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舞と踊りの違い
「日本舞踊」は明治にできた新しい言葉で、それまでは「舞」と「踊り」が別々に存在し、発展していました。
「舞」は上方のお座敷でうまれ、能や文楽と縁が深いです。商家や花街のお座敷で舞われますので、埃をたてないよう動きが制約されています。そのため、恋愛の喜びや嫉妬など、名もなき女性の心情を表現することに長けています。
「踊り」は江戸を中心に発展しました。歌舞伎の舞踊部分だけを取り出したものがはじまりなので、大きな劇場で踊られることが前提になっています。特定の役柄やストーリーがあり、舞台が広いので「舞」にくらべて大きく動きます。
私が所属している山村流は、200年以上続く「舞」の流儀です。ぱっとご覧になって「これは舞だな」「こちらは踊りだな」とはわかりにくいかもしれませんが、くらべるとずいぶん違いがあります。また流儀によってもそれぞれ特徴がありますので、いろいろな舞台を観ていただけたら面白いのではないかと思います。
公演の情報は「日本舞踊協会」のホームページや、国立劇場、紀尾井ホール、国立文楽劇場などでの配布物。そして各舞踊家のホームページにも掲載されています。
ご観賞の手引きに、京都市発行・ミシマ社編集「日本舞踊 入門の入門」というお手伝いをさせていただいた冊子があります。舞と踊りの違いについてや、体験漫画、演者インタビューも。京都市の文化芸術企画課(075-366-0033)にて取り扱いがありますので、ぜひご参考になさってください。