灼熱のベンチでバスを待つ
早く帰らなきゃ、と思う夢ばかり見る。
どこにいても誰といても、早く帰らなきゃ、と言って泣いている夢。
でも路上に放り出されたところで、どこに帰ればいいかわからない。
途方に暮れて夜を彷徨う、夢。
帰らなきゃと思う場所は、帰りたい場所ではない。
会社に戻れる気がしない。
でも戻れなかったら生きていけない。
現状。
私を経済的に守ってくれているのは会社なんだと気づいて絶望する。月に一度振り込まれる20万弱のお金が、私のライフラインなのだと実感する。それが途切れたら生きていけない。どこにも住めなくなる、人とも会えなくなる、誰にも何も与えられなくなる。
だから早く戻らないと、早く。
焦れば焦るほど喉の奥がぎゅっと締まり、息ができなくなる。
転職活動をしようとすると動悸がする。去年の就活の、つらかったことばかり思い出す。期待してぼろぼろに傷つくのが怖い。今度こそ耐えられない。私はこんなに弱かっただろうか。弱っているのだろうか。
お金がないなら何でも売ればいいのに、一銭にもならない文章なんて書いている場合じゃないのに、早く職場に戻って「元気になりましたぁー!」と言えばいいのに。
うまくいかない、うまく、いかない。
大切なもののために生きようとするとお金がなくて、生きるために働こうとすると大切なものを失ってしまう気がする。
この不安には、どこから手をつければいいんだ、どこから。
見つけてほしいから声を上げているし、
変わりたいから動いているけれど、
時々すごく孤独を感じて、
うまく飼い慣らせなくなって、
弱音、陽炎、日曜日。
今日も街は微熱気味。
眠れない夜のための詩を、そっとつくります。