白か黒か
二項対立思考を抑制し時間軸を意識することで、スピード感のある成長を実現する方法
この記事は何
二項対立思考の問題点と、それを克服するためのアプローチを解説する記事です。特に採用プロセスを例に挙げ、グレーゾーンの重要性や時間軸の考慮が組織の成長にどう影響するかを説明しています。
誰に届いて欲しいか
企業の人事担当者や採用に関わる方々
組織のカルチャー形成に携わるリーダーや経営者
二項対立的な思考に疑問を感じている方
より柔軟で効果的な意思決定方法を模索している方
読者のどんな悩みを解決したいか
採用基準が厳しすぎて、適切な人材を見逃している悩み
組織のカルチャーが硬直化し、イノベーションが起きにくくなっている問題
短期的な成果を求めるあまり、長期的な成長戦略が立てられない課題
二項対立的な思考に縛られ、柔軟な判断ができない悩み
なぜ公開するのか
二項対立思考の限界を認識し、より柔軟な思考方法の重要性を広めるため
組織の成長と多様性を両立させる方法について、新たな視点を提供するため
採用や組織文化の形成に関する一般的な誤解を解き、より効果的なアプローチを共有するため
時間軸を考慮した戦略立案の重要性を伝え、企業の持続的成長を支援するため
二項対立の思考とは
以下、LLMで二項対立の思考とは何かをアウトプットしたものです。
ここでいうグレーゾーンの認識が重要な点です。
例えば、採用の例における二項対立思考の事例を以下で挙げます。
カルチャーフィット?
採用の現場で良く聞く言葉ですが、私は単純化するために「カルチャーフィットは採用で必要ない」という極論を良く言いますが、これはカルチャーフィットを二項対立思考で捉えている人・企業に向けてです。二項対立視点だと、カルチャーフィットしない人=カルチャーアンフィットな人となるのですが、実際はグレーゾーンが存在します。
上記は、概念を簡略化していますが、右図は実際はグラデーションです。採用においては当然、事前に定義された必要な能力を保有しているかとカルチャーフィット的なもので判断しますが(実際はもっと多くの要件定義して採用基準作ると思いますが、今回はあくまで言語化するためにシンプルに記載しています)、二項対立思考で採用を行うと、フィット領域に存在する&能力を満たしている人のみしか採用できません。二項対立ではなく濃度で思考するケースにおいては、まずグラデーションの中で、①と②のバーを一定言語化(基準を作る)ことになります。このグレーゾーンに存在する人は、現時点では完全なカルチャーフィットをしているわけではない(もしくは分からない)が、「一緒に働くことでフィット側に寄っていく可能性がある人」もしくは「どこまでフィット側に寄れるか分からないがカルチャーに対して悪影響のない誠実な人」&能力を満たしている人まで採用することが可能です。
二項対立思考で採用をするよりも、より多様なCapabilityを獲得でき事業のグロースにスピード感が出ますし、カルチャーの変化にも強い組織を結果として作ることができます。ここに後半で記載する時間軸概念を組み合わせることでカルチャーの濃度を上げていくことができます。
ここで少し脱線して「カルチャー」に関してよくある勘違いを。
カルチャーダイエット
いろんな企業のお話を聞いていると、「カルチャーが肥大化してるな」と感じることがあります。カルチャーはそもそも変化するものという前提で、長期でコアになる普遍的な部分と、変化する部分を明確に分ける必要があります。コアになる部分の周辺に可変な部分が被さり、その瞬間の「カルチャーっぽいもの」が構築されています。この可変の部分は、様々な解釈が積み重なり、肥大化していきます。この肥大化した「カルチャーっぽいもの」を採用基準のカルチャーフィットに適用すると、より混沌とした状況が生まれます。なので、定期的にカルチャーダイエットを行うことで、この肥大化による誤解釈や贅肉を含めたカルチャーを採用で利用する事によるダメージを減らすことができます。
時間軸と実行難易度の話
過去、戦略の話をいくつかnoteに記載しましたが、近い概念の話です。
こちらで記載されている以下の概念を引用して説明します。
この時間軸設定を意識することで、現時点の行動を定義することができます。目標とするものが一緒である際に、そこに行き着く時間軸を、、、
長く設定すれば、実行難易度が下がる
短く設定すれば、実行難易度が上がる
シンプルにはこの概念を上手く利用する事が重要です。前述の採用におけるカルチャーフィットの件もそうですが、
今すぐにカルチャーを体現している組織を作りたい
3年後には、一定のレベルでカルチャーを体現している組織を作りたい
どちらのスタンスに立つかで、①寄りのバーで進めるのか、②寄りのバーで進めるのかが決まります。当然、時間軸を意識し②寄りのバーで初期は進めながら、採用力の向上に伴って①に寄せていくようなアプローチが、難易度が下がり効率的で、成長に必要なCapabilityの調達も成功確率が上がります。
今回のnoteは採用を事例として記載しましたが、あらゆる場面で、「二項対立思考」「時間軸の意識」が悪影響し、無意識に実行難易度を上げているケースが多く存在するので注意する必要があります。
採用に関して、グロービスの小野さんの書籍が超おすすめです。近い概念のことも記載されていますし、それ以上に採用に関わる方には必読な内容だらけです。