみなさんと一緒に開発しています。
今後もいろんな形のハイブリッドワークを試していきたいと考えていますので、良いアイデアがある方、ユーザーの皆さま目線のフィードバックがあれば、ぜひ教えてください。
技術的なソリューションでなくても構いません。ハードだけではなくソフトの部分でも、考えるべきことはたくさんあります。たとえば、ハイブリッドワークにとって最適な人事制度や、税務的にクリアしないといけない課題についてなどです。業種業界を問わず、一緒に議論しながら盛り上げていきたいと思っています。
アイデアがある方は、ぜひoViceのサイト内にあるアラインアンスフォームからご連絡ください。また、先ほど説明した機能を使ってみたい方は、弊社のカスタマーサクセスに問い合わせしていただければ、PoCへのご参加を検討します。
「oVice 3.0」へ。これからの1年の進化
新しい取り組みに加えて、oViceというプロダクトを直近でどう進化させるかもお伝えします。
次の1年は「oVice 3.0」です。
「oVice 1.0」は、チュニジアで試行錯誤しながら開発し、なんとか世の中にリリースした時期。「oVice 2.0」は、多くの方々に安心して使っていただけるようにバックエンドを強化した時期。同時接続のテストで300人が限界だったシステムが、今や1,000人でも耐えられるようになりました。
そして「oVice 3.0」は、みなさんの目に見える形でユーザー体験(UI/UX)をアップデートしていきます。きっと「これが、あのoVice?」と驚いてもらえるような変化があるはずです。来年の春頃にはリリースできると思うので、ご期待ください。
また、「データ活用」も強化していきます。oViceでは発話、接触、リアクション、移動などのさまざまなoVice内の行動データの取得が可能です。またRIZAP(ライザップ)さんと連携し、健康データを取れるようにすることも想定しています。
そうしたデータが蓄積されることで、アクティブに活動してる社員がわかったり、組織のなかのハブになっている人がわかったりする可能性があります。プライバシーに最大限考慮しながら、各種データを活用し、組織の分析、課題の発見、解決策の実行と検証ができる仕組みを作り上げていきます。
そして、もうひとつ、oVice 3.0では「メタバースの拡張」もしていきます。オフィスとして使われることが多いoViceですが、その本質は「現実世界のようなコミュニケーションができる”場”」です。オフィス以外の「場」にも付加価値を提供できると考えています。
たとえば、RIZAPさんとはバーチャルプライベートジムを作ろうとしていますし、DMMさんの「バーチャルオフィス(登記可能な住所を借りられるサービス)」と連携では、oViceのスペースリアルの住所をワンストップで借りることができる仕組みを実現しています。さらに、本質である「コミュニケーションの活性化」という視点から人々が集まる「場」としてのメタバースの拡張に取り組んでいきます。
なにか「場」を持っていて、oViceとのコラボレーションを試したいと考えていらっしゃる方は、ぜひお声かけください。新しいoViceに期待していただけたら嬉しいです。
みなさんと一緒に、新しいストーリーを生み出していきたい
最近、面白いコラボレーションが決まりました。「田村淳の大人の小学校」というオンラインサロンを運営する、田村淳さんとのコラボです。
次の企画のコンセプトは「恋愛タワー」。田村さんの「コロナ禍で出会いが減ったのを、oViceなら救えそう」というご意見をもとに話が膨らみ企画が決まりました。(詳しい内容はこちらの動画をご覧ください)
なぜ、このようにさまざまな取り組みをするのか。
それは「Enabling the next frontier of [ ]」というビジョンが、柔軟にその形を変えるからです。
現時点で主体となっているのは「work」(働く)ですが、[ ]の中は、「集い」、「学び」などの言葉も当てはまり、さらに「出会い」にもフロンティアを作れると考えています。こうして様々な場面を当てはめることによってoViceの可能性は無限大に広がっていきます。
私たちはoViceという「場」を用意し、ハイブリッドワークというフロンティアを見せていく。その「場」が刺激となり、みなさんが思い思いに、oViceを使った新しいストーリーを生み出していく。それこそが私たちの望みです。
この1年は、新たなストーリーを発掘し、広げていくことにフォーカスします。来年からはoViceの活用事例だけではなく、みなさんの人生や仕事に起きた変化の物語を集めて共有していきたいと考えています。
なにかしら一緒にやりたいと思ってくださった方は、ぜひアライアンスフォームからご連絡ください。これからもoViceをよろしくお願いします。