天上のバレエ・地上のダンス(85) 牛のあゆみ
ひさびさのストリートダンス。
さいきんは月に一回ペースでレッスン。「中高年のヒップホップクラス」の生徒は4~5人。先生は30代で、いつも若さをもらっています。
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外国で修行した先生
ストリートダンサーは米国にダンスの勉強によく行くそうだ。すこし前は、疫病もあり帰国したくても動けなかったと先生。
先生いわく「それでも外国に行くのは、やはり本場のダンサーと踊りたい。いっしょにレッスンするだけでも刺激になる。いくら動画を見ても文化までは、たどり着かないのです」
ふんふんと聞く、わたしたち。
中高年の生徒のわたしたちからみれば娘のような、としごろの先生。
コトバもわからない国まで行くだけでもすごいのに。
つくづく人生は行動力だなぁと。
ダンスがうまい子は
みんな、ちいさいときからダンスを習う。その過程で発表会に出たり、大会(コンテスト)にもチャレンジします。おおきくなってくると、ライバルも出てきます。
「ダンスで一緒のクラスの子は、覚えがよくて、振り付けをすぐ覚えた。頭もよかった。できないわたしは、くやしくて。練習するしかなかった。」
先生でも、そんなことあったんだ。
教えるひとは、何でもできるものだと思っていたのに。もっとうまい子は、どこにでもいる。ごまんといる。
「ダンスがうまくて、大会(コンテスト)の常連。その子はプロになるんだろう、と思ってたのに。
スパッとダンスやめた。そんな子が多いですよ。」
「ある程度の成果が出たら気が済んだのかな」
「ダンスでは食べていけないしね」
「そうそう、なんの保証もないし」
「ちゃんと就職してほしいよね」
中高年の生徒は、先生のはなしを聞いてスキ勝手なことをいっている。明るく楽しくダンスを教えている先生も裏ではタイヘンだったんだ。
ダンスは、しつこく練習!
あきらめない。
最初からできるひとや、覚えのいいひとほど、やめていく。どこの世界でもそうかしら?
執着しないみたい。やりきったとか、満足したとかで。
「やっぱり残るのは、ヘタっぴ」
「残ってるけど、しんどいな」
「あと1年はかかる、クラブステップ」
「牛レベルの遅さや」
先生がフクザツな顔をしていた。
いつもこころに うるおいを
水分補給も 忘れずに
さいごまで お読みくださり
ありがとうございます。