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ブドウ品種:マルヴァジーア
ブドウ品種マガジン
マルヴァジーア(Malvasia)
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By No machine-readable author provided. Scops~commonswiki assumed (based on copyright claims). - No machine-readable source provided. Own work assumed (based on copyright claims)., CC BY-SA 3.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=1172265
マルヴァージア(Malvasia)
果皮の色:白
品種:ヴィティス・ヴィニフェラ
別名:マルヴァジア(Malvazia)
原産地: ギリシャ
主な産地:地中海、カリフォルニア
マルヴァージアは、地中海沿岸地域、バレアレス諸島、カナリア諸島、マデイラ島で歴史的に栽培されてきたワイン用ブドウ品種のグループです。
現在では世界の多くのワイン生産地で栽培されています。
このファミリーのブドウ品種には、
マルヴァジア・ビアンカ
マルヴァジア・ディ・シエラノ
マルヴァジア・ネグラ
マルヴァジア・ネーラ
マルヴァジア・ネーラ・ディ・ブリンディジ
マルヴァジア・ディ・カンディア・アロマティカ
マルヴァジア・オドロシッシマ
その他多くの品種が含まれます。
マルヴァジアワインは、ギリシャ(ペロポネソス半島、キクラデス諸島、クレタ島)、イタリア(フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア、ロンバルディア、アプリア、シチリア、リーパリ、エミリア・ロマーニャ、サルデーニャを含む)、スロヴェニア(イストリアを含む)、クロアチア(イストリアを含む)、コルシカ島、イベリア半島、カナリア諸島、マデイラ島、カリフォルニア、アリゾナ、ニューメキシコ、オーストラリア、ブラジルで生産されている。これらのブドウは、白(まれに赤)のテーブルワイン、デザートワイン、同名の酒精強化ワインに使われるほか、ヴィン・サントのようにブドウのブレンドの一部として使われることもあります。
歴史
ほとんどのアンペログラファーは、マルヴァジア種の起源は古く、ギリシャのクレタ島で生まれた可能性が高いと信じています。
マルヴァジア(Malvasia)という名前は、ラコニア海岸にある中世からルネサンス初期にかけてのビザンチン帝国時代の要塞、モネンヴァジアのイタリア語名に由来しています。この要塞の港は、ペロポネソス半島東部と、おそらくキクラデス諸島の一部で生産されるワインの交易拠点として機能していた。
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By F. de Witt - http://historic-cities.huji.ac.il/greece/monemvasia/maps/de_wit_1680_monemvasia.html, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=312578
ペロポネソス半島の位置。
キクラデス諸島の位置。
中世、ヴェネツィア人はマルヴァジア・ワインの貿易を盛んに行い、ヴェネツィアの商人のワインショップはマルヴァジー(malvasie)と呼ばれていました。クレタ島のイラクリオン近郊にあるマレビジ地区が名前の由来ではないかという主張が時折見られますが、学者たちは真に受けていないようです。(*1)
マルヴァージアは、中世にギリシャから輸出された3大ワインのひとつでした。他のふたつは、ラムニーワイン(Rumney wine)とクレタワイン(Cretan wine)。
イングランドのエドワード4世が、弟の初代クラレンス公ジョージ・プランタジネットを大逆罪で有罪にした際、彼の私刑(1478年)は「マルマジーワインの殻で溺死させる」というものであったとされ、シェイクスピアの『リチャード3世』でドラマチックに描かれています。
マルヴァージアの特徴
マルヴァジーアのほとんどが白ブドウですが、中には色の淡い黒ブドウもあります。各品種からは、白ワイン、デザートワイン、酒精強化ワインが造られており、スペインではポートワインに、スペインでは、リオハやマデラをこの品種から造り、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインと幅広いワインが造られています。
イタリアでは、とくに北部がこの品種から造られるワインのバリエーションに富んでいて、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州では、コッリオ・ゴリツィアーノDOCやイゾンツォ DOCに使用され、ピエモンテ州では赤のスパークリングワインが造られています。
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エミリア=ロマーニャ州でマルヴァジーアの品種を用いて造るスパークリングワインは、地元で「小シャンパーニュ」を意味するシャンパニーノの名で知られています。
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マルヴァジーアが最も生産されているのは、イタリア中部でとくにラツィオ州では、栽培が盛んで、単一品種のワインではなく、トレッビアーノとブレンドされて使われており、マルヴァジーアのふくよかさでトレッビアーノの酸味をやわらげる効果を発揮しています。
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マルヴァジーアから造られるワインの特徴は、その品種が幅広いため、特徴をまとめることは難しいですが、マルヴァジーアの品種から造られるワインは、ふくよかで円みがあり、肉厚な味わいと形容されることが多く、どっしりとしたボディと柔らかい口当たりが特徴です。
また共通するアロマの要素は、桃、アプリコットなどの果実香と、赤ワインでは、さらにチョコレートのような風味が加わり、熟成するとナッツのアロマが増していきます。
マデイラなどの酒精強化ワインは、鋭い酸と強いスモーキーな風味が特徴です。
マルヴァージア100%のワイン、トリンケーロのソーニョ・ディ・バッコ
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ワイン名:Sogno di Bacco ソーニョ・ディ・バッコ
品種:マルヴァジーア100%
植樹:1982年植樹
位置:標高250m、南東
土壌:粘土石灰土壌
ステンレスタンクで2週間マセレーション。
ステンレスタンクで1年間熟成。
Sogno di Bacco=バッカスの夢。マルヴァジーア特有のアロマがスキンコンタクトにより妖艶さを増す。除梗した年は、果実味が前面に現れ、全房でのスキンコンタクト比率が上がると、骨格が現れる。2017以降、全房醗酵が多い。(*3ラシーヌの資料より)
参照
*1
*2
*3
http://racines.co.jp/rccms/wp-content/uploads/2014/12/Trinchero_info202212.pdf
*4
http://racines.co.jp/rccms/wp-content/uploads/2020/03/Trinchero_tech202307.pdf