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マルセル・デュシャン&ピエール・カバンヌ 『デュシャンは語る』

『デュシャンは語る』 著者:マルセル・デュシャン&ピエール・カバンヌ 発行:ちくま学芸文庫  1999年 マルセル・デュシャン(Marcel Duchamp, 1887-1968 年) 現代アートの父と呼ばれる人である。  1913年、ニューヨークのアーモリー・ショーに出品された『階段を降りる裸体』が話題騒然となったとき、人々はデュシャンについては何もわからなかった。1916年に便器をさかさまにして《泉》と名付け、R・ムットの署名をつけて出品したときも、だれもデュシャンを

    • 【書評】 中井久夫 「私の日本語雑記」

      「私の日本語雑記」 著者:中井久夫 出版社:岩波書店 発行:2010年  著者は精神科医の中井久夫である。精神科医として、統合失調症の寛解過程理論、風景構成法の考案、その業績は枚挙にいとまが無い。一流の精神科医でありながら、現代ギリシャ詩の頂点であるカヴァフィスの全訳を行い、フランスの詩人ポール・ヴァレリー の詩集『若きパルク・魅惑』まで訳す翻訳家でもある。さらに、本書のような一般読者に向けたエッセイでは、その教養の深さから様々なテーマの問題を取り上げ読者を知恵の森に引き込

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