静不二

絵画を象る自分、自分を象る世界、世界を象る見えないなにか。

静不二

絵画を象る自分、自分を象る世界、世界を象る見えないなにか。

最近の記事

波の行く末

海は全ての始まりですから、全ての調律を担い、全ての均衡を保とうとする、全ての基準なのかもしれません。 大岩が砂粒になるまで打ち続ける波と同様に、波音もまた目には見えずとも、乱れた呼吸、速まる心拍、不協和な身体の余力を見つけては原初の拍に引き込み、宥めるように咀嚼を繰り返して、人が心地よいと感じる調子を思い出させてくれます。 海が静かになる時は、完全な均衡が訪れる時でしょう。 海が波打ち続けるのは、世界が終わりに向かっているからでしょう。 だからこそ、このまばらで不規則な

    • 2024 春~夏 写真 旅と四季の情景

      春と夏の生命力に置いてきぼりにされないよう、魅力を探し回っているうちに、少しだけ暑い季節を好きになれたかもしれません。 2024年 春

      • 紫陽花が大きく育ってくれました。

        青い炎のようで美しいです。 先の台風で強い雨風に晒されないよう一晩寝室に置いていたんですけど、すくすく育っていく様を日々見ていたからか、何か訴えかけてくるような生気を感じました。

        • 春の終わりの独り言

          桜がいよいよ満開になりそうですね。 マメに外を見ていなければ、あっという間に季節が移り変わってしまうであろうこの短い期間、あとどれだけ今春を心に焼き付けられるでしょうか。 今年の桜シーズン、私の住む地域では雨が懸念されていますが、中旬ごろ満開が予想される地域にもギリギリ足が伸びるので、もし満足がいかなかったら、クロッキーブックを持って行ってみたいです。 学業の方は大学二年目になりますが、履修を上限いっぱい入れました。絵画コンクールにも結局は入選できず仕舞いでしたので、やはり

          奈良の旅

          出展作品の搬入が終わったので、念願の奈良県神社古道巡りの旅へ行ってきました。 2月28日からの四日間、感銘に溢れた充実した時間となりました。 【一日目】吉野神宮から吉野山の奥千本までを往復。 【二日目】三輪山を登拝した後、山の辺の道を歩きました。

          一本の道標

          パラレルワールドは有り得ないのではないだろうか? 湯船から排水を抜いている時、水面に揺蕩うバスクリンのゴミを見て、ふと思いました。 私が栓を抜く為に手を入れた瞬間から波紋は広がって、水面が均衡を取り戻そうと激しく右往左往する。 一見波に乗せられて不規則に揺れているゴミの動きにも、因果がある。 排水が全て溝に流れ落ちるまでの間にこのゴミが揺らぐパターンは何通りあるのか考えたが、最短で収束するように法則が運動を仕向けているのなら、それは1通りしか無いのかもしれない。 私

          一本の道標

          鏡を見て、顔を洗って、また鏡を見る

          強い理想を持っている場合、ふっと脳裏を過ぎる不本意な可能性を払拭して、見て見ぬふりをしてしまいたくなりますよね。 でも、後々になって、主観と客観の整合性が取れてくる頃、その時浮かんだ小さな疑問こそ、最良の選択肢への近道だったと気づかされる事が多くある。 目標を定めた時の精神状態からは時間と経験を重ねる程遠くなっていくし、初期衝動と満了時とでは、携わりながら得ている充足感の種類も、いつの間にか大きく異なっているはずです。 私は現在、月末に応募するコンクールの為に作品をを描き

          鏡を見て、顔を洗って、また鏡を見る

          はじめまして。

          私はshizuka_fujiと申します。 美術系の大学で絵の勉強をしながら、私的な創作活動にも勤しんでいる、名も無き青年です。 「絵描きなら伝えたい事は絵で伝えろ!」 そんな声が聞こえた気がしますが、私の作風としては“言葉にならない物”を描き出す事に重きを置いていますので、一作品を完成に至らしめるまでの間、日常に潜む多くの発見や感想を取りこぼしてしまうんですよね。 今年度の行事が先日終わって1年を振り返ってみれば、「そう言えば去年は絵を描く以外何をしたっけ?」と、何処

          はじめまして。