天上のバレエ・地上のダンス(73) あとから、じわじわ
バレエ習いたい。産後のたるんだもろもろ解消に。娘をダシに親子で入会。バレエに興味なく、親の金魚のフンの娘だが。なぜか、あれよあれよと。
(1163文字)
耳できく
幼児クラスのレッスンは、2歳の娘がメイン。わたしもレッスンに参加。いま、おもいだしても、ずうずうしい母親でした。
大人クラスのレッスンは、娘を床にすわらせて。絵本やオモチャもひろげて、なんとか時間をつぶしてもらう。じぶんは必死でレッスン、なんて親だ。
ピアノの音は、なんとなく娘に刷りこまれた。幼児クラスでは、先生のむずかしい指導はない。大人クラスの先生の注意は、なんとなく娘の耳に入った。
「ひざを のばす」
「つまさきを のばす」
「おなかを ひっこめる」
目でみる
娘は、けっしてうまくはない初心者ばかりの大人クラスを、たまに見ていた。しぶんのやっているのも、おとながやっているのも、おんなじ。バレエの基礎とは。
カラダがカチカチで、手足はバラバラ。わたしは、バレエを踊れるのがうれしくて小学生クラスにも顔を出す。
もちろん娘をつれて。
さすがに小学生のお姉ちゃんたちは、バレエらしい動きになっている。わたしは、お姉ちゃんたちに笑われるレベル。悪いお手本役として存在していました。
こどもは正直
しばらくすると娘は、お姉ちゃんたちのクラスだけ、よく見ていました。ホントに、子どもは正直。
そして帰りしな、レッスンの感想を言うのです。
「▲▲ちゃんは、できていた」
「■■ちゃんと▼▼ちゃんは、とぶのがじょうず」
「◇◇ちゃん、したむいてた」
いつの間にか、お姉ちゃんの顔と名前をおぼえて、先生の注意・ほめたところ・クセなど細かく見ていたのです。
娘は、いざ幼児クラスにいくと、へなちょこな動きです。まだカラダができてなかったのでしょうね。クチだけは、達者なプリマでしたが。
じわじわくる
娘は3年ぐらいこんな調子でした。
オットは「適性なし、可哀想だから、やめさせたら」発表会のたびに、このセリフ。
ところが、小学生になったらポンと飛びぬけました。
ビアノの音をきいて……
この動きには、この音。
これはキューピッドのおどり。
音にあわせる。音におくれない。
みんなの注意を聞いて見て……
さんかい、ちゅういされたらダメ。
ストレッチは まいにちする。
まっすぐ たつ。
じょうずなお姉ちゃんの踊りを、食い入るように見て、いつの間にかバレエを、正しく踊ることが身についていたのです。
先生にもレッスンノートを書くように指導がありました。バレエが、じわじわと刷り込まれていました。
結果は、後からついてくる。
じわじわと。
いまでは、わたしの筋肉痛も
忘れてから、じわりじわり。
いつも こころに うるおいを
水分補給も わすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。
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