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シンママの娘(18) 自分勝手さに決別を・3ヶ月健診を終えて
孫娘の3ヶ月健診。区の保健センターに付きそう。
娘はリアルに、どんな暮らしをしているのでしょうか。
保健センター
異常なし。泣いてる赤ちゃんや、寝んねの子。
賑やかな3ヶ月健診で、ママ業がイタについてきた女性たち。頼もしく思えてきます。
待機場所から、健診ルームへ。人数を区切って、素早く入れ替え。椅子と椅子の間が空いている。
ゆっくり、のんびりとした赤ちゃんの空間ではなくなった。
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まめに消毒
これからは短時間の時代。感染防止や拡大防止が上乗せされて。
せわしない公共機関に、ついていかなければ。せわしない世界に遅れないように。
わたしは、娘と孫の今後の「せわしなさ」を想像するようになりました。
どう転んでも、せわしない生活。
早く変えるには……
区役所・保健センターには、各種の相談のチラシが、ラック越しに冷ややかに…わたしたちを覗いているのでした。
お金をもらってない
たしかこの時期です、わたしが娘の旦那さまとの「やりとり」を垣間見たのは。
お昼ごろ、わたしは、いつものように、娘と孫の様子を見に行きました。
電車に乗って5つ先の駅まで。
ちょっと気になっていたことが、ありました。
「お金を、もらってない」
なんでもクレジットカードだけ渡されたと。
いくらキャッシュレス時代とはいえ、小銭が必要な時や現金以外不可の店もあるだろう。
里帰り出産から、新居に戻り2~3か月あまり。
マンションの家賃は旦那さまが支払っている。それは、当たり前だが。
なんと娘にクレジットカードだけ渡して、本人は実家で暮らしていたというのだ……!!
「息子は、お金を渡してる?」
高砂人形(姥《うば》)から他人事のような質問があったらしい。
「もらってません」
2万~3万づつぐらい、その都度もらっている。なくなったら請求と。LINEでやりとり。
そうだったのか。娘は妊娠中にひどいつわりと、血圧が上がりすぎ安静を言い渡され実家で暮らす。
そのせいか、結婚のお祝い金(少額)は、旦那さまが、よく言えば保管。悪く言えば自分のモノに。
娘は新居の維持費などの「お金の管理」はできなかった、いやさせてもらえなかったのです。
ビックリマークを付けるぐらいでは足りぬ衝撃!!
スペースの都合で2個だけにしておきました。
それでは生活できない!
娘の新居に到着。冷静に冷静に。
わたしは、マンガ「ガラスの仮面」に出てくるキャラクターよろしく、白目になっていた。
顔の上半分はサァーっと青ざめて。
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娘が孫にミルクを用意していました。お食事タイムです。
わたしは新居に入り、まず手洗い・うがいを。
娘と孫に何かあってはいけないので入念に。
マスクが品薄や品切れをしている時期でした。
わたしは荷物を置くのもそこそこに、ふたりを見守ります。
白目からだんだん普通の目に。
ここだけ見ていると、ごく普通の親子の暮らし。
しばしのホッと時間。
そこへ旦那さまが、ぬらりとやって来ました。
いや、実家から帰宅したと言うべきか。
さすがに留守は、まずいと思ったのか、家族のアピールか、娘が苦情を出したのか。
それは、わかりません。
旦那さまの仕事は休業と聞いている。
どこの会社でも自宅待機やリモートやら、パパは家にいる時代になった。
それなのに、パパはいない。
パパと呼んでやるものか。
飲み込む感情と出る挨拶。
「こんにちは。おじゃましております」
「どうも」…ヘラヘラ…ペコリ。
それだけ? いつもお世話になってますとか言えないの?
40歳まえ、アラフォーでしょ!?
アラそぉ、泥まんじゅう持って来るんだった。
ガラスの仮面みたいに…と思ってたら、
ドスドス。旦那さまは孫に直行。
「ミルクの時間なん?」
同時に娘の持つ哺乳瓶を取り上げました。
娘の一言を、待つことはなく。
コミュニケーションをとることもなく。
孫にミルクを飲ませようとしたのです。
「まず、手を洗って! うがい、飛沫感染!」
娘の声が飛ぶ。
外から帰ってくると手洗い・うがいは、もはや常識。何もしないで授乳とは信じられない。
(ギャーッ、汚ない、ありえない)
いつも手洗い・うがいをしていないのであろう。見てとれた。
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捨てゼリフ
哺乳瓶をタンと置く音。
「じゃあ、ミルクあげといて」
新居から出ていく旦那さま。
背中には「うるせえな」と書いてある。
バタンと扉の閉まる音。
わたしたちの心も閉まる音。
なにもなかったように孫にミルクを飲ませる娘。
もう、わかった。
もう、やめよう。この日常を……
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「シンママの娘」
いつも こころに うるおいを。
水分補給も わすれずに。
最後までお読みくださり、
ありがとうございます。