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1年間メディアを運営してわかった取材記事のコツと苦悩

この度、静岡みんなの広報は読者の皆様に支えられて一周年を迎えました。

今回は一周年記念としまして、読者であるお二方から逆インタビューを受け、取材の様子や記事ができるまでのこと、メディアが生まれた経緯など、普段は表に出さない部分を語らせていただきました。

山﨑さん(メインインタビュアー)
静岡マーケティングサロン代表。「ザキヤマさん」の愛称で知られる、静岡でマーケティングの楽しさを発信する業界の第一人者。

肥田さん(インタビューサポート)
静岡の街中にある老舗のカメラ屋、杉山写真材料店の中の人。Twitterを活用し、静岡の横のつながりを増やしている。

ご挨拶

山﨑さん:
本日はお時間いただきありがとうございます。今回は一周年特別企画として、読者である私たちが静岡みんなの広報をつくられている方々に逆インタビューしてしまおうと! 

メディアの裏側だったり、大変なこと、わざわざ自分たちで言うと気恥ずかしいけど、「こんな想いでメディアをやっているよ」みたいなところを深掘りしていければと思います。

静岡みんなの広報一同:
よろしくお願いします。

肥田さん:
静岡みんなの広報さんの記事って、拡散させたくなる“何か”があるんですよね。この記事はあの人に刺さりそうだとか、悩みを解決できそうだって思いながらいつもSNSで拡散させてもらっています……すみません、フライングで私の想いを語ってしまいました。

茜:
いつも読んでくださってありがとうございます!

山﨑さん:
肥田さんの想いを語らせたらそれだけで一本の記事になってしまいそうですね(笑)。何はともあれ、まずは自己紹介からお願いします!

静岡みんなの広報中の人紹介

茜:
静岡みんなの広報ではメインインタビュアーを担当しています、茜さんです。インタビュー内容や構成を考えたりしながら、当日はメインインタビュアーとしてお話を引き出したりしています。肩書きは一応「広報」です。

山﨑さん:
以前、広報の記事にも登場していましたよね。「茜さん」というのは広報の人格でもあるという認識で大丈夫ですか?

茜:
はい、大丈夫です。気軽に「茜さん」と呼んでいただければ嬉しいです!

▼座談会の記事はこちら▼

河原崎:
うちの会社の切り込み隊長です。取材依頼もガツガツしてくれるのでとても助かっています。

蓬生:
主にライティングを担当させていただいてます、蓬生(ほうしょう)です。インタビューにも同行させてもらって補足の質問をしたり、写真撮影をしたりもしていますが、メインは記事の執筆です。ちなみに、肩書きは「メディアディレクター兼マジシャン」となっています。

河原崎:
蓬生さんの本職はマジシャンなんですよね。紆余曲折あって、マジシャンの仕事をしている傍らでライティングやメディアの編集をしてもらっています。

肥田さん:
マジシャンでありライターでもある方なんて、会うのは初めてです!

河原崎:
僕も「メディアディレクター兼マジシャン」なんて名刺を発注したのは初めてでした(笑)

あらためて僕の自己紹介をさせていただきますと、マーケティング支援やWEB制作などでお客様の抱える問題を解決していく、株式会社LEAPH代表の河原崎と申します。静岡みんなの広報を立ち上げたのも僕ですが、メディアに関しては二人がほとんどやってくれるので、当日の役割といえばボイスレコーダーの貸出くらいです(笑)

山﨑さん:
ありがとうございます。それでは早速、最初の話題にいきましょう!

静岡みんなの広報ってどんなメディア?

山﨑さん:
静岡みんなの広報とはどんなメディアなのか。もし、まだ静岡みんなの広報を知らないよっていう方に伝えるとしたら、どのように説明しますか?

茜:
静岡みんなの広報とは、静岡県にある素敵な企業の素敵な取り組みを取り上げるメディアです。とくに経営者の方にお話を伺って、“どんな想いで”事業をやっているかを知ってもらうきっかけづくりをしています。

就職活動している学生だったり、転職で静岡の企業考えてるよっていう人に読んでもらって、「静岡にこんな素敵な企業があったんだな」を誘発し、「静岡、いいじゃん」と思ってもらうために発信をしています。

山﨑さん:
静岡で仕事を探している方」というのが一つのターゲットだったんですね。メディアとしては、どちらかといえば会社の取り組みより「人」にフォーカスしてる感じですか?

茜:
そうですね。人の想いというか、「なぜそれをやっているのか」ってところはちゃんと届けようと思っています。

会社に属するその人が、「何をしているか」っていうところはもちろん取り上げていますが、会社の説明で終わるのではなく、会社を通して経営者の方や従業員の方々が社会にどんな影響を与えていきたいかをメインで取り上げています。

河原崎:
今まで僕たちもインターンとして静岡県内の大学生を迎え入れていたんですが、その学生さんたちがいざ就職するぞってなるとみんな「東京に行きます!」となってしまう。

もちろんそれ自体は悪いことではないですが、理由を聞くと、「やってみたい仕事や会社が静岡にないんです」みたいな話を聞くことが多いんですね。いやいやいや、そんなことはないぞって。静岡には多種多様な業界があって、すごく魅力的な企業もたくさんあるんだぞって。

ただ単にその情報が届いていないだけなんじゃないか」という課題意識が静岡みんなの広報の根底にあります。

▼詳しくはこちらの記事をご覧ください▼

メディア誕生秘話

山﨑さん:
静岡みんなの広報がどうやって生まれたのかお聞きしたいです。これは生みの親である河原崎さんにお願いします。

河原崎:
「課題意識」があったことに対して、それを解決できる「組織の強み」が重なったから、という言い方ができますね。

どういうことかといえば、先ほど申し上げたように「素敵な企業の素敵な取り組みの情報が届いていない」という課題意識がまずありました。そこに、今、静岡みんなの広報の軸となっている二人との出会いがあり、その課題を解決できる「組織の強み」が生まれたからなんですね。

蓬生さんとはアートマネジメントを学ぶ集会でたまたま一緒になって、「お手伝いできることがあったら」みたいな感じで言ってくれたので、じゃあ、と。蓬生さんは読書家で、文章もよく書いているとのことだったので、当時発行していたシニア向けフリーペーパー『コレカラ』のお手伝いをしてもらったりしていました。

ちょうど同じタイミングで茜さんから「仕事を探している」という相談を受けました。

茜さんとも数年来の知り合いだったのですが、彼女は人の懐に入るのがすごく上手なんですね。聞き上手の営業職で、とにかく人に好かれる性格だったので、「彼女みたいな人がうちの営業になってくれたら会社が成長するんじゃないかな」と密かに思っていました。

なので相談を受けた時、「これは……!」と思いながらLEAPHの営業職に勧誘しました。ところが、よくよく話を聞いてみると営業以外の仕事もやってみたいとのことだったので、「じゃあ、広報でどうだ!」と入社が決まりました(笑)

こうして二人がLEAPHに関わってくれるようになって、蓬生さんのライティング力と茜さんの懐に入る力を活かせる場はないかと考えていた時に、「静岡みんなの広報」の構想が浮かんできたというわけです。

第一弾の記事の反響は?

山﨑さん:
最初のインタビュー先が江﨑社長だったのにも意味はあるんですか?

河原崎:
最初の取材先は静岡にしっかり根付いている企業にしたかったというのもあります。江﨑グループさんは、ちょうど同じタイミングでARTIEをオープンしたこともあって、取材先としてベストだと思ったんです。

ブランディングとはまでは言いませんが、やっぱりメディアとして続けていくのであれば、一発目の記事は方向性を決めるわけですし。それに続いてインタビューを受けてくださる企業さんも、「あの江﨑さんが受けたのなら!」と取材を受けてくれやすくなるんじゃないかという狙いもありました。

▼第一弾のインタビュー記事はこちら▼

山﨑さん:
なるほど、やはり理由があったんですね。ちなみに最初の記事の反響ってどんな感じでしたか?

茜:
ありがたいことに非常に好評で、よいスタートを切ることができました。読者の方からも「あの記事よかったよね」と折につけコメントをいただきます。

Twitterで拡散された反響の一部

肥田さん:
私からしたら最初の記事のインパクトたるや。ちょうど誰かがTwitterで拡散していて、なにげなく読んだらめちゃくちゃいいことを言っているじゃないですか。これからどんな人が登場するんだろうってワクワクしていました。その期待を裏切らず、一年経った今も、素敵なインタビューが続いていますね。

茜:
ありがとうございます。やはり、お会いする方々から「いい記事だったよ」と声をかけていただけるのは嬉しいですね。

仕事の関係でお会いした方から感想をいただけるのも嬉しいのですが、先日も静鉄の記事に対する感想をSNSで書いてくださっている方を発見して、トキメキに近い感情が沸きました。私たちの記事がちゃんと届いているんだなって。

▼読者の方が書いてくださった記事はこちら▼

取材のコツは「フラットな気持ち」

山﨑さん:
スタートダッシュであのクオリティを出せるのは驚きですね。今までにもインタビュー記事を書いてきたことはあるんですか?

茜:
いえ、私は前職が営業でしたから。営業の基礎はインタビューとも言いますけど、記事の取材となると初めての経験でした。

蓬生:
僕も趣味で文章を書くことや、ちょっとしたエッセイ記事は書いたことはありましたが、インタビュー記事のようなパブリックな文章を書くのは初めてでしたね。

河原崎:
せっかくなのでいいメディアにしたいじゃないですか。なので、僕の知人であるNewsPicksの編集者(現・編集長)の中島洋一さんにお願いして勉強会を開いていただきました。中島さんは名だたる著名人にインタビューをされてきたすごい方なんです。そんな方から、インタビュー時の姿勢から記事の構成に至るまで、数回に分けて基礎を叩き込んでもらいました。

山﨑さん:
でも、ちょっと勉強会をやったくらいでは、あんな大勢に響く記事にはならないですよね。取材する上でのコツや記事を書く上での秘訣みたいなものはあるんですか?

茜:
そうですね……。コツとまではいきませんが、フラットな気持ちで取材しているのがいいのかもしれないと、最近になって思い始めました。

山﨑さん:
「フラットな気持ち」といいますと?

茜:
メディアの目的って「静岡の魅力に気づいてもらうこと」じゃないですか。つまり静岡の魅力を“知らない人”がターゲットなんですよね。私自身、この仕事をするまでは静岡の企業のことをほとんど知りませんでした。しかし、取材させていただいているのはどこも素敵な会社さんたちばかりです。

'Ulalena(ウラレナ)を経営している合志さんもおっしゃっていましたが、みんな気づいていないだけで静岡って本当にいいまちなんですよね。私もこの取材の仕事を通して、どんどん静岡が好きになっていきます。そんなふうに知らなかったからこそ、読者と近い視線でインタビューができているんじゃないかと思っています。

▼三保(静岡市清水区の観光名所)を愛する合志さんの記事はこちら▼

蓬生:
僕も茜さんと同じです。静岡にこれといった愛着がありませんでした。ただ、茜さんも言っているように、インタビューさせていただいた会社さんはどこも魅力的なんです。「どうして今まで教えてくれなかったんだ!」と、怒りにも似た感情を覚えます(笑)。「だったら僕らがやってやる」みたいな使命感を、今は感じています。

河原崎:
なんか嬉しいですね。茜さんと蓬生さんから、そんな言葉が聞けるとは思っていませんでした。

インタビュアーの苦悩

山﨑さん:
インタビューをする際の工夫やコツ、苦悩といったものはありますか?

茜:
工夫とまではいかないかもしれませんが、話しやすい空気づくりは意識しています。イメージはカフェで雑談している雰囲気ですね。

山﨑さん:
「カフェで雑談している雰囲気」ですか。

茜:
ええ。というのも、「企業の社長」という立場でインタビューを受けると、どんな事業をしているかとか、どんな経営方針なのかといった、ビジネスライクな話が中心になってしまいます。

もちろん、「どんなことをやっているか」は大切ですが、それ以上に私たちのメディアは「なんのためにやっているのか」に焦点を当てています。あまり表に出ることのない地元への愛や想いといった、外向きに繕っていない表情を引き出したいと考えています。

山﨑さん:
本音はリラックスしている時ほど出やすいですからね。そのようなリラックスできる雰囲気をつくるための訓練などはされていますか?

茜:
私は大学時代、心理学を専攻していました。授業でコミュニケーショントレーニングの基礎を学んでいたので、傾聴する姿勢などは自然と活かせているのかもしれません。一番大切なのは、その人にちゃんと向き合うということでしょうか。相手の表情やリアクションをよく見るとか。

肥田さん:
相手が楽しそうに話していたら盛り上げて、相手が話しづらそうにしていたら話題を変えるとかですね。

茜:
そうです。会社の歴史とかうまくいかなった頃の話のように、相手の方が神妙な面持ちでお話しされている際は、寄り添う感じにテンションを調節するとかですね。もともと話を聞くのは好きなので、自然とやっている部分もあるかもしれません。

「苦悩」というところでは、インタビューそのものも大変なのですが、取材をする前の段階、企業へのアポイントメントが一番気を遣います。大変と言うか、プレッシャーと言うか(笑)

河原崎:
初めは僕の人脈を辿って取材を依頼していましたが、最近はもっぱら茜さん頼りです。本当に助かっています。とはいっても、僕だってそこまで強制してないんですよ。シャフトさんも静岡鉄道さんも、茜さんが率先して依頼をしてくれました。

山﨑さん:
それはすごい! どのようにインタビューを申し込んだんですか?

茜:
静岡鉄道さんはCO2削減に関するセミナーを、シャフトさんは移住に関するセミナーをされていて、そこでアプローチするチャンスがあったので、「これは!」と思わず取材を申し込んでしまいました。

肥田さん:
お二人ともなかなか会うことのできないすごい方ですよね。緊張しませんでしたか? 

茜:
営業をやっていた頃の名残なのか、アポが取れそうになるとアドレナリンが出て緊張しないんですよ。ただ、取材を申し込んで了承いただいた後に、「うわー、すごい方に取材をお願いしちゃった」と恐ろしくなって、当日、ガチガチに緊張しちゃうこともあります(笑)

▼シャフトさんの記事はこちら▼

山﨑さん:
取材を申し込んで断られたことってあるんですか?

茜:
じつはあります……。ただ、その会社さんがインタビュー慣れしていたこともあって、私たちがあらためてインタビューをする目的を提示できなかったのが原因です。申し込んだのもまだまだメディアを始めたばかりの頃だったので、「うちのメディアに出るのはなぜ?」というところを詰めきれていませんでした。そういう意味でのミスマッチでした。

肥田さん:
そんな苦労もあったんですね。

ライターの葛藤

山﨑さん:
蓬生さんは記事を書く上で大変なことはありますか?

蓬生:
ライティングではあまり大変と感じることはありません。どの社長さんも熱い想いを持っていらっしゃる方ばかりなので、僕がやるのは情報の選別くらいです。

ただ、やっぱり話し言葉と書き言葉って全然違って、喋っていた言葉をそのまま文字にすればいいというわけではありません。取材の現場で話を聞いた瞬間は感動しても、文字にしたら平べったい言葉になってしまうこともよくあります。調整しては悩んで、調節しては悩んで——を繰り返しています。

肥田さん:
読者に生の声を届けるために苦労されているんですね。

蓬生:
自分では「上出来!」と思っても、茜さんと河原崎さんに読んでもらうと穴が見つかることも多々あります。たとえば、「県外の方には伝わらないから補足しよう」とか「ここはインパクトがあるから頭に持ってこよう」とか、細かい調整は何度もします。

河原崎:
説明が多すぎるから修正しよう」はよくありますよね。わかりやすいところですと蒲原のトライアルサウンディングの話とか。取り組みとして非常におもしろいのですが、耳慣れない言葉なので説明が必要ですよね。ただ、説明ばかりだと読者は飽きてしまいますし、栗山社長がやっていることの本質はそこではありません。

▼構成に悩んだトライアルサウンディングの記事はこちら▼

蓬生:
「これから蒲原、一気に変わるから」と言われたら、読者は「じゃあどんなふうに変わるの?」を知りたくて記事を読んでくれるはずです。なので、なるべく早めに答えを出してあげたい。

ただ、最初から説明だと無機質に見えてしまうので、個人的なエピソードを少し挟んで人間味を出して……みたいなことをやっています。いくらコンテンツがよくても、全体のバランスを見誤ると退屈な記事になってしまいますから。

山﨑さん:
まさに編集の力が試される場所ですね。

河原崎:
記事を重ねるうちにちょっとずつコツを掴んでいったりします。サムネもちょうど、栗山社長のところで変えたの、気づきました?

左が変更前 右が変更後

肥田さん:
……あ、〈前編〉〈後編〉の文字がなくなっていますね

河原崎:
そうなんです。小説の下巻から読もうとする人がいないように、後編から読もうと思う方は少ないですよね。この〈前編〉〈後編〉をつけることで、タイトルやサムネが気になって読んでくれる方の意欲を削いでしまうかもしれないということで、表記をやめました。

蓬生:
その分、どこからでもおもしろく読めるような記事構成を心がけています。記事を2つ3つに分けるとしたら、事業や採用、社長の想いなんかのカテゴリに分けつつ、だいたい同じような分量になるように調節し、かつ冒頭は引き込まれるエピソードを持ってきたりとか。

河原崎:
他にも細かいこだわりを話したらキリがないですよ!

山﨑さん:
それは逆インビュー第2弾、第3弾でお願いします(笑)

インタビューこぼれ話

河原崎:
基本的にどの話を入れてどの話を入れないかは蓬生さんが選んでくれているんですが、二人で話し合って、しかたなくカットするエピソードなんかもありますね。

蓬生:
そうですね。たとえば、話を聞いている分にはおもしろい話だけど、文字にしてみたら雰囲気が伝わらなかったりとか。これは完全に僕の実力不足です。すみません。あとは情報が多くなり過ぎてしまって、泣く泣くカットすることもよくあります。

茜:
みなさん、すごく想いがある方々ばかりなので、記事から溢れてしまうエピソードもたくさんあります。

山﨑さん:
溢れてしまったエピソードで、「できればカットしたくなかったな」と思える話はありますか?

肥田さん:
おお、私も聞きたいです!

茜:
そうですね、最近だと静岡鉄道の川井社長がしてくださった「先義後利」のお話とか、私はすごく好きでした。

先義後利というのは中国儒学の祖、荀子(ジュンシ)の言葉です。「義」は人として当然あるべき道の意味で、「利」は利益のこと。つまり、まず誰が見ても義のあること、正しいことをまずやって、世間から認められてから利益を得る。これを繰り返していくとその社会は繁栄するという思想で、「会社の文化とマッチするところがあるんだよね」と川井社長がおっしゃっていました。個人的にすごくジーンときたんですけど……。

蓬生:
僕も残したかったのですが、全体のバランスを見てカットしました。同じように、溢れてしまったエピソードもたくさんあります。また機会があればどこかでお話ししたいですね。

▼いいお話の溢れてしまっている静岡鉄道の記事はこちら▼

見えてきた課題

山﨑さん:
メディアをやっているうちに感じた課題みたいなものはありますか?

茜:
会社の情報が圧倒的に回っていないと感じました。私たちが取材に行った会社さんは、どこも素敵な取り組みをしていたり、熱い想いを持っているところばかりでした。ただ、記事を読んでくださった方々は「そんな想いで事業をしているなんてしらなかった」と口を揃えておっしゃいます。

肥田さん:
たしかに、静鉄の交通インフラに込められた想いも、これまで意識したことがありませんでした。バスが来て当たり前、運賃が安くて当たり前になってしまっている。こういった想いが市民やユーザーに届いていないのは、静岡のネックになっているところもあるのかもしれませんね。

蓬生:
平出章商店さんのレモンケーキも、誕生の理由を知らなければ「ただの美味しいレモンケーキ」で終わってしまいます。サービスの裏に隠された想いに共感する人々が増えれば、もっとまちが良くなるはずです。

▼美味しい“だけではない”レモンケーキの記事はこちら▼

肥田さん:
たとえば行政に「静岡の一番の課題は?」と問えばたぶん、人口流出や高齢化といった答えが返ってくると思うんです。でも、元を正せば、移住したくなる「きっかけ」が伝わっていないと言えます。つまり、静岡の魅力が県外の人たちに伝わっていないんですよね。

蓬生:
そうですよね。僕が最近読んだ熱海の奇跡という本にも、同じような課題が書かれていました。ここには熱海の経済がV字回復するまでが描かれていたのですが、復興の立役者である市来氏も「魅力が観光客に正しく伝わっていないから人が来ないのでは?」と考えました。

そこで最初に何をしたかっていうと、まず熱海に住む人たちに自分たちの町の良いところをちゃんと知ってもらうことから始めたそうなんです。中にいる人たちがいいところを知らないのに、外の人に伝わるわけがないということですね。

静岡の企業も同じで、県外からの移住を促進するにしても、まずは静岡に住む人たちが静岡の良い企業を知らないことには始まらないんじゃないかって、僕は思っています。

肥田さん:
その通りだと思います。まずは静岡の中にいる人たちに知ってもらう。話はそれからだ、と。

予告

山﨑さん:
静岡みんなの広報の今後の動向からも目が離せませんね!

河原崎:
こうやってみんなで振り返ることがあまりなかったので、良い機会になりました。

肥田さん:
今日お話しいただいたことを知って読むと、一つひとつの記事も印象が違って見えるかも。過去の記事も読み返してみようかな。

山﨑さん:
最後に、これからどんな企業が登場するのか、お話しできる範囲で予告していただければ嬉しいです。

茜:
お知らせできる範囲ですと、二代目板金屋の山崎製作所さん、静岡への移住・転職をサポートするTurnXさん、プロラグビーチームの静岡ブルーレヴズさんは取材済みですので記事公開まで楽しみにしていてください。

また、静岡のものづくりに注目したイベント「しずおかファクトリー博覧会(通称:ファクハク)」に関連する企業へのインタビューもしていきますので、今後の展開にもご注目いただければと思います。

▼ファクハクの記事はこちら▼

山﨑さん:
本日はありがとうございました!

静岡みんなの広報一同:
ありがとうございました!


▼一周年を記念してPVを作成しました。よろしければご覧ください!▼

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