シンママの娘(22) まずは「食いぶち」
自分の人生の長さと経験を振りかざす夫。ひとまわり下の年齢の妻。
常識や無知という言葉の圧力には負けない……妻である娘は決意した。
じぶんから歩みよらない
旦那さまは、いつもいつも些細なことで、すぐ怒る。そして、わたしが謝っておさめる。
こんなことを繰り返しているからだ。
もうじぶんから歩み寄らないぞ
わたしは、何も悪いことをしていないのに。
「親に頼りすぎ」「先月、お金つかいすぎ」
妊娠・出産・育児。体当たりの総当たり。
結婚のお祝い金は取り上げ、共有しない。ふたりの、いや家族のお金だ。わたしにはクレジットカードを渡すだけ。
「今月は少なくてすんだ」
クレジットカードの引き落とし額を見ながら言う。ほかに話すことはないのか。
わたしや子どもを気遣うどころか、自分の都合ばかりの旦那さま。
わたしは、もう彼の機嫌をとらない。
わたしの人生
「わたしは、こう思う」
「わたしは、こうする」
娘の話のなかに「わたし」が浮き出てきた。
いままでは「沐浴教室に来なかった」「勝手に仕事をやめた」「お金をくれない」「どなられた」など相手からされたことの話を聞いていた。
娘は「わたしは、こうする」というじぶんの行動・希望を口に出し始めたのだ。
「こうしたい」より「こうする」。
娘に意志が芽生えてきた。
あとは、その通りに進む。
じぶんの人生、まだまだこれからだ。娘を見守っているだけのわたしだが、すこしだけ楽になりました。
保育園0歳児クラス
ありがたいことに入園が決定。用意や手続きや何もかもを娘がひとりがこなした。
旦那さまの手は、いらない。
義父母に報告と、旦那さまに業務連絡。実家に入り浸りの人間は、あてにしない。
待ってても時間の無駄だし、急に変わるものでもない。娘が何を言っても、旦那さまは変えられないのだ。
じぶんが気がつく以外には。
そして、じぶんがハッと気づいたときにはもう、目の前に相手はいないのだ。
さいわい孫娘は大きな病気も問題もなく、保育園に通い始めた。生後6ヶ月。ミルクをたくさん飲んでよく笑う。
アレルギーもなく、保育園の先生になつき、離乳食もすすんだ。
登園を嫌がりもせず楽しそうな孫。
本心は寂しかろう。孫はママしかいないのだから。これまでも、そして、これからも……。
約束の半年間と転職
飲食店でのパートは、お店との約束の半年間はもうすぐです。週に2~3回・ランチタイムだけの主婦パート。
次のステップへ。毎日の勤務を希望し転職することに。
いまどきの若者らしく、指一本でサクサクと探す。区役所に相談に行ったり面接に行ったり。
娘はもはや、辛いなぞは思っていなくて、じぶんと娘の生活しか頭にありませんでした。
半年後、娘は転職しました。
毎日勤務・扶養範囲内の仕事です。朝、バタバタで保育園と職場に。
わたしとオットは、できる限り娘の家に行き、食事や孫のお風呂を入れたり手伝いをしました。
みんなが孫の成長だけを楽しみに。
2週間に1度くらい義父母も遊んでくれたそうです。そのときに父親もいたのかは不明。
父親は、実家と銀色の玉やコインの出るお店にいたとか。
孫は1歳になりました
保育園で問題はなかったのですが、たびたび自宅待機・濃厚接触者に。
そのたびに娘は、お医者に連れていき、孫は鼻血が出るような検査をして大泣き。
わたしも託児を頼まれたりしました。それは、いまでも変わりませんね。いつ感染しても、おかしくはありませんので。
特に、家族で出かけるとかできない期間でもありました。
保育園の運動会も中止に。かわいい盛りなのに、みんなが辛い時代でした。
学校行事、修学旅行、成人式など。時間は戻せない、こんなに便利な時代になっても。
気弱なLINE、真意は?
その間、旦那さまは何をしていたののでしょう?
娘によると、LINEがあったそうです。えっ、LINEだけ?
内容は……
「このまま、ダンマリきめてて、どういうつもり?」
「仲直りしないの?」
「僕のこと嫌いになったの?」
「それやったら仕方ないけど」
こんな内容だそうです。いったい、いくつの男性なのかしらねぇ。
娘は、
「毎度、じぶんが謝って、とりなしてたけど、じぶんから歩み寄らないぞ!」
という意志で何も言いませんでした。
「仲直りしたい」ではなく、「仲直りしないの?」とは。
まるで自分には、なんの責任もないような。娘が悪い事をしたような。
こちらは外へ働きに出て、社会に小指一本でぶら下がっている状態です。
そして、この小指を太く丈夫にして「食いぶち」にする。それしか頭にないのです。
扶養内の毎日のパート、将来に向け
、これもどうしたものかと考えているところ。この仕事を半年続けてきて考えること。
生まれた娘の事は一言もありませんでした。会いたいとか思わないのか不思議です。世の中には、いろんな人がいる。
LINEの内容を聞いて、
父親は弱気というか、本当に、つまらない。いまの言葉で言うと「使えない」感じでしょうか。
結局、どなればどなるほど、みんな離れてゆき、ひとり寂しく孤独になる。弱気を武装しても、使えない。
じぶんが惨めになるだけでしょうね。そしてまた、どなり散らすの繰り返し。
娘にLINEがきた。
「こんなことになってしまって両親も疲弊している。
原因はそっちだから、出ていってほしい」
気弱さの逆襲か……。
以下、次号に。
いつも こころに うるおいを。
水分補給も 忘れずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。
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