こだわるべき物達
私は #アウトドア とりわけ #キャンプ が好きなのだが、車でのキャンプと #バイク でのキャンプでは大きな違いがある。
言うまでもなく、それは積載量の違いとなる訳だが、登山をやる人ならばその差はさらに広がるだろう。
その中で拘らねばならぬ物の優先順位は大きくあるだろうが、今回は #椅子 という物に焦点を当ててみよう。
椅子は寛ぎの時間を大切にする上では大きな要素の一つだが、車ならばそれはいくらでも選択肢はあり、素晴らしい物は数多あるのだろうけど、バイクとなるとそうはいかない。
ここに #カーミットチェア という椅子がある。
この椅子は分解可能でコンパクトにはなるが、正直、バイクで運べるサイズとしては限界に近い程大きく、かと言って最高の座り心地を提供してくれる物ではない。
だがカーミットの成り立ちが私の愛車の一つであるBMWで積載して旅に行き、寛ぐ物として開発された経緯や歴史があり、それを納得できる商品でもある。
ヘリノックスのコンパクトになる椅子も長年使ってはいるし、その設計思想も悪くはないし、簡易的な椅子としてはその持ち運びの容易さや、座り心地の高いバランスが取れた良い商品だ。
だが、そのヘリノックスの難点は安定感にある。
仕事用のデスクに使うアーロンチェアのように、良い椅子とは椅子の脚の数が多く、広く、その安定感に寄与する。
ヘリノックスよりカーミットが優れているのは、その安定感のみと言ってもいい。
座面は見て理解出来る通り、腰の部分に隙間があり、あまりこれは良いとは言えないが、しっかりとした剛性を持った椅子として100kgを越える巨漢でも座れるそうだ。
座面や背のフレームが湾曲しており、膝の裏を圧迫したりはしないし、背中も安心して身体を預けて寛げる。
繰り返しにはなるが、車でのキャンプならもっと寛ぐ為の椅子はいくらだってあり、安価な椅子でもカーミット以上の物の方が多いだろう。
バイクなど限られた積載性能での場合、私にとってはこの選択が良いと考えられるのだ。
ヘリノックスのような素晴らしいコンパクトさと、座り心地のバランスの取れた商品もあるが、積載性能は我慢の限界より少し下、座り心地はヘリノックスよりも安定感がある。そこに魅力を感じている。
豊富なオプションもカーミット、ヘリノックスともにあるのだが、前出の座面と背面の隙間もサードパーティーから様々な対策品が出ている。
脚の継ぎ足しもあり、座面をフラットにしたり、高さを普通の椅子のようにする事もできる。
だか積載はその分、どんどん犠牲になる。
例えば2週間も北海道をツーリングしたいという時、僅かな荷物も削りたい場合がある。
その場合は、そんなオプション満載で行くのか?
と言われてしまえば困ってしまうし、ヘリノックスのほうが向いてはいる。
だが僕はカーミットを選ぶのではないか?
と思うのだ。
その理由は、ゆっくりと安定感のある椅子で寛ぎたいという気持ちと、見た目の良さもある。
木で作られたフレームは趣きもあるし、愛せる物としての魅力がある。
このように、バイクのサイドケースの上に黒い袋に梱包されたカーミットを縄で縛って持ってゆくスタイルになっても仕方ないな、と思える雰囲気がある。
※灰色のバッグは椅子と関係はない。
タープの下で、仲間と飯を作り、酒を飲む。
そんな時間をゆったりと過ごしたい時、そしてそのデザインは、キャンプを彩る空間と時間の中で良い相棒とも思える。
ただ、対価効果としては極めて薄い。
ようはその性能面と価格のバランスが非常に悪い。
アメリカ本国では適正な価格なのだが、日本では高すぎる価値に見合わない性能だと言えるのだが、この椅子でなくては得られないと考える人にとっては、買って損のない商品だと思う。
車ならば?
僕は選ばない。
もっと寛げる椅子がもっと安価にあると思うし、見た目も所有欲も満たせる物があるからだ。
ただ車でもあまり詰めないという向きには良いのかもしれない。
なにしろモノというのは奥が深く、キャンプというのも奥が深く悩ましい。
拘らなくても良いモノにこだわるのも趣味だと考えるのなら、いくらだって無限大にこの趣味は広がりを見せてゆく。
キャンプギアを一つ買ったら試したくなる。
それが一番楽しいのかもしれないし、こうして文を書く理由にも繋がるのではないか?
また、SNSで紹介したくなるのかもしれない。
それこそが大きな魅力のひとつであるのなら、先ずは椅子に拘るのもアリなのではないかと思います。