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就活と人生と繋がりの話 就活合宿2021を開いて
はじめに
こんにちは、静岡大学の佐々木です。今回は、静岡県島田市で実施した「就活合宿2021 in Shizuoka」の話をしたいと思います。
遡ること2年前、大学一年生の年明け頃の話からです。前回の記事でお話させていただいた木下さんに「佐々木をお使いに行かせようと思う」と渡された切符に「静岡→熊本」と書かれていたのを見て驚愕したことからこの話は始まります。久しぶりにスーツに身を包んだ僕は、木下さんのご厚意で人生初のグリーン車にワクワクしながら5時間ほどの新幹線旅に出かけました。
熊本就活合宿
その度の目的は熊本で開かれる「Colors熊本就活合宿」というイベントに参加することでした。「就活合宿?」「エントリーシート、グループディスカッション?」当時の僕は、2年後に迫った話でありながら想像すらつかない単語の羅列に申し込みの時点から圧倒されていたのを思い出します。正直当時は自分が行く訳すら理解していませんでした。
熊本について電車とバスに揺られること1時間半、ついた先に待ち受けていたのは「豊能少年自然の家」という施設に集まった50人ほどの就活生。当時の僕からしたら2年先輩の方々です。ちなみに僕は熊本大学3年生と身分を偽るように木下さんに言われ、静岡から来たスパイのように参加していました。
二日間のプログラムの中では、木下さんの講義に始まり、SPIのトレーニングやグループディスカッション対策、面接対策など全くの未知の世界が広がっていました。中でも僕が度肝を抜かれ感銘を受けたのは、夜10時頃から始まる「ES添削」でした。Colorsという就活合宿を開いている学生団体には、歴代の先輩方がメンターという立場で合宿に参加しています。事前課題として出していた僕のエントリーシートもメンターのお二人に見ていただきました。参加している就活生は自分の人生と向き合い直し、ときに涙を流しながら仲間とともにエントリーシート一字一句人生を刻んでいました。
「そんなになんで熱くなれるの?」自分の人生と向き合う就活生、就活生に真正面から向かい合うメンターの方々。静岡では経験したことのない熱量がそこにはありました。メンターの方々に僕もES添削をしていただいた中で、その熱量に心が折れ、木下さんから隠し通すように言われていた一年生という本当の身分をメンターのお二人にバラし、「すげえやつが熊本にきた!(笑)」とびっくりされた夜中2時頃の空気感は未だに忘れられません…。(笑)
なぜ熊本の人たちがそんなに熱くなれるのか。そこには「人との繋がりの本質」があると思います。自分の人生と向き合い、ともに助け合い、まだ見ぬ未来に突き進んで行く…。それはメンターの方々が口を揃えて言っていた「俺もやってもらってたからさ、恩返ししたくて。」に象徴されるかと思います。サラッと言う姿が当時の自分にはヒーローのようにカッコ良く見えました。
一年生の僕は、自分の人生を熱く振り返るどころか、そんなことが仲間とできる自分自身がまだいませんでした。憧れにも似た空気感に圧倒され、僕は熊本から静岡に戻ってきました。当時、影響を受けてアツいものが心に宿った僕は、なにか発信する場がないかと静岡新聞に投稿をしました。当時の記事を見るたびに、熊本の経験が鮮明に脳裏に思い浮かびます。
2年前の記事ですが、今も時々思い出したように読み返しては、あの日のことを思い出しています。
静岡で開くまで
「いつかこんなことを静岡でやってごらん。」木下さんにそう言って頂いていたものの、正直なところ最初は逃げていました。一人で物事に取り組む方が楽だ、仲間と何かに取り組むのはめんどくさいし大変だし…。ネガティブな思いだけが溜まってく一方で、憧れに似たフラストレーションのようなものがたまり、一人で何かを達成するごとに空虚な気持ちがどこかにあったように思います。そんな中で僕なりに仲間と頑張ってみようと決意し、「学生歌プロジェクト」に取り組みました。
静岡大学の学生歌ミュージックビデオを作ったら人生が変わった話|Yuki Sasaki SHIZUOKA UNIVERSITY #note https://note.com/shizuniv_yuki/n/n7d87bd4dbb66
出会いと仲間のパワーを信じた僕は、木下さんの「静岡就職合宿はまだですか?」というメッセージをきっかけに、静岡で就職合宿を開くことを決意しました。
二人の仲間
今回の合宿は、僕を含め3人のチームで一ヶ月かけて企画を進めました。僕以外の二人とは同じ学部というだけでなく、学生歌企画で関わりがあり、今回の合宿も自然な流れで快諾してくれました。一人目の伊藤くんはクールで冷静、だけど中身は人一倍アツいものがあって一切妥協しない人。もう一人の吉田さんは物腰柔らかくても向上心と粘り強さがあって、伊藤くんと僕の間でときにムードメーカーを、ときに一番頑張る姿と明るさを見せてくれる人。自然な流れで集まったものの、個人的には合宿を終えた今このチームは最高の3人であり、この3人以外いなかったんだろうなと思います。
企画を進める中で
2020年1月の半ば頃にこの企画はスタートしました。とはいうものの、就活本格解禁と言われる3月までは約一ヶ月半、のんびりと企画している暇は一切ありませんでした。二人とはそれぞれ忙しい時間を縫って大学図書館や学内ショップ銀杏のラウンジ、学食などで会議を重ねました。最初に決めたテーマは「知ろう、認めよう、繋げよう。」でした。まずは自分自身の本質を知ろう。そして挑んでいく相手を知ろう。自分の弱さを認めよう。相手と認め合おう。そして過去を未来に、新たな人間関係に繋げよう。そんなテーマを掲げてこの合宿はスタートしました。
まず3人で食事に行ってお酒を飲みながら話したのは、この合宿を開くにあたり、3人それぞれが何かを克服して進化しようということでした。3人は強みがあるけど、弱みもある。助け合い補いながらもそれぞれが弱みを克服して、理想とする姿に一歩近づこう、そう決めました。
僕の課題は「自分の軸をしっかり決められるようになりながらも、人が出してくれた意見を尊重する姿勢を身につける」でした。人の話をいい加減に流してしまう癖があったので、自分自身の軸はしっかり持ちつつも、相手の意見に傾聴し、自分自身のために役立てられるコミュニケーションをとる。そう決めて合宿への一ヶ月をスタートさせました。
合宿の中身は熊本の日程やノウハウを活かして行きました。しかし、気をつけたのは、それぞれのプログラムが「なんのために実施されるのか」ということです。例えばES課題をお互いに添削する時間は、「相手を助け、自分も助けられる経験から繋がりを強くする」といったように目的をはっきりさせながら企画を詰めていきました。木下さんにも来ていただくことが決まり、常にアドバイスをいただきながら一歩一歩3人で進んでいきました。
この出会いは…
木下さんと企画について電話をさせていただく中で、「この企画のメンバーって、この企画がなければここまで繋がってなかったですよね」という話になり、僕は自分の本質を垣間見た気がしました。故郷の下田、水泳、海外旅行や英語、静岡大学、人文社会科学部、学生歌、熊本合宿、静岡就活合宿、すべての出会いが今の自分に直結していることを強く感じました。これからはそんな出会いに感謝しながら進んでいこう…。そう決めました。
ついに開催へ
情勢も懸念しマスクや消毒液、検温など準備の厳戒態勢の上で合宿を開催することを決め、ついに開催に向かいました。参加を決めてくれた4人のメンバーとともに7人と木下さんで島田市にある「島田市野外活動センター 山の家」に向かいました。参加を決めてくれた4人、何度も電話で打ち合わせに対応してくれた山の家さんには心から感謝しています。
二日間を通して
最初はメンバーみんな不安そうな顔をしていましたが、ES添削や木下さんのお話を聞いてディスカッションなどを重ねるうちに、目の色と後ろ姿の雰囲気が変わっていくのを感じました。特に熊本の再現をしたかった夜のES添削タイムでは、「俺って実は…」や、「私もしかしたら○○なのかも…」という本質につながる光をメンバーが見出している姿をみて、熊本で自分が圧倒された雰囲気が目の前で広がっていることにとても感動しました。
二日目の集団面接形式の自己PR発表のなかで、木下さんのアドバイスと皆からの温かいサポートの空気の中、一人ひとりが自分自身の本質を話していく姿は、就活に役立つだけでなくきっとこの先メンバーの心の中に残り続けるんだろうなと確信しました。そんな場所をともに作ってくれた二人への感謝も溢れるほどに感じました。
二日目には木下さんから新しく中原さんという講師の方をお招きし、新たな視点からアドバイスをもらっているメンバーも。僕自身もお迎えに行った車の中で、「全然予測つかないことだらけだから、頑張れよ」とお話させていただきました。
最後はやると心の中では決めていたバーベキュー。山の家の恵まれた景色の中で、最初は不安な表情があったメンバーもすっかり打ち解けてみんなで美味しくバーベキューをいただきました。
まだ始まったばかり。
合宿を終えて、企画3人で打ち上げに行きました。「よくここまで出来たよな、できちゃったよな」と感慨深く飲み交わし、「まだまだこれからだよな」とも話しました。最初は学生歌企画を一人で同窓会に持ち込んで、何人もの仲間ができて、その中の2人からここまで強い繋がりをもらい、それが7人に広がり…。僕は出会いとご縁の中で生きているのだなと改めて実感しました。二人と乾杯したビールの味は一生忘れません。
今回の合宿はまだまだ始まりに過ぎません。僕たちそれぞれの未来の中で、手を取り合いながら、そして輪を広げながら理想に向かっていければと思います。その姿勢そのものが僕が出会ってきた木下さんや熊本のColorsのメンバー、そして今までのご縁そのものへの感謝の表し方だと信じています。
これからもまずはこの7人から、大学最後の一年間、そして待ち受ける社会人生活への第一歩を踏み出していきます。博哉くん、実桜さん、そして参加していただいた皆さん、本当にありがとうございました。そして、これからもよろしくお願いいたします。
2020/03/02