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昭和生まれの性教育 「安全なセックス」を知りたかった


はじめに

子どもの頃に性教育をしっかり受けた3、40代の女性ってどれくらいの割合でいるだろうか。
ワタシの場合は中学校の保健体育で二次性徴を習い、中間テストのために丸暗記して、試験後キレイサッパリ忘れてしまった。
加えて昭和前半生まれの両親から建設的な性教育も受けず、気づいたら30代も後半に突入していた。
今回は昭和生まれのワタシが受けてきた性教育を振り返る。

家庭での「性」エピソード

両親からの性に関する指摘で忘れられないエピソードが2つある。
1つはじめて彼氏と外泊する旨を母に伝えた時の反応だ。
母は男性と外泊するということは、セックスをする可能性が高いことを警告したかったのだろうが、支離滅裂な単語を顔を真っ赤にしながら長々とつぶやいていたのだ。
母にとって高校生の娘がセックスするなんて!といった思いがありつつも、リベラルぶっていたことがアダとなり強く否定することが出来なかったのだろう。
加えて彼女自身が「安全なセックス」について知識が全くなかったのだと思う。
「女性は男性こたえる」ことが正解だと信じて疑わなかった世代だ。
結局ワタシに残ったのは、「セックスって不純でいけないこと」というネガティブな感情だった。


2つめは父親の発言である。
「出来たら産めよ」
と言われた。
高校生のワタシにである。
母からワタシに彼氏ができて外泊することを相談されたのだろう。
彼なりに考えての助言?だったのかもしれないが、あまりにも乱暴な発言で、これはワタシに恐怖感しか植え付けなかった。

彼らの価値観の中に「安全なセックス」のなんて1ミリも持ち合わせていなかったのだろう。
そんな彼らからセックスのメリットとデメリット、コンドームのつけ方を聞くことは不可能だったことが今なら分かる。

しかしワタシにとってはセックスに対する最大級のネガティブキャンペーンであった。
また当時の彼は強引な人ではなかったが、セックスが怖いと言い出せなかった。
言ったら嫌われる、馬鹿にされると勝手に思い込んでいたのだ。
これはアダルトチルドレンの特徴の1つでもある。
当時のワタシは親と彼の気持ちを優先して、自分の気持ちを蔑ろにしていた。

誰にも相談できない心配症のワタシがとった行動は、親に内緒で低用量ピルを服用し始めることだった。
他に自分を守る術を知らなかった。
家から遠い婦人科に行き処方してもらった。

はじめての婦人科

その婦人科はおばあさん医師で、開口一番
なんでピルが必要なの?と訊いてきた。
「彼氏がいて、妊娠が不安なので」
と頑張って言った17歳のワタシを、思い切り抱きしめてあげたい。

内診が無い、家から遠い、女医、ピル処方でヒットした小さな婦人科だ。
それ以前に月経量が多く心配だと母に伝えたときに
「婦人科なんて本当に必要になる時(妊娠出産)まで行くような場所じゃない」
と一蹴されていたため、来院時はかなり緊張した。
知識が無いのでなにされるんだ!?と必要以上に怖かったのだ。

おばあさん医師は
「最近のお嬢さん方は…」とお小言を言いながら、低用量ピルを処方してくれた。
内心かなり毒づいていたが、噛みつかずに帰ったワタシ、偉かった。

さいごに

今考えると、性感染症や妊娠を防ぐためにはコンドームが必要だと教えてくれた人はいなかったことはとても恐ろしい。
低用量ピルを婦人科に貰いに行くだけでお小言を言われたことを、時代のせいだと笑い飛ばせない37歳のワタシがいる。(執念深いんで)

自分自身で膣を含めたデリケートゾーンのセルフケアをすることの大切さや、夫婦のセックスを楽しみたいと思うに至った経緯はまた改めて書きたい。
そのことに気が付いてからのワタシは、自己肯定感が高まってきている。

女性が自分の性と強制的に向き合うのは、月経とセックスの時だと思う。
月経痛や性交痛を和らげることは、自分を労わることに繋がる。
そのために信頼できる婦人科や漢方薬局を持つことは、大切なことで、それに気が付くことがちゃんとできるからね、安心してね。
あなたが今感じている違和感は何も間違っていないよ。
とあの時のワタシに教えて安心させてあげたい。

自分の子供には、女性も男性も積極的にセックスで快楽を追求することは素敵なことだし、そのためには自分もパートナーも同じくらい大切にすることが絶対条件であることだと伝えていきたい。

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