こだわるべき物達 バーナー
#アウトドア だとか #キャンプ には格言があって、「知識が増えれば装備が減る 」
と言った物がある。
焚火があれば料理も可能だし、ナイフがあれば調理もロープも焚火も確かに出来る。大袈裟に言えばテントもいらないかもしれないし、自然にある物でなんだって出来るのかもしれない。
だけどそうとばかりは言ってられず、極力小さな使い勝手の良い物を選び、荷物を減らして出かけて行く程度に僕は心掛けている。
真四角な弁当箱のような蓋を開けると、詰め込まれたバーナーの本体が顔を出す。
こいつを手前にスライドさせてやると、セッティングがすぐに出来るのだが、ガソリンバーナーはプレヒート、つまり本燃焼に入る前にタンクから燃料の通り道を温め、ガソリンが気化しやすくしてやらなければならない。
僕はそれをゼリー状のアルコール着火剤を使い、行うのだがガソリンバーナーにしては素早いプレヒートと本燃焼までの安定感があり、この、#オプティマス を愛用している。
このハンドルも使いやすく、素晴らしい。
火力は充分にあり、五徳も簡易だがあるので、大抵の事はこれで事足りる。
大昔の設計のこのオプティマス 8Rは、未だに単なる回顧趣味とは異現役なのは、0度を下回るような寒さの中でも問題なく常に、雪の中であっても安定した使い勝手を誇るからであり、しかもコンパクトに纏っている。
最近ではガスも寒い場所でも使える燃料があるにはあるのだが、バイクの燃料であるガソリンと共用出来たりする事も良い。
モノとして現役で愛用可能な逸品であり続けているのが本当に素晴らしいのだ。
個人的には使えなければモノとしての意味はなく、その期待に応えるこのバーナーは他と変え難いのだが、唯一の難点は音が少し大きく感じる事だ。
これはガソリンバーナーに多く見られる個性ではあるが、まだ夜が明け切らぬ朝にコーヒーを沸かす事は少し周囲に距離が取れない場合はためらいがある。
それでも今後も僕はこれを使い続けるだろう。
#ベークライト のバンドル、真鍮製のバーナー部やタンク、ちょっとしたギミック、五徳や風防を兼ねるケース、男心を実にくすぐってくれるではないか。
近代の便利になった物を使うのも、昔からあるこのようなバーナーを使うのも、実は同じ事であり、進化の過程という線の中に存在する道具の一つだ。
なにしろ焚火のみで調理もコーヒーも飲めるのだからそれ以外で何の道具を使おうが、便利な事に変わりはなく何の自慢にもならないだろう。
だが、モノにこだわりを持つにはそいつを愛せなければならない。
僕にとってはこいつが1番愛せるバーナーなのだ。