終わりの季節
気づけば一年の4分の1が過ぎていてぞっとする。こんなふうに、あっという間に死んでしまうんだろうか。
以前勤めていた会社の会長が、亡くなられたと聞く。家族葬も済んでいるとのことだった。訳あって会長が会社を去ることになったあの日、最後の社内メールでの挨拶も、会社を去るその後ろ姿も、なんとももの悲しかった。
自分が興した会社の末路を、どんなふうに眺めていたんだろう。
いま、この仕事をしているのは、まぎれもなく氏のおかげだ。その言動や行動を理解しがたいと思ったこともたくさんあったけれど、たくさんのことを学ばせていただいた。それらはいまも自分の価値基準のベースになっている。
世の中の「ピン」と「キリ」のこと。にぎり寿司一貫にも宇宙があるということ。おいしいものを食べること、お酒を飲むことのしあわせ。日本は小さいということ。最高を知るということ。見栄を張って生きるということ。お金に執着しないこと。花を愛するということ。
異端であること。他人のことはわかりえないということ。人はみな、さびしいということ。恋をすることのすばらしさ。
表現とは生き様を見せるということ。あらゆるエンタテインメントの世界の享楽と深淵、絶望。絶望があるから輝くものがあるということ。
世界は美しく、残酷であること。
ありがとうございましたと、もう一度、直接言いたかったな。
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