-ファミリービジネスの組織変革に不可欠な3要素- 先行研究からの問題意識 長年続くファミリービジネスの場合、スリー・サークル・モデルのサブ・システムが発展していくため、オーナーシップが希薄になる。株の保有に関わらず、事業承継者は、創業時の苦労を見聞きする程度である。その他のファミリーメンバーは、従弟(いとこ)世代から再従兄弟(はとこ)世代に移行し、ファミリーメンバー同士の連携や会社への忠誠心も薄れていく。そんな中で、外部環境の変化により組織に変革が必要になり、ファミリー
-ファミリービジネスの組織変革に不可欠な3要素- 笛吹けど踊らず「志望動機は、御社の創業115年にわたる信頼と実績です。」 新卒採用の面接で真面目に答える受験者を前に面接官の私は“またか”と思う。長く続くことは決して悪いことではないが、志望動機の一番に置くほどのものだろうか。だったら神社の神主にでもなればいい。創業1000年はくだらない。そんな受験者を冷めた目でみる私は、妻の実家稼業である建設会社の役員を務めている。会長を義父、社長を義兄がつとめ、私を含めた親族が取締役
神戸大MBAは今年からアントレナーシップやファミリービジネスの研究・教育に力を入れている。アントレプレナーファイナンス、アントレプレナーシップ、ファミリービジネス、中小M&Aなどの授業が盛りだくさん。 ひと通り最新の知見を習得するにはとても良いし、経営全般における守備範囲を広げていくにはもってこいである。 だけど、ここへきて少しだけ焦ってはいる。なぜなら、どんなに日米のベンチャーの成り立ちに詳しくなっても、僕の日常はあまり変わらないのである。 既存事業はこれまでのようにゆっく
この春から神戸大MBAに通っている。 神戸大のカリキュラムは、大きく3つで構成されている。世界中どこのビジネススクールでもおしえているコアな科目群、その周辺の様々なトピックの選択必修科目群、そして、チームで問いに対して仮設検証をおこなうPBl群である。これにゼミ&修論が加わる。HPでは違う表現をしてるかもしれないが、やってる本人はこんな位置づけである。 そして、怒涛の半年が過ぎた。 マーケティングやイノベーション、組織行動、アントレプレナファイナンス、ファミリービジネス、エフ
事業承継をするということ ファミリービジネスのオーナー一族(娘婿)として老舗の建設会社の経営に携わっている。当社は数年前に社長が交代し役員も若返り(私は取締役)、そのタイミングで事業承継は終わったことになっている。一方でまだ組織として不安定なところは多い。取締役としての僕の役割もたくさんある。会社の現状を見ながら本当の事業承継とは何なのか、事業承継した経営陣(社長だけでなく)に必要なことは何か、自分なりの考え方を整理しておきたい。 安定しているが故の承継の難しさ 当
新年明けましておめでとうございます。40歳を一つの節目だと思っていたら気がついたらもうすぐ43歳。何となく50歳頃に僕のキャリアのハイライトがくると予想していて(今も頑張っているんですよw)、今年は、キャリアを意識して注力する取組みを限定して重点いきたいと思う。 技術者から経営者 これまでは技術者として都市計画の視点から公民連携やこれからの公共事業のあり方を模索してきた。プロジェクトレベルだけど新規事業も3件手がけてきたし、(とんでもない赤字とか、誰がどうみても筋が悪い
大事なことなのは知ってる 環境(Environment)・社会(Society)・ガバナンス(Governance)の3つの要素(ESG)を重視するESG経営。持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)の頭文字を略したSDGs。国際社会共通のトレンドであったり目標だったりして、もちろんほとんどの人がその方向性には同意すると思う。だけど重要なのは、本質を見誤らないこと。こういうことって、国レベルで進めようとするとインセンティブを効かせてく
私は8年前に妻の実家家業である建設会社に転職し、役員を務めている。もともと大学も新卒の会社も建設業界でもあり、慣れるのに少しも時間はかからなかった。社内で誰一人持っていなかった資格を持っていたこともあり、技術において一目置かれる緩やかなに仲間入りって感じだった。 先日、ある大学の中小企業におけるイノベーターのインタビューを受けることになり、入社からこれまでのキャリアを振り返った。この時、自分の細かい心情や行動を言語化したのだけど、インタビュアー曰く「やってることがコー
私は大学院で地震工学を専攻し、卒業後に建設技術者としてのキャリアをスタートさせた。高速道路トンネルの設計や中国の地下空間開発の計画、東日本大震災の復興計画など様々な業務に携わったのち、妻の実家家業に転職した。 その会社は創業100年を超える老舗の建設会社で、いわゆる地域を代表とする企業とも言えた。同業界でもあり、前職で技術者として色々な経験を積んでいたこともあり、割とすんなり組織にも馴染むことができた。現場と営業を経験したのち企画部に配属になり、というか、私だけの部署が新設さ
企業にとっての成長とは企業の段階によりその成長は様々であるが、今回は創業100年超で組織も制度も整理されている成熟企業を対象とする。昭和感満載の社内文化や組織形態を有し、オーナー一族が絶対的な権力を有しているが、一族の高齢化に伴い組織も疲弊し変化がなくては成長もままならないのが現状である。 企業の成長に必要な3つのことそんな企業の成長には3つのことが必要である。まずは、成長の方向性、そして成長への原動力、最後にリーダーシップである。