天上のバレエ・地上のダンス(84)手くせ
一回完結・ダンスのおはなし。
大人美容バレエクラスは、いつものんびりレッスン。中高年の楽しみは、いろいろ。メンバーの中には多趣味・多芸のひと、先生もいれば楽器を習っているひとも。
(896文字)
手の指がひらく
バレエは、手の指先をそろえる。
ところが、子どもでも大人でも、ついつい指をまっすぐのばせず、ひらいてしまうひとがいます。
むかし、子どものクラス(小学生)に
どうしても指がひらく子がいました。
「輪ゴムで指をくくりなさい」
いまなら、虐待?かもしれません。カッパのようなパーの手のひら。
大人クラスでも指が、パーのひとかいる。何度も注意されてもカッパの手。指に隙間があるとエレガントに見えない。
わたしは、なんでそうなるのか、わかりませんでした。柔軟性の問題でもないし、フシギ。
すぐ直せることなのに。
ピアノやっているひとは
いつも
指を、おおきくひろげるの。
だから、ついつい……ね。
クラスで毎回、発表会に出ているセンパイが言った。
そうなのか、楽器を弾くためか。
クラシック音楽を演奏しているひともおおい。歌を習っていたり、そのながれでバレエを習う大人の生徒。
指のツメがなくなってたり、ヒジが曲がらなかったり。みんな人生の趣味やスポーツの武勇伝があるのだ。
ダンスの各ジャンルでも、カラダの使い方いろいろ違う。いろんなスタイル。それぞれ基本が違うから、他のジャンルにくるとクセがあってあたりまえ。
得手不得手もハッキリするのが中高年。いまから矯正するのはむずかしい。
「これまでの人生の習慣って、直らんよねぇ」
「脳みそもカッチカチやし」
カラダのクセよりアタマのクセ。
「なくて七癖」とかいうけれど
七つでおさまらない、わたしたちは。
「手くせ、だけはダメよ
どちらかというと、わるい表現」
指導の先生も苦笑い。
手ぐすね・手ぬき・手を抜く。
わるい「手」もある。
趣味は「手をかける」
あれっ、
良い意味と、わるい意味もあるよね。
雑談、手んこ盛りのレッスン。
きょうも手んで踊れませんでした。
手へへへへっ……。
いつも こころに うるおいを
水分補給もわすれずに
さいごまでお読みくださり
ありがとうございます。
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