ベルギー留学:ディスカッションが苦手だったのに、気が付いたらプロジェクト・リーダーをしていた
ベルギーのブリュッセル自由大学に正規留学してかれこれ1年半が経ちました。
社会学はリーディング課題が多く、社会問題や哲学分野を扱っているためとにかく読むのが難しい。1年目はなかなか文章が理解できず、けっこう苦しみました。
けれど、それも量をこなせば慣れてくるもの。今では日本語に訳さず、直接原文を読んだ方が理解できることの方が多いです。社会学の知識を深めれば深めるほど、社会の仕組みや人々の行動への理解が増して、さらに学びたいことが広がっていきます。
そんな中、1年目からずっと苦戦しているのがディスカッション。ずっと前にこんな記事を書きました。
どんなに準備課題をやりこんでも、ディスカッションではどうしても勢いに飲まれてしまって、なかなか発言ができない。議論の流れも英語も早い。言葉を発しようと息を吸っている間に次の人がもう新しい話をしていて、どんどん議題が変わっていきます。
2年生の1学期もディスカッションだけはどうしても克服できず、グループ・プロジェクトやセミナーでも一言・二言話すのが精一杯でした。それなのに…
今、私、二つのプロジェクトでグループを引っ張っている…!
今期はグループ・プロジェクトが3つもあって忙しないスケジュール。去年はあまりプロジェクトに貢献できなかった分、「今回は、自分にできることは精一杯やろう」と決めました。
ミーティングを設定したり、まだお互い知らない段階からメンバーと積極的にコミュニケーションを取ったり、読み終えた論文の概要を誰でも見ることができるようにドキュメントを共有したり。プロジェクトのファイルやドキュメントの整理を自主的に取り組んだりしました。
ディスカッションの場でも恥を捨てて、分からないことや意見があるときはちゃんとコミュニケーションを取るようにしました。英語も1年前と比べてだいぶ上達したから、大抵の場合は議論の流れも理解できます。
ヨーロッパではプロジェクトでリーダーを決めず、例え決めたとしても、メンバーそれぞれが自発的に「できること」「できないこと」を実践していくので、実質全員が対等な意思決定と行動力を持つことになります。今回の場合、私にできることをコツコツこなして、できないことは他のメンバーにお願いしていたら、気が付いたらリーダー的存在になっていました。
一年前の自分だったら絶対に想像できない展開。
インターナショナルな場、異なる文化が混在する環境で、言語の壁を乗り越えて共に何かに取り組むことは、私にはまだまだ早いと思っていました。アカデミックなスピードを英語で対等にこなすことに、とにかく自信がありませんでした。
でもいつの間にか、リサーチ、意見交換、ミーティングの場で、ちゃんとプロジェクトに貢献できるだけの英語と能力を伸ばしていたようです。
やっと、大学生活もヨーロッパ暮らしも地に足が付いてきました。
できないこと、周りの人よりも足並みが遅いこともたくさんあるけれど、
ひとつひとつ丁寧に向き合った先に、
またひとつ新しい自分を見つけることができて、
少しだけ、パワーアップした自分として
また新しい習慣や小さな挑戦を取り入れてみる。
そうやって少しずつ、少しずつ、変化を楽しんでいきたいです。
では、また。