シンママの娘(25) 調停のお知らせハガキ

「８月のうちに新居を決めよう」
夏の40分、電動自転車を走らせる。孫の登園・通勤する娘。孫の保冷水筒は、すぐに空になるぐらい暑かった。

物件さがし

週末のお出かけ。町の不動産屋さんへ。
オットも、わたしも一緒に行く。これが離婚後の住まいとなる予定だ。
おんなじ保育園に通える範囲で。

1DK。保育園にも最寄り駅にも近いところ。トイレ・バスがセパレート。
いいマンションが見つかりますように……。

３件くらい見て回る。４人家族で。
一緒に暮らしたいオットは寂しそうではあった。家族を守る最善な方法であるのは間違いない。

いや、今度こそ子離れしなければ。まずは別々に暮らすことだと、わたしは、じぶんに言い聞かせる。
孫は、ママとジジババ・オールスターズお出かけ営業のせいだろう。終始、ぐずることはなかった。

住むところ。駅から遠いと安いなど、セオリーどおりの展開。親子ふたりなので、買い物や防犯、その他いろいろ検討しました。

マンション決定

とにかく毎月の家賃が払える金額。
やはり先立つものが優先です。
道路沿いのマンション。交通機関も電車・バスが揃い人通りも多い。
娘もオットも、わたしが気に入ったマンション出現！

あとは審査。オット保証人。なんだか大学生の下宿探しのようだ。
あぁ、これが大学入学前のことだったなら……。

時は戻せない。戻らない。
だから今を精いっぱい頑張るしかない。せめて真面目に生きるしかない。今の繰り返しが未来。

「過去は変えられないが、未来は変えられる」

よく耳にする言葉だ。未来を変えるのだ。

お盆休み明け。
マンションの審査が通ったと連絡があった。
ありがとうございます。よかった。ここから、変えていこう。

親の役目

「９月に引っ越そう」
娘にとっては、結婚するときと、実家に出戻りからの２回めの引っ越しだ。

費用30万円は実家からの貸し出しとする。

恥ずかしくも甘やかし丸出しだ。
だが「できちゃった結婚」で、結納・披露宴・新婚旅行など結婚費用はゼロ。
「お金は働いて必ず還します」
娘はハッキリと宣言した。
わたしもオットも異議は、なし。
親子なので借用書もなし。

ナシナシ結婚は「なし婚」というそうだ。結婚をなかったことにはできない。離婚の前の別居。
「なしくずし婚」とでも言っとこう。


親の役目は、これで終わりだ。終わる。終わりといっても何もしていない、わたしだった。
今度こそ、娘の本当の巣立ちだ。

まだ、離婚もしていないのに、みんな気持ちは爽やかだ。妙な家族だ。
リサイクルショップで洗濯機・冷蔵庫・ちっちゃなタンスを確保。
新たなマンションまで配達してもらう。

未来のハガキ

なにもかもが、これから。
娘の顔がほころんだ。かなり緊張状態が続きストレスもあふれていたと思う。
すこしずつ状況が変わる。じぶんのチカラで。
リフォーム済みの部屋に入り、生活の準備をする娘。

娘宛にハガキがきた。
調停の連絡・住所は実家で届けていたのです。

１か月間の同居の日々よ。
家族の日々よ。

ハガキの重さよ。

毎週金曜日は
「シンママの娘」

いつも　こころに　うるおいを。
水分補給も　わすれずに。

最後までお読みくださり、
ありがとうございます。